マンション管理標準指針
コ メ ン ト


一 管理組合の運営   bQ




 大項目  一 管理組合の運営  中項目  (二) 理事会の運営

小項目  1 理事会の開催数

標準的な対応  少なくとも2ヶ月に1回定期的に開催している。
望ましい対応  毎月1回定期的に開催している。
参 考
(平均的な状況等)
 【総合調査】理事会を月1回程度開催:56.0%
 【H16調査】理事会の開催数:平均8.8回/年

 〔コメント〕〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

◆理事会は、最高意思決定機関たる総会の意思決定の下に、執行機関たる理事長が各般の管理組合の業務を執行するにあたっての意思決定を行う機関、いいかえれば、業務執行の具体的意思決定機関ですが、総会は、年1〜2回しか開催されず、そこで決議される事項も自ずと重要又は基本的な事項に限られるのが実態であるため、理事会の果たすべき役割は非常に大きくなります。

◆理事会の業務は、建物の管理の状況、会計の確認、コミュニティ形成活動、官公庁との折衝等の多岐にわたること、また、月次で行うべきものもあること、さらに、開催数をルール化して不活発化を予防するためにも、月1回の定期的な理事会の開催が望まれます。

◆しかし、現状では、月1回程度開催している管理組合の割合は総合調査によると56%となっており、毎月開催に至らない管理組合も少なくないことが伺えることから、一般的な管理組合であれば十分実現可能な対応として「少なくとも2ヶ月に1回定期的に開催している。」を「標準的な対応」としました。

◆「望ましい対応」については、「毎月1回定期的に開催している。」としましたが、帰省等により役員が参集しにくい月まで含めて必ず月1回とすることは難しい場合もあることから、こうした状況で例外的に開催されない程度であれば、「望ましい対応」を満たしていると考えてよいでしょう。

◆加えて、理事会の開催数とともに、理事の出席率も重要です。「理事に緊急かつやむを得ない事情が発生し、理事会に出席できない場合は、例外としてその配偶者又は一親等の親族に限り、代理出席を認める旨を管理規約に定めておく」などの工夫も必要です。


 〔参  考〕〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

標準管理規約第52条(招集)

1 理事会は、理事長が招集する。

2 理事が○分の1以上の理事の同意を得て理事会の招集を請求した場合には、理事長は速やかに理事会を招集しなければならない。

3 理事会の招集手続については、第43条(建替え決議を会議の目的とする場合の第1項及び第4項から第7項までを除く。)の規定を準用する。ただし、理事会において別段の定めをすることができる。


標準管理規約第53条(理事会の会議及び議事)関係コメント

 理事に事故があり、理事会に出席できない場合は、その配偶者又は一親等の親族に限り、代理出席を認める旨を規約に定めることもできる。

 〔デ ー タ〕〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

○総合調査(理事会開催状況)

○月1回程度(56.0%)  ○数カ月に1回程度(33.0%)
  理事会開催状況

○H16調査(理事会の開催数)

○年12回〜(41.0%) ○年7〜11回(20.6%) ○年4〜6回(20.3%) ○「平均」8.8回
  理事会の開催数



 大項目  一 管理組合の運営  中項目  (二) 理事会の運営

小項目  2 理事会議事の広報

標準的な対応  開催された理事会の日時、議題等の広報を戸別配布、掲示、広報紙への掲載等の方法により実施している。
望ましい対応  ―
参 考
(平均的な状況等)
 【H16調査】理事会議事の広報を実施:80.2%

 〔コメント〕〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

◆理事会議事について、区分所有者に周知することは、管理組合運営の透明化に寄与し、開かれた民主的なものとすることに資することになります。また、理事会は、区分所有者の信頼のもとに選任されている理事によって構成されるもので、区分所有者のため、誠実に職務を遂行していることを報告する意味合いも持つことになります。

◆しかし、理事会は執行機関としての役割から、決議に至らない話し合いや検討、又は各理事や管理会社からの報告にとどまることも少なくないでしょう。

◆このことから、理事会の議事は、総会議事のように、議事録等の戸別配布までは要しないものの、理事会の開催日時、議題等を広報することで、区分所有者が必要に応じて議事録を閲覧できることとすることは必要と考えられます。

