マンション管理標準指針
コ メ ン ト


二 管理規約の作成及び改正




 大項目  二 管理規約の作成及び改正  中項目  (一) 管理規約の作成・改正

小項目  1 管理規約の内容

標準的な対応

(1)〜(12)の全ての項目について、標準管理規約と同趣旨の規定が置かれ、かつ、(9)〜(12)については、使用細則等によりルールを定めている。

望ましい対応  ―
参 考
(平均的な状況等)
 ―

 〔コメント〕〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

◆管理規約については、区分所有法でもその制定を義務付けているものではなく、任意にその制定ができることになっていますが、区分所有者間相互の共通の規範たる管理規約の制定なしには、適正な管理は望めません。

◆国土交通省では、管理組合が管理規約を作成、変更する場合の参考として「マンション標準管理規約」を定めています。これは、マンションの個別事情に応じて、多少の内容変更が加えられることが想定されているものですが、トラブルの発生状況等から必要性が高く、また、個別事情に影響されにくく、どのマンションでも規定することが妥当と考えられる12項目については、全て標準管理規約と同趣旨の規定が置かれていることが必要です。

◆標準管理規約と同趣旨とは、標準管理規約の条文及びコメントに付された、背景、趣旨を踏まえていることです。

◆また、この12項目のうち、手続き等の細部の定めが必要となる4項目については、あわせて「使用細則等により、ルールを定めている」ことも必要です。

◆従って、上の要件に該当していることを「標準的な対応」としました。


 〔参  考〕〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

区分所有法第30条(規約事項)

1 建物又はその敷地若しくは付属施設の管理又は使用に関する区分所有者相互間の事項は、この法律に定めるもののほか、規約で定めることができる。

2 一部共用部分に関する事項で区分所有者全員の利害に関係しないものは、区分所有者全員の規約に定めがある場合を除いて、これを共用すべき区分所有者の規約で定めることができる。

3 前二項に規定する規約は、専有部分若しくは共用部分又は建物の敷地若しくは附属施設(建物の敷地又は付属施設に関する権利を含む。)につき、これらの形状、面積、位置関係、使用目的及び利用状況並びに区分所有者が支払った対価その他の事情を総合的に考慮して、区分所有者間の利害の衡平が図られるように定めなければならない。

4 第一項及び第二項の場合には、区分所有者以外の者の権利を害することができない。

5 規約は、書面又は電磁的記録(電子式方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものとして法務省令で定めるものをいう。以下同じ。)により、これを作成しなければならない。


 〔デ ー タ〕〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

○総合調査(標準管理規約の準拠状況)

○改正後標準管理規約に概ね準拠(62.7%) ○改正前標準管理規約に概ね準拠(27.9%)
  標準管理規約の準拠状況

○総合調査(管理規約の改正の有無)

○改正されたことがある(57.8%)
  管理規約の改正の有無



 大項目  二 管理規約の作成及び改正  中項目  (一) 管理規約の作成・改正

小項目  1 管理規約の内容 (1)管理組合の業務

標準的な対応  標準管理規約と同趣旨の規定が置かれている。
望ましい対応  ―
参 考
(平均的な状況等)
 【標準管理規約】32条

 〔コメント〕〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

◆区分所有法は、「区分所有者は、全員で、建物並びにその敷地及び附属施設の管理を行うための団体を構成し、この法律の定めるところにより、集会を開き、規約を定め、及び管理者を置くことができる。」と規定しています。区分所有者の共同の利益を増進し、良好な住環境を確保するためには、対象物件(敷地、建物及び附属施設)の管理を行う団体、すなわち管理組合が必要な事務を処理することが不可欠です。
 そこで、この管理組合の具体的な業務を管理規約で適切に規定することが必要となります。

◆具体的な定め方については、標準管理規約第32条を参照して下さい。


 〔参  考〕〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

標準管理規約第32条(業務)

 管理組合は、次の各号に掲げる業務を行う。

一 管理組合が管理する敷地及び共用部分等(以下本条及び第48条において「組合管理部分」という。)の保安、保守、清掃、消毒及びごみ処理

二 組合管理部分の修繕

三 長期修繕計画の作成又は変更に関する業務

四 建物の建替えに係る合意形成に必要となる事項の調査に関する業務

五 適正化法第103条に定める、宅地建物取引業者から交付を受けた設計図書の管理

六 修繕等の履歴情報の整理及び管理等

七 共用部分に係る火災保険その他の傷害保険に関する業務

八 区分所有者が管理する専用使用部分について管理組合が行うことが適当であると認められる管理行為

九 敷地及び共用部分等の変更及び運営

十 修繕積立金の運用

十一 官公署、町内会等との渉外業務

十二 風紀、秩序及び安全の維持に関する業務

十三 防災に関する業務

十四 広報及び連絡業務

十五 地域コミュニティにも配慮した居住者間のコミュニティ形成

十六 管理組合の消滅時における残余財産の精算

十七 その他組合員の共同の利益を増進し、良好な住環境を確保するために必要な業務


標準管理規約第32条(業務)関係コメント

(1)建物を長期にわたって良好に維持・管理していくためには、一定の年数の経過ごとに計画的に修繕を行っていくことが必要であり、その対象となる建物の部分、修繕時期、必要となる費用等について、あらかじめ長期修繕計画として定め、区分所有者の間で合意しておくことは、円滑な修繕の実施のために重要である。

(2)長期修繕計画の内容としては次のようなものが最低限必要である。

1 計画期間が25年程度以上であること。なお、新築時においては、計画期間を30年程度にすると、修繕のために必要な工事をほぼ網羅できることとなる。

2 計画修繕の対象となる工事として外壁補修、屋上防水、給排水管取替え、窓及び玄開扉等の開口部の改良等が掲げられ、各部位ごとに修繕周期、工事金額等が定められているものであること。

3 全体の工事全額が定められたものであること。
 また、長期修繕計画の内容については定期的な(おおむね5年程度ごとに)見直しをすることが必要である。

(3)長期修繕計画の作成又は変更及び修繕工事の実施の前提として、劣化診断(建物診断)を管理組合として併せて行う必要がある。

(4)長期修繕計画の作成又は変更に要する経費及び長期修繕計画の作成等のための劣化診断(建物診断)に要する経費の充当については、管理組合の財産状態等に応じて管理費又は修繕積立金のどちらからでもできる。
 ただし、修繕工事の前提としての劣化診断(建物診断)に要する経費の充当については、修繕工事の一環としての経費であることから、原則として修繕積立金から取り崩すこととなる。

(5)管理組合が管理すべき設計図書は、適正化法第103条に基づいて宅地建物取引業者から交付される竣工時の付近見取図、配置図、仕様書(仕上げ表を含む。)、各階平面図、2面以上の立面図、断面図又は矩計図、基礎伏図、小屋伏図、構造詳細図及び構造計算書である。ただし、同条は、適正化法の施行(平成13年8月1日)前に建設工事が完了した建物の分譲については適用されてないこととなっており、これに該当するマンションには上述の図書が交付されていない場合もある。
 他方、建物の修繕に有用な書類としては、上述以外の設計関係書類(数量調書、竣工地積測量図等)、特定行政庁関係書類(建築確認通知書、日影協定書等)、消防関係書類、機械関係設備施設の関係書類、売買契約書関係書類等がある。
 このような各マンションの実態に応じて、具体的な図書を規約に記載することが望ましい。