◆以上により、「開催された理事会の日時、議題等の広報を戸別配布、掲示、広報紙への掲載等の方法により実施している。」を「標準的な対応」としました。


 〔参  考〕〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

標準管理規約第37条(役員の誠実義務等)第1項

1 役員は、法令、規約及び使用細則その他細則(以下「使用細則等」という。)並びに総会及び理事会の決議に従い、組合員のため、誠実にその職務を遂行するものとする。


 〔デ ー タ〕〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

○H16調査(理事会議事の広報)

○広報を行っている(80.2%)  ○広報は行っていない(19.8%)
  理事会議事の広報

○H16調査(理事会議事の広報)

○配布(45.3%) ○掲示(30.9%) ○広報紙に掲載し配布(15.2%) ○広報紙に掲載し掲示(7.8%)
  理事会議事の広報(重複回答)



 大項目  一 管理組合の運営  中項目  (二) 理事会の運営

小項目  3 理事会議事録の保管・閲覧

標準的な対応  議事録を作成し、区分所有者又は利害関係人の求めに応じて閲覧できる状態で、管理組合において保管している。
望ましい対応  ―
参 考
(平均的な状況等)
 【標準管理規約】49条53条2項

 〔コメント〕〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

◆理事会議事録は、理事会活動の記録としてはもとより、役員の交代に伴う引き継ぎ資料としての役割も期待されるとともに、透明な運営にも寄与します。

◆そのため、理事会議事録の保管、閲覧について、標準管理規約では総会議事録に準じて、議長が作成し、理事長が保管することとしています。

◆さらに標準管理規約では、理事会議事録も、「組合員又は利害関係人の書面による請求があったときは、閲覧させなければならない。」こととしています。そのため、個人情報の保護などに十分留意して議事録を作成したうえ、整然と整理し、求められた理事会の議事録を速やかに取り出せる状態としていることが必要です。このことも含め「区分所有者又は利害関係人の求めに応じて閲覧できる状態で、管理組合において保管している。」ことを「標準的な対応」としています。

◆利害関係人とは、「総会議事録の保管・閲覧」と同じく、法律上の利害関係がある者をいいます。


 〔参  考〕〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

標準管理規約第49条(理事会議事録の作成、保管等)

(ア)電磁的方法が利用可能ではない場合

1 理事会の議事については、議長は、議事録を作成しなければならない。

2 理事会議事録には、議事の経過の要領及びその結果を記載し、議長及び議長の指名する2名の理事会に出席した理事がこれに署名押印しなければならない。

3 理事長は、理事会議事録を保管し、組合員又は利害関係人の書面による請求があったときは理事会議事録の閲覧をさせなければならない。この場合において、閲覧につき、相当の日時、場所等を指定することができる。

(イ)電磁的方法が利用可能な場合

1 理事会の議事については、議長は、書面又は電磁的記録により理事会議事録を作成しなければならない。

2 理事会議事録には、議事の経過の要領及びその結果を記載し、又は記録しなければならない。

3 前項の場合において、理事会議事録が書面で作成されているときは、議長及び議長の指名する2名の理事会に出席した理事がこれに署名押印しなければならない。

4 第2項の場合において、理事会議事録が電磁的記録で作成されているときは、当該電磁的記録に記録された情報については、議長及び議長の指名する2名の理事会に出席した理事が電子署名(電子署名及び認証業務に関する法律第2条第1項の「電子署名」をいう。以下同じ。)をしなければならない。

5 理事長は、理事会議事録を保管し、組合員又は利害関係人の書面又は電磁的方法による請求があったときは、理事会議事録の閲覧(理事会議事録が電磁的記録で作成されているときは、当該電磁気録に記録された情報の内容を紙面又は出力装置の映像面に表示する方法により表示したものの当該議事録の保管場所における閲覧をいう。)をさせなければならない。この場合において、閲覧につき、相当の日時、場所等を指定することができる。


標準管理規約第53条(理事会の会議及び議事)第2項

(ア)電磁的方法が利用可能ではない場合

2 議事録については、第49条(第4項を除く。)の規定を準用する。ただし、第49条第2項中「総会に出席した組合員」とあるのは「理事会に出席した理事」と読み替えるものとする。