(6)修繕等の履歴情報とは、大規模修繕工事、計画修繕工事及び設備改修工事等の修繕の時期、箇所、費用及び工事施工者等や、設備の保守点検、建築基準法第12条第1項及び第2項の特殊建築物等の定期調査報告及び建築設備(昇降機を含む。)の定期検査報告、消防法第8条の2の2の防火対象物定期点検報告等の法定点検など、維持管理の情報であり、整理して後に参照できるよう管理しておくことが今後の修繕等を適切に実施するために有効な情報である。

(7)建替え等により消滅する管理組合は、管理費や修繕積立金等の残余財産を清算する必要がある。なお、清算の方法については、各マンションの実態に応じて規定を整備しておくことが望ましい。




 大項目  二 管理規約の作成及び改正  中項目  (一) 管理規約の作成・改正

小項目  1 管理規約の内容 (2)総会決議事項

標準的な対応  標準管理規約と同趣旨の規定が置かれている。
望ましい対応  ―
参 考
(平均的な状況等)
 【標準管理規約】48条

 〔コメント〕〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

◆区分所有法は、総会を管理組合の中心的、かつ最高の意思決定機関として位置付け、建物等の管理に関する重要な事項は、すべて原則として総会の決議によって定めることとしています。
 もっとも、総会でいかなる事項をも決議できるかといえば、そうではないことに注意する必要があります。
 また、あらゆる事項を総会決議事項とすると、機動的な管理組合運営にとって支障となります。

◆このように、管理規約において、バランスを考慮しつつ、総会の決議を経なければならない事項を掲げる必要があります。

◆具体的な定め方については、標準管理規約第48条を参照して下さい。


 〔参  考〕〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

標準管理規約第48条(議決事項)

次の各号に掲げる事項については、総会の決議を経なければならない。

一 収支決算及び事業報告

二 収支予算及び事業計画

三 管理費等及び使用料の額並びに賦課徴収方法

四 規約及び使用細則等の制定、変更又は廃止

五 長期修繕計画の作成又は変更

六 第28条第1項に定める特別の管理の実施並びにそれに充てるための資金の借入れ及び修繕積立金の取崩し

七 第28条第2項に定める建物の建替えに係る計画又は設計等の経費のための修繕積立金の取崩し

八 修繕積立金の保管及び運用方法

九 第21条第2項に定める管理の実施

十 区分所有法第57条第2項及び前条第3項第三号の訴えの提起並びにこれらの訴えを提起すべき者の選任

十一 建物の一部が滅失した場合の滅失した共用部分の復旧

十二 区分所有法第62条第1項の場合の建替え

十三 役員の選任及び解任並びに役員活動費の額及び支払方法

十四 組合管理部分に関する管理委託契約の締結

十五 その他管理組合の業務に関する重要事項




 大項目  二 管理規約の作成及び改正  中項目  (一) 管理規約の作成・改正

小項目  1 管理規約の内容 (3)管理費と修繕積立金の区分経理

標準的な対応  標準管理規約と同趣旨の規定が置かれている。
望ましい対応  ―
参 考
(平均的な状況等)
 【標準管理規約】28条4項

 〔コメント〕〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

◆マンションの良好な居住水準を維持していくためには、外壁塗装工事、屋上防水工事、給・排水設備工事といった大規模修繕を計画的に行っていく必要があります。
 大規模修繕工事を実施するには、多額の費用を要し、これを修繕時に一度に徴収するとなると、各区分所有者の負担が重くなり、実施すべき工事を延期又は中止しなければならなくなる事態も予想されます。したがって、大規模修繕に要する費用を修繕積立金という形であらかじめ計画的に積み立てていくことが望ましいと考えられます。
 一方管理費は、通常の管理に要する経費として徴するものです。

◆このため、管理費と修繕積立金は区分して経理することを、管理規約で明確に定める必要があります。

◆具体的な定め方については、標準管理規約第28条を参照して下さい。


 〔参  考〕〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

標準管理規約第28条(修繕積立金)第4項

4 修繕積立金については、管理費とは区分して経理しなければならない。


標準管理規約第28条(修繕積立金)関係コメント(2)

(2)分譲会社が分譲時において将来の計画修繕に要する経費に充当していくため、一括して購入者より修繕積立基金として徴収している場合や、修繕時に、既存の修繕積立金の額が修繕費用に不足すること等から、一時負担金が区分所有者から徴収される場合があるが、これらについても修繕積立金として積み立てられ、区分経理されるべきものである。




 大項目  二 管理規約の作成及び改正  中項目  (一) 管理規約の作成・改正

小項目  1 管理規約の内容 (4)修繕積立金の使途範囲

標準的な対応  標準管理規約と同趣旨の規定が置かれている。
望ましい対応  ―
参 考
(平均的な状況等)
 【標準管理規約】28条1項〜3項

 〔コメント〕〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

◆修繕積立金は、前項目のコメントの性格をもつため、その取り崩しは特別の管理に要する経費に充当する場合に限る等、管理規約に限定的に使途範囲を列挙し規定する必要があります。

◆具体的な定め方については、標準管理規約第28条を参照して下さい。


 〔参  考〕〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

標準管理規約第28条(修繕積立金)第1項、第2項、第3項

1 管理組合は、各区分所有者が納入する修繕積立金を積み立てるものとし、積み立てた修繕積立金は、次の各号に掲げる特別の管理に要する経費に充当する場合に限って取り崩すことができる。

一 一定年数の経過ごとに計画的に行う修繕

二 不測の事故その他特別の事由により必要となる修繕

三 敷地及び共用部分等の変更

四 建物の建替えに係る合意形成に必要となる事項の調査

五 その他敷地及び共用部分等の管理に関し、区分所有者全体の利益のために特別に必要となる管理

2 前項にかかわらず、区分所有法第62条第1項の建替え決議(以下「建替え決議」という。)又は建替えに関する区分所有者全員の合意の後であっても、マンションの建替えの円滑化等に関する法律(以下本項において「円滑化法」という。)第9条のマンション建替組合(以下「建替組合」という。)の設立の認可又は円滑化法第45条のマンション建替事業の認可までの間において、建物の建替えに係る計画又は設計等に必要がある場合には、その経費に充当するため、管理組合は、修繕積立金から管理組合の消滅時に建替え不参加者に帰属する修繕積立金相当額を除いた金額を限度として、修繕積立金を取り崩すことができる。

3 管理組合は、第1項各号の経費に充てるため借入れをしたときは、修繕積立金をもってその償還に充てることができる。


標準管理規約第28条(修繕積立金)関係コメント(1)・(3)〜(7)

(1)対象物件の経済的価値を適正に維持するためには、一定期間ごとに行う計画的な維持修繕工事が重要であるので、修繕積立金を必ず積み立てることとしたものである。

(3)円滑化法に基づく建替組合によるマンション建替事業における建替えまでのプロセスの概要は、円滑化法の制定を踏まえ作成された「マンションの建替えに向けた合意形成に関するマニュアル」(平成15年1月国土交通省公表)によれば、次のとおりである。

A.建替え決議までのプロセス

(ア)準備段階:一部の区分所有者から建替えの発意がなされ、それに賛同する有志により、建替えを提起するための基礎的な検討が行われる段階であり、「管理組合として建替えの検討を行うことの合意を得ること」を目標とする。

(イ)検討段階:管理組合として、修繕・改修との比較等による建替えの必要性、建替えの構想について検討する段階であり、「管理組合として、建替えを必要として計画することの合意を得ること」を目標とする。

(ウ)計画段階:管理組合として、各区分所有者の合意形成を図りながら、建替えの計画を本格的に検討する段階であり、「建替え計画を策定するとともに、それを前提とした建替え決議を得ること」を目標とする。

B.建替え決議後のプロセス

(ア)建替組合の設立段階:定款及び事業計画を定め、都道府県知事等の認可を受けて建替組合を設立する段階。

(イ)権利変換段階:権利変換計画を策定し、同計画に関し都道府県知事等の認可を受け、権利変換を行う段階。

(ウ)工事実施段階:建替え工事を施工し、工事完了時にマンション建替事業に係る清算を行う段階。

(エ)再入居と新管理組合の設立段階:新マンションに入居し、新マンションの管理組合が発足する段階。

(4)(3)のプロセスのうち、(3)のA(イ)及び(ウ)の段階においては、管理組合が建替えの検討のため、調査を実施する。調査の主な内容は、再建マンションの設計概要、マンションの取壊し及び再建マンションの建築に要する費用の概算額やその費用分担、再建マンションの区分所有権の帰属に関する事項等である。

(5)(3)のプロセスのうち、(3)のB(ア)の段階においても、修繕積立金を取り崩すことのできる場合があることを定めたのが第2項である。

(6)(3)のプロセスによらず、円滑化法第45条のマンション建替事業の認可に基づく建替え、又は区分所有者の全員合意に基づく任意の建替えを推進する場合であっても、必要に応じて、第1項及び第2項、又は第2項と同様の方法により、修繕積立金を取り崩すことは可能である。ただし、任意の組織に関しては、その設立時期について管理組合内で共通認識を得ておくことが必要である。

(7)建替えに係る調査に必要な経費の支出は、各マンションの実態に応じて、管理費から支出する旨管理規約に規定することもできる。




 大項目  二 管理規約の作成及び改正  中項目  (一) 管理規約の作成・改正

小項目

 1 管理規約の内容 (5)管理費と修繕積立金に関する納入義務・分割請求禁止


標準的な対応  標準管理規約と同趣旨の規定が置かれている。
望ましい対応  ―
参 考
(平均的な状況等)
 【区分所有法】19条
 【標準管理規約】25条60条5項61条

 〔コメント〕〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

◆敷地及び共用部分等の管理を管理組合が行うに当たって必要となる経費は、管理組合の構成員である区分所有者が負担すべきものであるため、管理費、修繕積立金という二種類の費用を管理組合に納入する必要があります。

◆区分所有者が転出するときに、毎月払いの管理費等を日割りで払い戻すことを認めると、管理組合の会計を不安定なものとし、また、修繕積立金を取り崩して当該区分所有者がそれまで積み立てていた金額を返却すると、修繕計画に支障をきたすことから、区分所有者が一旦納入した管理費等については、返還又は分割の請求を禁止する必要があります。

◆具体的な定め方については、標準管理規約第25条、第60条及び第61条を参照して下さい。


 〔参  考〕〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

区分所有法第19条(共用部分の負担及び利益収取)

 各共有者は、規約に別段の定めがない限りその持分に応じて、共用部分の負担に任じ、共用部分から生ずる利益を収取する。

標準管理規約第25条(管理費等)

1 区分所有者は、敷地及び共用部分等の管理に要する経費に充てるため、次の費用(以下「管理費等」という。)を管理組合に納入しなければならない。

一 管理費

二 修繕積立金

2 管理費等の額については、各区分所有者の共用部分の共有持分に応じて算出するものとする。


標準管理規約第60条(管理費等の徴収)第5項

5 組合員は、納付した管理費等及び使用料について、その返還請求又は分割請求をすることができない。


標準管理規約第61条(管理費等の過不足)

1 収支決算の結果、管理費に余剰を生じた場合には、その余剰は翌年度における管理費に充当する。

2 管理費等に不足を生じた場合には、管理組合は組合員に対して第25条第2項に定める管理費等の負担割合により、その都度必要な金額の負担を求めることができる。




 大項目  二 管理規約の作成及び改正  中項目  (一) 管理規約の作成・改正

小項目  1 管理規約の内容 (6)専有部分と共用部分の区分

標準的な対応  標準管理規約と同趣旨の規定が置かれている。
望ましい対応  ―
参 考
(平均的な状況等)
 【区分所有法】4条
 【標準管理規約】7条8条別表第2

 〔コメント〕〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

◆専有部分と共用部分の区分については、不明確であると紛争のもととなることも多いため、管理規約には、法定共用部分も含めて、共用部分とする箇所を具体的かつ網羅的に掲げる必要があります。

◆具体的な定め方については、標準管理規約第7条、第8条、別表第2及び各条のコメントを参照して下さい。

◆特に、配線、配管等の建物の附属物は、その区分を図示することにより、明確になります。また、法定共用部分以外については、専門家の意見を聞くなど、個別のマンションの建物・設備の構造、設置場所、用途等によって判断することが必要です。


 〔参  考〕〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

区分所有法第4条(共用部分)

1 数個の専有部分に通ずる廊下又は階段室その他構造上区分所有者の全員又はその一部の共用に供されるべき建物の部分は、区分所有権の目的とならないものとする。

2 第一条に規定する建物の部分及び附属の建物は、規約により共用部分とすることができる。この場合には、その旨の登記をしなければ、これをもつて第三者に対抗することができない。


標準管理規約第7条(専有部分の範囲)

1 対象物件のうち区分所有権の対象となる専有部分は、住戸番号を付した住戸とする。

2 前項の専有部分を他から区分する構造物の帰属については、次のとおりとする。

一 天井、床及び壁は、躯体部分を除く部分を専有部分とする。

二 玄関扉は、錠及び内部塗装部分を専有部分とする。

三 窓枠及び窓ガラスは、専有部分に含まれないものとする。

3 第1項又は前項の専有部分の専用に供される設備のうち共用部分内にある部分以外のものは、専有部分とする。


標準管理規約第7条(専有部分の範囲)関係コメント

(1)専有部分として倉庫又は車庫を設けるときは、「倉庫番号を付した倉庫」又は「車庫番号を付した車庫」を加える。また、すべての住戸に倉庫又は車庫が附属しているのではない場合は、管理組合と特定の者との使用契約により使用させることとする。

(2)利用制限を付すべき部分及び複数の住戸によって利用される部分を共用部分とし、その他の部分を専有部分とした。この区分は必ずしも費用の負担関係と連動するものではない。利用制限の具体的内容は、建物の部位によって異なるが、外観を構成する部分については加工等外観を変更する行為を禁止し、主要構造部については構造的変更を禁止する趣旨である。

(3)第1項は、区分所有権の対象となる専有部分を住戸部分に限定したが、この境界について疑義を生じることが多いので第2項で限界を明らかにしたものである。

(4)雨戸又は網戸がある場合は、第2項第三号に追加する。

(第3項関係)

(5)「専有部分の専用に供される」か否かは、設備機能に着目して決定する。


標準管理規約第8条(共用部分の範囲)

 対象物件のうち共用部分の範囲は、別表第2に掲げるとおりとする。

標準管理規約別表第2(共用部分の範囲)

1 玄関ホール、廊下、階段、エレベーターホール、エレベーター室、電気室、機械室、パイプスペース、メーターボックス(給湯器ボイラー等の設備を除く。)、内外壁、界壁、床スラブ、基礎部分、バルコニー、ベランダ、屋上テラス、車庫等専有部分に属さない「建物の部分」

2 エレベーター設備、電気設備、給排水衛生設備、ガス配管設備、火災警報設備、インターネット通信設備、ケーブルテレビ設備、オートロック設備、宅配ボックス、避雷設備、塔屋、集合郵便受箱、配線配管(給水管については、本管から各住戸メーターを含む部分、雑排水管及び汚水管については、配管継手及び立て管)等専有部分に属さない「建物の附属物」