(イ)電磁的方法が利用可能な場合

2 議事録については、第49条(第6項を除く。)の規定を準用する。ただし、第49条第3項中「総会に出席した組合員」とあるのは「理事会に出席した理事」と読み替えるものとする。




 大項目  一 管理組合の運営  中項目  (二) 理事会の運営

小項目  4 理事の任期・改選方法

標準的な対応  理事の任期が1〜2年の間で定められており、かつ、各理事の就任日及び任期の期限が明確となっている。
望ましい対応  理事の改選は概ね半数ずつとし、任期は2年となっている。
参 考
(平均的な状況等)
 【標準管理規約】36条コメント
 【総合調査】役員任期1年:69.0%
      役員任期2年:26.9%
      理事は半数ずつ改選:18.6%

 〔コメント〕〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

◆役員の任期が決まっていなかったり、不適切に長すぎると、役員の専横化や区分所有者の無関心化の恐れもあります。しかし、熱心で信頼を得た役員の再任を妨げるものとするのも不合理です。

◆そのため、適切な期間で理事の任期が明確に定められており、再任される場合でも一定期間ごとにチェックされることが重要であることから、「理事の任期が1〜2年の間で定められており、かつ、各理事の就任日及び任期の期限が明確となっている。」ことを「標準的な対応」としました。

◆なお、任期満了に伴い、全役員が交代するということになると、業務の継続性にやや欠ける感もあります。そこで、この点を重視すれば、役員の改選を半数ずつとすることが望ましくなります。この場合は、年度途中で役員を交代させることは適当でないので、任期を2年とする必要があります。
 一方、現状では、任期2年、半数改選としている管理組合は多くなく、マンションによっては2年任期に抵抗感をもつ区分所有者がいることも考えられることから、これは「望ましい対応」としました。


 〔参  考〕〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

標準管理規約第35条(役員)関係コメント

(1) 理事の員数については次のとおりとする。

1 おおむね10〜15戸につき1名選出するものとする。

2 員数の範囲は、最低3名程度、最高20名程度とし、○〜○名という枠により定めることもできる。

(2) 200戸を超え、役員数が20名を超えるような大規模マンションでは、理事会のみで、実質的検討を行うのが難しくなるので、理事会の中に部会を設け、各部会に理事会の業務を分担して、実質的な検討を行うような、複層的な組織構成、役員の体制を検討する必要がある。
 この場合、理事会の運営方針を決めるため、理事長、副理事長(各部の部長と兼任するような組織構成が望ましい。)による幹部会を設けることも有効である。なお、理事会運営細則を別途定め、部会を設ける場合は、理事会の決議事項につき決定するのは、あくまで、理事全員による理事会であることを明確にする必要がある。


標準管理規約第36条(役員の任期)関係コメント

(1) 役員の任期については、組合の実情に応じて1〜2年で設定することとし、選任に当たっては、その就任日及び任期の期限を明確にする。

(2) 業務の継続性を重視すれば、役員は半数改選とするのもよい。この場合には、役員の任期は2年とする。

(3) 役員が転出、死亡その他の事情により任期途中で欠けた場合、補欠の役員を理事会の決議で選任することができると、規約に規定することもできる。


 〔デ ー タ〕〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

○総合調査(役員の任期)

○2年(26.9%)  ○1年(69.0%)
  役員の任期

○総合調査(役員の改選時期)

○半数(18.6%)  ○同時(67.0%)
  役員の改選時期

○H16調査(役員の任期)

○2年(28.1%)  ○1年(69.7%)
  役員の任期

○H16調査(役員の改選方法)

○全員同時期に改選(61.9%)  ○半数ごとに改選(22.6%)
  役員の改選方法



 大項目  一 管理組合の運営  中項目  (二) 理事会の運営

小項目  5 専門委員会の設置

標準的な対応  大規模修繕工事の実施、管理規約の改正等、必要に応じて設置している。
望ましい対応  委員会(委員)の位置づけ、設置期間、任期等が運営細則等で明確となっている。
参 考
(平均的な状況等)
 【標準管理規約】55条55条コメント
 【H16調査】専門委員会を設置:38.0%