3 管理事務室、管理用倉庫、集会室及びそれらの附属物


標準管理規約別表第2(共用部分の範囲)関係コメント

(1)ここでいう共用部分には、規約共用部分のみならず、法定共用部分も含む。

(2)管理事務室等は、区分所有法上は専有部分の対象となるものであるが、区分所有者の共通の利益のために設置されるものであるから、これを規約により共用部分とすることとしたものである。

(3)一部の区分所有者のみの共有とする共用部分があれば、その旨も記載する。


○マンション専有・共用区分図の例

※この区分図は、例示であり、各マンションの建物・設備の構造、設置場所、用途等によって判断することが必要です。

  住戸(断面略図)
  住戸(断面略図)
  電気の区分(断面略図)
  排水管の区分(断面略図)(スラブ上配管の場合)
  給水管の区分(断面略図)
  ガス管の区分(断面略図)
  排水管の区分(断面略図)(スラブ下配管の場合)



 大項目  二 管理規約の作成及び改正  中項目  (一) 管理規約の作成・改正

小項目  1 管理規約の内容 (7)敷地及び共用部分の管理

標準的な対応  標準管理規約と同趣旨の規定が置かれている。
望ましい対応  ―
参 考
(平均的な状況等)
 【標準管理規約】21条22条

 〔コメント〕〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

◆区分所有権の目的たる専有部分については、区分所有者が責務を自覚しつつ各自で管理すればおおむね問題ありませんが、敷地及び共用部分等は区分所有者の共有であるため、その管理については、管理組合がその責任と負担において行う等管理規約に規定する必要があります。

◆バルコニー等が共用部分等の一部である場合、日常的には当該専用使用権を有する区分所有者のみが使用する部分であるため、通常の使用に伴う管理については、専用使用権を有する者が自己の責任と費用負担において行う等管理規約に規定する必要があります。

◆また逆に、配管、配線等の枝管、枝線など専有部分である設備であっても、共用部分と構造上一体となった部分については共用部分の管理と一体として管理すべき場合もあるので、このような場合には、管理組合が主体となって管理できることも管理規約に定める必要があります。

◆具体的な定め方については、標準管理規約第21条及び第22条を参照して下さい。


 〔参  考〕〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

標準管理規約第21条(敷地及び共用部分等の管理)

1 敷地及び共用部分等の管理については、管理組合がその責任と負担においてこれを行うものとする。ただし、バルコニー等の管理のうち、通常の使用に伴うものについては、専用使用権を有する者がその責任と負担においてこれを行わなければならない。

2 専有部分である設備のうち共用部分と構造上一体となった部分の管理を共用部分の管理と一体として行う必要があるときは、管理組合がこれを行うことができる。


標準管理規約第21条(敷地及び共用部分等の管理)関係コメント

(1)駐車場の管理は、管理組合がその責任と負担で行う。

(2)バルコニー等の管理のうち、管理組合がその責任と負担において行わなければならないのは計画修繕等である。

(3)本条ただし書の「通常の使用に伴う」管理とは、バルコニーの清掃や窓ガラスが割れた時の入れ替え等である。

(4)第2項の対象となる設備としては、配管、配線等がある。

(5)配管の清掃等に要する費用については、第27条第三号の「共用設備の保守維持費」として管理費を充当することが可能であるが、配管の取替え等に要する費用のうち専有部分に係るものについては、各区分所有者が実費に応じて負担すべきものである。


標準管理規約第22条(窓ガラス等の改良)

1 共用部分のうち各住戸に附属する窓枠、窓ガラス、玄関扉その他の開口部に係る改良工事であって、防犯、防音又は断熱等の住宅の性能の向上等に資するものについては、管理組合がその責任と負担において、計画修繕としてこれを実施するものとする。

2 管理組合は、前項の工事を速やかに実施できない場合には、当該工事を各区分所有者の責任と負担において実施することについて、細則を定めるものとする。


標準管理規約第22条(窓ガラス等の改良)関係コメント

@ 窓枠、窓ガラス及び玄関扉(玄関扉にあっては、錠及び内部塗装部分を除く。以下「開口部という。)については、第7条第2項第二号及び第三号において専有部分に含まれないこととされていること、専有部分に属さない「建物の部分」については、第8条に基づく別表第2において共用部分とされていることから、開口部は共用部分として扱うこととなる。

(2)また、区分所有法は、その形状又は効用の著しい変更を伴わない共用部分の変更について、集会の普通決議により決することを定めている。

(3)第1項は、防犯、防音又は断熱等の住宅の性能の向上のため行われる開口部の改良工事については、原則として、他の共用部分と同様に計画修繕の対象とすべき旨を規定したものである。

(4)第2項は、開口部の改良工事については、治安上の問題を踏まえた防犯性能の向上や、結露から発生したカビやダニによるいわゆるシックハウス問題を改善するための断熱性の向上等、一棟全戸ではなく一部の住戸において緊急かつ重大な必要性が生じる場合もあり得ることにかんがみ、計画修繕によりただちに開口部の改良を行うことが困難な場合には、各区分所有者の責任と負担において工事を行うことができるよう、細則をあらかじめ定めるべきことを規定したものである。

(5)また、第2項は、マンションでは通常個々の専有部分に係る開口部(共用部分)が形状や材質において大きく異なるような状況は考えられないことから、当該開口部の改良工事についてもその方法や材質・形状等をあらかじめ定型的に細則で定めることにより、その範囲内で行われるものについては施工の都度総会の決議を求めるまでもなく、各区分所有者の責任と負担において実施することを可能とする趣旨である。

(6)「共用部分のうち各住戸に附属する窓枠、窓ガラス、玄関扉その他の開口部に係る改良工事であって、防犯、防音又は断熱等の住宅の性能の向上等に資するもの」の工事の具体例としては、防犯・防音・断熱性等により優れた複層ガラスやサッシ等への交換、既設のサッシへの内窓又は外窓の増設等が考えられる。

(7)各区分所有者の責任と負担において行うことができるものとしてあらかじめ定型的な工事内容を定めるに当たっては、専門的知識を有する者の意見を聴くことを考慮する。

(8)本条の規定のほか、具体的な工事内容、区分所有者の遵守すべき事項等詳細についてはに別途定めるものとする。

(9)申請書及び承認書の様式は、専有部分の修繕に関する様式に準じて定めるものとする。




 大項目  二 管理規約の作成及び改正  中項目  (一) 管理規約の作成・改正

小項目

 1 管理規約の内容 (8)義務違反者に対する措置及び違反行為に対する勧告・指示等


標準的な対応  標準管理規約と同趣旨の規定が置かれている。
望ましい対応  ―
参 考
(平均的な状況等)
 【区分所有法】6条1項57〜60条
 【標準管理規約】60条2〜4項66条67条

 〔コメント〕〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

◆円満な共同生活を維持するため、法令や管理規約・使用細則等に違反したり、共同生活秩序を乱す行為を行う区分所有者等に対しては、区分所有法第6条に「建物の保存に有害な行為その他建物の管理又は使用に関し区分所有者の共同の利益に反する行為」に対する措置(同法第57条〜第60条)が規定されています。

◆しかし、区分所有法第6条に該当しない行為であっても、管理費等の滞納や、第三者による器物の破損等については、迅速な対応が求められ、また、その対応に関する手順などを明確にルール化しておくことが必要です。

◆具体的な定め方については、標準管理規約第60条第2項〜第4項、第66条及び第67条を参照して下さい。


 〔参  考〕〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

区分所有法第6条第1項(区分所有者の権利義務等)

1 区分所有者は、建物の保存に有害な行為その他建物の管理又は使用に関し区分所有者の共同の利益に反する行為をしてはならない。


区分所有法第26条(権限)第4項

4 管理者は、規約又は集会の決議により、その職務(第二項後段に規定する事項を含む。)に関し、区分所有者のために、原告又は被告となることができる。


区分所有法第57条(共同の利益に反する行為の停止等の請求)

1 区分所有者が第六条第一項に規定する行為をした場合又はその行為をするおそれがある場合には、他の区分所有者の全員又は管理組合法人は、区分所有者の共同の利益のため、その行為を停止し、その行為の結果を除去し、又はその行為を予防するため必要な措置を執ることを請求することができる。

2 前項の規定に基づき訴訟を提起するには、集会の決議によらなければならない。

3 管理者又は集会において指定された区分所有者は、集会の決議により、第一項の他の区分所有者の全員のために、前項に規定する訴訟を提起することができる。

4 前三項の規定は、占有者が第六条第三項において準用する同条第一項に規定する行為をした場合及びその行為をするおそれがある場合に準用する。


区分所有法第58条(使用禁止の請求)

1 前条第一項に規定する場合において、第六条第一項に規定する行為による区分所有者の共同生活上の障害が著しく、前条第一項に規定する請求によつてはその障害を除去して共用部分の利用の確保その他の区分所有者の共同生活の維持を図ることが困難であるときは、他の区分所有者の全員又は管理組合法人は、集会の決議に基づき、訴えをもつて、相当の期間の当該行為に係る区分所有者による専有部分の使用の禁止を請求することができる。

2 前項の決議は、区分所有者及び議決権の各四分の三以上の多数でする。

3 第一項の決議をするには、あらかじめ、当該区分所有者に対し、弁明する機会を与えなければならない。

4 前条第三項の規定は、第一項の訴えの提起に準用する。


区分所有法第59条(区分所有権の競売の請求)

1 第五十七条第一項に規定する場合において、第六条第一項に規定する行為による区分所有者の共同生活上の障害が著しく、他の方法によつてはその障害を除去して共用部分の利用の確保その他の区分所有者の共同生活の維持を図ることが困難であるときは、他の区分所有者の全員又は管理組合法人は、集会の決議に基づき、訴えをもつて、当該行為に係る区分所有者の区分所有権及び敷地利用権の競売を請求することができる。

2 第五十七条第三項の規定は前項の訴えの提起に、前条第二項及び第三項の規定は前項の決議に準用する。

3 第一項の規定による判決に基づく競売の申立ては、その判決が確定した日から六月を経過したときは、することができない。

4 前項の競売においては、競売を申し立てられた区分所有者又はその者の計算において買い受けようとする者は、買受けの申出をすることができない。


区分所有法第60条(占有者に対する引渡し請求)

1 第五十七条第四項に規定する場合において、第六条第三項において準用する同条第一項に規定する行為による区分所有者の共同生活上の障害が著しく、他の方法によつてはその障害を除去して共用部分の利用の確保その他の区分所有者の共同生活の維持を図ることが困難であるときは、区分所有者の全員又は管理組合法人は、集会の決議に基づき、訴えをもつて、当該行為に係る占有者が占有する専有部分の使用又は収益を目的とする契約の解除及びその専有部分の引渡しを請求することができる。

2 第五十七条第三項の規定は前項の訴えの提起に、第五十八条第二項及び第三項の規定は前項の決議に準用する。

3 第一項の規定による判決に基づき専有部分の引渡しを受けた者は、遅滞なく、その専有部分を占有する権原を有する者にこれを引き渡さなければならない。


標準管理規約第60条(管理費等の徴収)第2項、第3項、第4項

2 組合員が前項の期日までに納付すべき金額を納付しない場合には、管理組合は、その未払金額について、年利○%の遅延損害金と、違約金としての弁護士費用並びに督促及び徴収の諸費用を加算して、その組合員に対して請求することができる。

3 理事長は、未納の管理費等及び使用料の請求に関して、理事会の決議により、管理組合を代表して、訴訟その他法的措置を追行することができる。

4 第2項に基づき請求した遅延損害金、弁護士費用並びに督促及び徴収の諸費用に相当する収納金は、第27条に定める費用に充当する。


標準管理規約第60条(管理費等の徴収)関係コメント(2)

(2)督促及び徴収に要する費用とは、次のような費用である。

ア)配達証明付内容証明郵便による督促は、郵便代の実費及び事務手数料

イ)支払督促申立その他の法的措置については、それに伴う印紙代、予納切手代、その他の実費

ウ)その他督促及び徴収に要した費用


標準管理規約第66条(義務違反者に対する措置)

 区分所有者又は占有者が建物の保存に有害な行為その他建物の管理又は使用に関し区分所有者の共同の利益に反する行為をした場合又はその行為をするおそれがある場合には、区分所有法第57条から第60条までの規定に基づき必要な措置をとることができる。

標準管理規約第67条(理事長の勧告及び指示等)

1 区分所有者若しくはその同居人又は専有部分の貸与を受けた者若しくはその同居人(以下「区分所有者等」という。)が、法令、規約又は使用細則等に違反したとき、又は対象物件内における共同生活の秩序を乱す行為を行ったときは、理事長は、理事会の決議を経てその区分所有者等に対し、その是正等のため必要な勧告又は指示若しくは警告を行うことができる。

2 区分所有者は、その同居人又はその所有する専有部分の貸与を受けた者若しくはその同居人が前項の行為を行った場合には、その是正等のため必要な措置を講じなければならない。

3 区分所有者等がこの規約若しくは使用細則等に違反したとき、又は区分所有者等若しくは区分所有者等以外の第三者が敷地及び共用部分等において不法行為を行ったときは、理事長は、理事会の決議を経て、次の措置を講ずることができる。

一 行為の差止め、排除又は原状回復のための必要な措置の請求に関し、管理組合を代表して、訴訟その他法的措置を追行すること

二 敷地及び共用部分等について生じた損害賠償金又は不当利得による返還金の請求又は受領に関し、区分所有者のために、訴訟において原告又は被告となること、その他法的措置をとること

4 前項の訴えを提起する場合、理事長は、請求の相手方に対し、違約金としての弁護士費用及び差止め等の諸費用を請求することができる。

5 前項に基づき請求した弁護士費用及び差止め等の諸費用に相当する収納金は、第27条に定める費用に充当する。

6 理事長は、第3項の規定に基づき、区分所有者のために、原告又は被告となったときは、遅滞なく、区分所有者にその旨を通知しなければならない。この場合には、第43条第2項及び第3項の規定を準用する。




 大項目  二 管理規約の作成及び改正  中項目  (一) 管理規約の作成・改正

小項目  1 管理規約の内容 (9)ペット飼育

標準的な対応  ペット飼育の可否を管理規約に定め、可の場合は使用細則等によりルールを定めている。
望ましい対応  ―
参 考
(平均的な状況等)
 【標準管理規約】18条
 【総合調査】使用細則・協定等を定めているペット飼育:66.6%

 〔コメント〕〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

◆ペット飼育は、マンション生活におけるトラブルの代表的なものの一つであり、飼育の可否はもとよりその詳細についてもルール化しておくことが必要です。

◆犬、猫等のペットの飼育に関しては、それを認める、認めない等の規定は管理規約で定めるべき事項です。

◆飼育を認める場合には、動物等の種類及び数等の限定、管理組合への届出又は登録等による飼育動物の把握、専有部分における飼育方法並びに共用部分の利用方法及びふん尿の処理等の飼育者の守るべき事項、飼育に起因する被害等に対する責任、違反者に対する措置等について、さらに具体的なルールを使用細則等により定めておくことが必要です。