 〔コメント〕〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

◆専門委員会を設置する意義は、次のようなことであると考えられます。
 例えば、大規模修繕工事を実施する場合を考えてみますと、構想から工事実施まで、必要な工事内容の調査・診断、区分所有者全員への情報提供、意識付け、工事施工者の選定、工事実施等と2〜3年要するとともに、その内容は専門的です。
 理事会は管理組合の業務執行機関として通常業務でも多忙な状況にあること、理事は1年ないし2年で交替するのが通例であること、大規模修繕工事を実施する時期にその分野に詳しい人が必ずしも理事に就任しているとは限らないこと等の理由から、大規模修繕工事の実施に関する実務を円滑に進めるためには、興味等のある人が他の管理組合業務に忙殺されることなく、継続的に従事することが有効であると考えられます。

◆このように、管理組合の業務について、長期的に検討を要する場合、重要な案件、専門性を要するものがある場合に、必要に応じて専門委員会の設置が必要となることから、「大規模修繕工事の実施、管理規約の改正等、必要に応じて設置している。」を「標準的な対応」としています。

◆なお、小規模なマンションなど、理事会とは別に専門委員会を組織することが必ずしも適切ではないマンションもあると考えられますので、大規模修繕工事の実施や管理規約の改正を検討する場合には、必ず専門委員会を設置すべきという趣旨ではありません。マンションの規模等も踏まえ、その必要性・合理性が高い場合に設置すべきとういう趣旨です。

◆また、1年ないし2年で交替する理事と長期間継続する専門委員との関係が不明確なことが起因してトラブルになることもあります。したがって、この専門委員会(委員)の位置付け、設置期間、任期等も、総会決議による運営細則等で定めることが望まれます。


 〔参  考〕〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

標準管理規約第55条(専門委員会の設置)

1 理事会は、その責任と権限の範囲内において、専門委員会を設置し、特定の課題を調査又は検討させることができる。

2 専門委員会は、調査又は検討した結果を理事会に具申する。


標準管理規約第55条(専門委員会の設置)関係コメント

(1) 専門委員会の検討対象が理事会の責任と権限を越える事項である場合や、理事会活動に認められている経費以上の費用が専門委員会の検討に必要となる場合、運営細則の制定が必要な場合等は、専門委員会の設置に総会の決議が必要となる。

(2) 専門委員会は、検討対象に関心が強い組合員を中心に構成されるものである。必要に応じ検討対象に関する専門的知識を有する者(組合員以外も含む。)の参加を求めることもできる。


 〔デ ー タ〕〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

○総合調査(大規模修繕実施の組織体制)

○専門委員会が中心(44.7%)
  大規模修繕実施の組織体制

○H16調査(専門委員会の設置)

○設置している(38.0%)  ○設置していない(62.0%)
  専門委員会の設置(重複回答)



 大項目  一 管理組合の運営  中項目  (二) 理事会の運営

小項目  6 理事会の引継ぎ

標準的な対応  理事会の業務、帳票類、懸案事項等の引き継ぎを実施している。
望ましい対応  ―
参 考
(平均的な状況等)
 ―

 〔コメント〕〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

◆理事が半数交替であれば、業務の継続性は確保されますが、全数交替の場合には、引き継ぎによる継続性の確保が重要となります。総合調査でも4分の1の管理組合が「管理組合役員が不慣れなので」を管理がうまくいっていない理由としてあげています。

◆マンション管理には中断はないため、理事に就任したその日から管理組合業務が発生することも少なくありません。このため、理事の交替時の引き継ぎは欠かせません。引き継ぎには、帳票類を始め、懸案事項や未処理事項を伝達することはもとより、理事就任期間中の経験等を伝えることも有効な場合があります。

◆そのため、「理事会の業務、帳票類、懸案事項等の引き継ぎを実施している。」を「標準的な対応」としています。

◆理事会としての引き継ぎとともに、役職ごとに個別に引き継ぎを実施することが重要であることは言うまでもありません。

◆なお、引き継ぎを要するものとして、具体的には、運営細則等で定められていない運営ルール、書類等の一覧と保管場所、区分所有者の要望、苦情や管理会社との調整事項等様々なものがあります。


 〔デ ー タ〕〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

○総合調査(管理がうまくいっていない理由)

○管理組合役員が不慣れなので(24.9%)
  管理がうまくいっていない理由(重複回答)






【マンション管理標準指針の入手方法】
 国土交通省HP    ■ マンション管理標準指針


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