◆具体的な定め方については、標準管理規約第18条及び同コメント第18条関係を参照して下さい。


 〔参  考〕〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

標準管理規約第18条(使用細則)

 対象物件の使用については、別に使用細則を定めるものとする。

標準管理規約第18条(使用細則)関係コメント

(1)使用細則で定めることが考えられる事項としては、動物の飼育やピアノ等の演奏に関する事項等専有部分の使用方法に関する規制や、駐車場、倉庫等の使用方法、使用料等敷地、共用部分の使用方法や対価等に関する事項等があげられ、このうち専有部分の使用に関するものは、その基本的な事項は規約で定めるべき事項である。
 なお、使用細則を定める方法としては、これらの事項を一つの使用細則として定める方法と事項ごとに個別の細則として定める方法とがある。

(2)犬、猫等のペットの飼育に関しては、それを認める、認めない等の規定は規約で定めるべき事項である。基本的な事項を規約で定め、手続き等の細部の規定を使用細則等に委ねることは可能である。
 なお、飼育を認める場合には、動物等の種類及び数等の限定、管理組合への届出又は登録等による飼育動物の把握、専有部分における飼育方法並びに共用部分の利用方法及びふん尿の処理等の飼育者の守るべき事項、飼育に起因する被害等に対する責任、違反者に対する措置等の規定を定める必要がある。

(3)ペット飼育を禁止する場合、容認する場合の規約の例は、次のとおりである。

ペットの飼育を禁止する場合
 (ペット飼育の禁止)

第○条 区分所有者及び占有者は、専有部分、共用部分の如何を問わず、犬・猫等の動物を飼育してはならない。ただし、専ら専有部分内で、かつ、かご・水槽等内のみで飼育する小鳥・観賞用魚類(金魚・熱帯魚等)等を、使用細則に定める飼育方法により飼育する場合、及び身体障害者補助犬法に規定する身体障害者補助犬(盲導犬、介助犬及び聴導犬)を使用する場合は、この限りではない。

ペットの飼育を容認する場合
 (ペットの飼育)

第○条 ペット飼育を希望する区分所有者及び占有者は、使用細則及びペット飼育に関する細則を遵守しなければならない。ただし、他の区分所有者又は占有者からの苦情の申し出があり、改善勧告に従わない場合には、理事会は、飼育禁止を含む措置をとることができる。



 〔デ ー タ〕〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

○総合調査(犬・猫の飼育ルールを定めているもの)

○犬・猫の飼育ルールを定めている(98.2%)
  犬・猫の飼育ルールを定めているもの

○総合調査(使用細則・協定等の有無)

○ペット飼育(66.6%)
  使用細則・協定等の有無(重複回答)



 大項目  二 管理規約の作成及び改正  中項目  (一) 管理規約の作成・改正

小項目  1 管理規約の内容 (10)駐車場の使用

標準的な対応  標準管理規約と同趣旨の規定が置かれ、かつ、使用細則等によりルールを定めている。
望ましい対応  ―
参 考
(平均的な状況等)
 【標準管理規約】15条
 【総合調査】使用細則・協定等を定めている駐車場:82.8%

 〔コメント〕〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

◆自家用車の一般的普及・定着に伴い、住戸の数に比べて、駐車場の収用台数が不足しており、駐車場の利用希望者が多いという一般的状況において、駐車場の使用をめぐって、トラブルが多いため、駐車場の使用に関して管理規約に規定することが必要です。

◆この駐車場の使用については、駐車場使用契約を採用する場合の契約書の様式を含め、使用者の選定方法をはじめとした具体的手続、使用者の遵守すべき事項等の詳細については、使用細則等により定めておくことが必要です。

◆具体的な定め方については、標準管理規約第15条を参照して下さい。


 〔参  考〕〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

標準管理規約第15条(駐車場の使用)

1 管理組合は、別添の図に示す駐車場について、特定の区分所有者に駐車場使用契約により使用させることができる。

2 前項により駐車場を使用している者は、別に定めるところにより、管理組合に駐車場使用料を納入しなければならない。

3 区分所有者がその所有する専有部分を、他の区分所有者又は第三者に譲渡又は貸与したときは、その区分所有者の駐車場使用契約は効力を失う。


標準管理規約第15条(駐車場の使用)関係コメント

(1)本条は、マンションの住戸の数に比べて駐車場の収容台数が不足しており、駐車場の利用希望者(空き待ち)が多いという一般的状況を前提としている。

(2)ここで駐車場と同様に扱うべきものとしては、倉庫等がある。

(3)本条の規定のほか、使用者の選定方法をはじめとした具体的な手続き、使用者の遵守すべき事項等駐車場の使用に関する事項の詳細については、「駐車場使用細則」を別途定めるものとする。また、駐車場使用契約の内容(契約書の様式)についても駐車場使用細則に位置づけ、あらかじめ総会で合意を得ておくことが望ましい。

(4)駐車場使用契約は、次のひな型を参考とする。

駐車場使用契約書

 ○○マンション管理組合(以下「甲」という。)は、○○マンションの区分所有者である○○(以下「乙」という。)と、○○マンションの駐車場のうち別添の図に示す○○の部分につき駐車場使用契約を締結する。当該部分の使用に当たっては、乙は下記の事項を遵守するものとし、これに違反した場合には、甲はこの契約を解除することができる。

1 契約期間は、平成  年  月  日から平成  年  月  日までとする。ただし、乙がその所有する専有部分を他の区分所有者又は第三者に譲渡又は貸与したときは、本契約は効力を失う。

2 月額○○円の駐車場使用料を前月の○日までに甲に納入しなければならない。

3 別に定める駐車場使用細則を遵守しなければならない。

4 当該駐車場に常時駐車する車両の所有者、車両番号及び車種をあらかじめ甲に届け出るものとする。



(5)車両の保管責任については、管理組合が負わない旨を駐車場使用契約又は駐車場使用細則に規定することが望ましい。

(6)駐車場使用細則、駐車場使用契約等に、管理費、修繕積立金の滞納等の規約違反の場合は、契約を解除できるか又は次回の選定時の参加資格をはく奪することができる旨の規定を定めることもできる。

(7)駐車場使用者の選定は、最初に使用者を選定する場合には抽選、2回目以降の場合には抽選又は申込順にする等、公平な方法により行うものとする。
 また、マンションの状況等によっては、契約期間終了時に入れ替えるという方法又は契約の更新を認めるという方法等について定めることも可能である。

(8)駐車場が全戸分ない場合等には、駐車場使用料を近傍の同種の駐車場料金と均衡を失しないよう設定すること等により、区分所有者間の公平を確保することが必要である。


 〔デ ー タ〕〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

○総合調査(使用細則・協定等の有無)

○駐車場(82.8%)
  使用細則・協定等の有無(重複回答)



 大項目  二 管理規約の作成及び改正  中項目  (一) 管理規約の作成・改正

小項目  1 管理規約の内容 (11)専有部分修繕

標準的な対応  標準管理規約と同趣旨の規定が置かれ、かつ、使用細則等によりルールを定めている。
望ましい対応  ―
参 考
(平均的な状況等)
 【標準管理規約】17条
 【総合調査】使用細則・協定等を定めている専有部分リフォーム:61.8%

 〔コメント〕〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

◆専有部分におけるリフォームをめぐるトラブルが多いことにかんがみ、そうしたトラブル等を未然に防止し、建物全体への影響を考慮するという観点から、専有部分修繕について管理規約で定めることが必要です。

◆また、専有部分リフォームといっても、結果的に共用部分にも影響が及ぶことがあり得ることからも重要な規定となります。

◆この専有部分の修繕の場合、専門家への確認、特別な費用がかかる場合の負担等具体的な手続き、区分所有者が遵守すべき事項等の詳細については、使用細則等により定めておくことが必要です。

◆具体的な定め方については、標準管理規約第17条を参照して下さい。


 〔参  考〕〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

標準管理規約第17条(専有部分の修繕等)

1 区分所有者は、その専有部分について、修繕、模様替え又は建物に定着する物件の取付け若しくは取替え(以下「修繕等」という。)を行おうとするときは、あらかじめ、理事長(第35条に定める理事長をいう。以下同じ。)にその旨を申請し、書面による承認を受けなければならない。

2 前項の場合において、区分所有者は、設計図、仕様書及び工程表を添付した申請書を理事長に提出しなければならない。

3 理事長は、第1項の規定による申請について、承認しようとするとき、又は不承認としようとするときは、理事会(第51条に定める理事会をいう。以下同じ。)の決議を経なければならない。

4 第1項の承認があったときは、区分所有者は、承認の範囲内において、専有部分の修繕等に係る共用部分の工事を行うことができる。

5 理事長又はその指定を受けた者は、本条の施行に必要な範囲内において、修繕等の箇所に立ち入り、必要な調査を行うことができる。この場合において、区分所有者は、正当な理由がなければこれを拒否してはならない。


標準管理規約第17条(専有部分の修繕等)関係コメント

(1)区分所有者は、区分所有法第6条第1項の規定により、専有部分の増築又は建物の主要構造部に影響を及ぼす行為を実施することはできない。

(2)「専有部分の修繕、模様替え又は建物に定着する物件の取付け若しくは取替え」の工事の具体例としては、床のフローリング、ユニットバスの設置、主要構造部に直接取り付けるエアコンの設置、配管(配線)の枝管(枝線)の取付け・取替え、間取りの変更等がある。

(3)本条は、配管(配線)の枝管(枝線)の取付け、取替え工事に当たって、共用部分内に係る工事についても、理事長の承認を得れば、区分所有者が行うことができることも想定している。

(4)専有部分の修繕等の実施は、共用部分に関係してくる場合もあることから、ここでは、そのような場合も想定し、区分所有法第18条の共用部分の管理に関する事項として、同条第2項の規定により、規約で別の方法を定めたものである。
 なお、区分所有法第17条の共用部分の変更に該当し、集会の決議を経ることが必要となる場合もあることに留意する必要がある。

(5)承認を行うに当たっては、専門的な判断が必要となる場合も考えられることから、専門的知識を有する者(建築士、建築設備の専門家等)の意見を聴く等により専門家の協力を得ることを考慮する。
 特に、フローリング工事の場合には、構造、工事の仕様、材料等により影響が異なるので、専門家への確認が必要である。

(6)承認の判断に際して、調査等により特別な費用がかかる場合には、申請者に負担させることが適当である。

(7)工事の躯体に与える影響、防火、防音等の影響、耐力計算上の問題、他の住戸への影響等を考慮して、承認するかどうか判断する。

(8)専有部分に関する工事であっても、他の居住者等に影響を与えることが考えられるため、工事内容等を掲示する等の方法により、他の区分所有者等へ周知を図ることが適当である。

(9)本条の承認を受けないで、専有部分の修繕等の工事を行った場合には、第67条の規定により、理事長は、その是正等のため必要な勧告又は指示若しくは警告を行うか、その差止め、排除又は原状回復のための必要な措置等をとることができる。

(10)本条の規定のほか、具体的な手続き、区分所有者の遵守すべき事項等詳細については、使用細則に別途定めるものとする。

(11)申請書及び承認書の様式は、次のとおりとする。

専有部分修繕等工事申請書

平成  年  月  日

○○マンション管理組合
 理事長 ○○○○ 殿

氏 名  ○○○○ 

 下記により、専有部分の修繕等の工事を実施することとしたいので、○○マンション管理規約第17条の規定に基づき申請します。

1 対象住戸  ○○号室

2 工事内容

3 工事期間  平成  年  月  日から平成  年  月  日まで

4 施工業者

5 添付書類  設計図、仕様書及び工程表



専有部分修繕等工事承認書

平成  年  月  日

 ○○ ○○ 殿

 平成年月日に申請のありました○○号室における専有部分の修繕等の工事については、実施することを承認します。

 (条件)



 ○○マンション管理組合

理事長 ○○○○




 〔デ ー タ〕〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

○総合調査(リフォームのルール)

○リフォームのルールを定めている(83.6%)
  リフォームのルール(重複回答)

○総合調査(使用細則・協定等の有無)

○専有部分リフォーム(61.8%)
  使用細則・協定等の有無(重複回答)



 大項目  二 管理規約の作成及び改正  中項目  (一) 管理規約の作成・改正

小項目  1 管理規約の内容 (12)共用施設の使用

標準的な対応  駐輪場、集会所その他各マンションの共用施設の状況に応じて、使用細則等によりルールを定めている。
望ましい対応  ―
参 考
(平均的な状況等)
 【標準管理規約】18条
 【総合調査】使用細則・協定等を定めている
        自転車置場・バイク置場:69.9%
        集会室:46.8%

 〔コメント〕〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

◆共用施設は自転車置場、バイク置場、集会室を始め、最近ではキッズルーム、ゲストルームといった各マンションで特有のものもあり、その使用について詳細なルールがないと、トラブルの原因ともなります。

◆使用料、使用時間帯、人数等や使用の手続き、区分所有者が遵守すべき事項等については、使用細則等により定めておくことが必要です。


 〔参  考〕〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

標準管理規約第18条(使用細則)

 対象物件の使用については、別に使用細則を定めるものとする。

標準管理規約第18条(使用細則)関係コメント(1)

第18条関係

(1)使用細則で定めることが考えられる事項としては、動物の飼育やピアノ等の演奏に関する事項等専有部分の使用方法に関する規制や、駐車場、倉庫等の使用方法、使用料等敷地、共用部分の使用方法や対価等に関する事項等があげられ、このうち専有部分の使用に関するものは、その基本的な事項は規約で定めるべき事項である。
 なお、使用細則を定める方法としては、これらの事項を一つの使用細則として定める方法と事項ごとに個別の細則として定める方法とがある。


 〔デ ー タ〕〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

○総合調査(使用細則・協定等の有無)

○自転車置場・バイク置場(69.9%)  ○集会室(46.8%)
  使用細則・協定等の有無(重複回答)



 大項目  二 管理規約の作成及び改正  中項目  (一) 管理規約の作成・改正

小項目  2 管理規約の周知

標準的な対応  管理規約の改正時に各区分所有者及び占有者に配布している。
望ましい対応  ―
参 考
(平均的な状況等)
 ―

 〔コメント〕〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

◆管理規約は、最高自治規範であることから、区分所有者全員が内容を十分に把握することが必要であり、閲覧はもとより、その写しを区分所有者全員に配布すべきです。また、総合調査でも約8割の管理組合が各戸配布をしているとの結果となっています。さらに、マンションの使用方法につき、占有者も管理規約に基づき義務を負うことから、占有者への配布も併せて、これを「標準的な対応」としました。

◆なお、配布する管理規約について、総会の決議で管理規約が変更された場合、議事録に管理規約改正部分のみが記載されている場合であっても、管理規約原本と管理規約変更を決議した議事録があれば、変更後の管理規約内容を把握することはできます。しかし、現在有効な管理規約内容の一覧性は確保されません。そこで、現に有効な管理規約の内容を1通の書面(又は電磁的記録)に記載したものを配布することは有効です。


 〔参  考〕〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

標準管理規約第72条(規約原本等)第3項

(ア)電磁的方法が利用可能ではない場合
(規約原本等)

3 規約が規約原本の内容から総会決議により変更されているときは、理事長は、1通の書面に、現に有効な規約の内容と、その内容が規約原本及び規約変更を決議した総会の議事録の内容と相違ないことを記載し、署名押印した上で、この書面を保管する。

(イ)電磁的方法が利用可能な場合

3 規約が規約原本の内容から総会決議により変更されているときは、理事長は、1通の書面又は電磁的記録に、現に有効な規約の内容と、その内容が規約原本及び規約変更を決議した総会の議事録の内容と相違ないことを記載又は記録し、署名押印又は電子署名した上で、この書面又は電磁的記録を保管する。


 〔デ ー タ〕〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

○総合調査(組合員への広報)

○掲示(92.7%) ○配布(80.8%) ○回覧(36.7%) ○定期通信誌(22.9%)
  組合員への広報(重複回答)



 大項目  二 管理規約の作成及び改正  中項目  (一) 管理規約の作成・改正

小項目  3 管理規約の保管・閲覧

標準的な対応  現在有効な管理規約、使用細則等が、区分所有者又は利害関係人の求めに応じて閲覧できる状態で保管され、保管場所を管理事務室等に掲示している。
望ましい対応  ―
参 考
(平均的な状況等)
 【区分所有法】33条
 【標準管理規約】72条

 〔コメント〕〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

◆管理規約や使用細則等の改正部分が記載された議事録は、管理者(管理者がいないときは、管理規約又は総会で定める者)が保管しなければならず、また、管理者は、区分所有者又は利害関係人の請求があったときは、閲覧に付さなければなりません。
 以上は、区分所有法で定められています。(第33条第1項、第2項)

◆区分所有者又は利害関係人の請求に応じて閲覧させるためには、管理規約や使用細則等及び管理規約改正部分が記載された議事録が整然と整理され、求めに応じて速やかに取り出せる状態となっていることが必要ですから、このことも含め「求めに応じて閲覧できる状態となっている」こと、また、その所在を明らかにし閲覧を容易にするため「保管場所を管理事務室等に掲示している」ことを「標準的な対応」としています。

◆利害関係人とは、「総会議事録の保管・閲覧」と同じく、法律上の利害関係がある者をいいます。

◆この管理規約や使用細則等と管理規約改正部分が記載された議事録を、現に有効な管理規約の内容として1通に記載し、「管理規約原本及び管理規約変更を決議した総会の議事録の内容と相違ない」ことを記載し、理事長が署名押印した書面を作成の上保管し、これを閲覧に供することも便利です。


 〔参  考〕〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

区分所有法第33条(規約の保管及び閲覧)

1 規約は、管理者が保管しなければならない。ただし、管理者がないときは、建物を使用している区分所有者又はその代理人で規約又は集会の決議で定めるものが保管しなければならない。

2 前項の規定により規約を保管する者は、利害関係人の請求があつたときは、正当な理由がある場合を除いて、規約の閲覧(規約が電磁的記録で作成されているときは、当該電磁的記録に記録された情報の内容を法務省令で定める方法により表示したものの当該規約の保管場所における閲覧)を拒んではならない。

3 規約の保管場所は、建物内の見やすい場所に掲示しなければならない。


標準管理規約第72条(規約原本等)

(ア)電磁的方法が利用可能ではない場合

1 この規約を証するため、区分所有者全員が記名押印した規約を1通作成し、これを規約原本とする。

2 規約原本は、理事長が保管し、区分所有者又は利害関係人の書面による請求があったときは、規約原本の閲覧をさせなければならない。

3 規約が規約原本の内容から総会決議により変更されているときは、理事長は、1通の書面に、現に有効な規約の内容と、その内容が規約原本及び規約変更を決議した総会の議事録の内容と相違ないことを記載し、署名押印した上で、この書面を保管する。

4 区分所有者又は利害関係人の書面による請求があったときは、理事長は、規約原本、規約変更を決議した総会の議事録及び現に有効な規約の内容を記載した書面(以下「規約原本等」という。)の閲覧をさせなければならない。

5 第2項及び前項の場合において、理事長は、閲覧につき、相当の日時、場所等を指定することができる。

6 理事長は、所定の掲示場所に、規約原本等の保管場所を掲示しなければならない。

(イ)電磁的方法が利用可能な場合

1 この規約を証するため、区分所有者全員が書面に記名押印又は電磁的記録に電子署名した規約を1通作成し、これを規約原本とする。

2 規約原本は、理事長が保管し、区分所有者又は利害関係人の書面又は電磁的方法による請求があったときは、規約原本の閲覧をさせなければならない。

3 規約が規約原本の内容から総会決議により変更されているときは、理事長は、1通の書面又は電磁的記録に、現に有効な規約の内容と、その内容が規約原本及び規約変更を決議した総会の議事録の内容と相違ないことを記載又は記録し、署名押印又は電子署名した上で、この書面又は電磁的記録を保管する。

4 区分所有者又は利害関係人の書面又は電磁的方法による請求があったときは、理事長は、規約原本、規約変更を決議した総会の議事録及び現に有効な規約の内容を記載した書面又は記録した電磁的記録(以下「規約原本等」という。)の閲覧をさせなければならない。

5 第2項及び前項の場合において、理事長は、閲覧につき、相当の日時、場所等を指定することができる。

6 理事長は、所定の掲示場所に、規約原本等の保管場所を掲示しなければならない。

7 電磁的記録により作成された規約原本等の閲覧については、第49条第5項に定める議事録の閲覧に関する規定を準用する。




 大項目  二 管理規約の作成及び改正  中項目  (一) 管理規約の作成・改正

小項目  4 管理規約の見直し

標準的な対応  関係する法令の改正があった場合、管理規約の見直しを実施している。
望ましい対応  居住者の構成等の変化があった場合、管理規約の見直しを実施している。
参 考
(平均的な状況等)
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 〔コメント〕〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

◆管理規約は区分所有者等が遵守すべきルールですが、これが法令に違背しているものとなってしまっている場合には問題となります。

◆そのため、そのような事態を避けるために、関連する法令の改正があった場合には、管理規約の見直しを実施することが必要であり、これを「標準的な対応」としました。

◆また、管理規約は、維持管理が適切かつ円滑に行われるよう、常に実態に即したものとしておくことが必要です。そのため、賃借人の増加や居住者の高齢化等の「居住者の構成等の変化があった場合、管理規約の見直しを実施している。」ことを「望ましい対応」としています。

◆なお、国土交通省が策定、公表している標準管理規約は、区分所有法の改正等を踏まえ、平成16年1月に改正していますので、平成16年以降見直しを行っていない場合は、改正標準管理規約を参考として点検することが望ましいと考えられます。


 〔参  考〕〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

適正化指針二の2(管理規約)

 管理規約は、マンション管理の最高自治規範であることから、その作成にあたっては、管理組合は、建物の区分所有等に関する法律に則り、「マンション標準管理規約」を参考として、当該マンションの実態及びマンションの区分所有者等の意向を踏まえ、適切なものを作成し、必要に応じ、その改正を行うことが重要である。(略)






【マンション管理標準指針の入手方法】
 国土交通省HP    ■ マンション管理標準指針


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