新パートナーとの縁結びの経過と概要
(管理委託契約の変更の経緯)


〇〇〇〇〇〇〇〇管理組合
理事長  久 保  茂    


1 はじめに (駄文をしたためた経緯)

 新年早々の1月4日、NPO法人北海道マンション管理問題支援ネット事務局(以下マンションネットという。)へ「マンションネット会員加入申込みの件」で訪問時に「管理会社変更の経緯とその結果について」の突然の原稿依頼を受けたのが本報告のきっかけであります。
 昨年は幾度となくネット事務局から「管理会社変更について」の相談及び的確なアドバイスを受けていたことや、当管理組合にとっても発足以来の大きな出来事であり、経過記録を残すことも事実関係を風化させないためにも必要との考えから駄文となることを顧みずに筆を執ることにした次第です。


 一連の流れを分かり易くするために時系列的に表現することにし、はじめに当マンションの建物の概要について記します。
 札幌市内北区に所在する昨今では小規模に分類される5階建て、世帯数20戸(4LDK及び3LDK)で構成される建物で、分譲会社はその業界では大手といわれる「〇〇〇〇〇〇工業株式会社」であり、管理会社は当初から傘下の「(株)〇〇〇サービス」(以下旧管理会社という)でありました。
 建築完成年は平成7年9月であり、今年で築13年目、入居の経過は9月中旬以降順次入居が行われ1年後の平成8年9月に全世帯の入居が完了しました。その後、現在までに4戸が転出し、新たに3戸が転入されており、現在1戸(区分所有者は他市に居住し、昨年まで賃貸で使用されていた)が空室となっているところです。建物の周辺は戸建ちの住居や民間アパートが建ち並び建物の後方南東には約1ヘクタールの広さを持つの公園緑地があり当建物の名称の一部にも使用されています。
 ここ数年の間に周辺地域には高層のマンションが林立し地域人口が増大している現状があります。


2 パートナー(管理会社)変更への道のり

 ここで当管理組合の運営について一言述べておきます。
 管理組合は、理事長、副理事長、会計理事、監事の4名で運営し、入居当初から旧管理会社に都合の良い形で運営されてきており、全くの御用組合化を呈していたといっても過言ではないと感じておりました。
 理事会役員は持ち回りで選考され理事会も年に2〜3回程度の不定期開催であり、かつ、定期総会も報告を受け入れるだけで格別の議論もなく(いわゆるシャンシャンで)終了するだけの形骸化し、一方的に管理会社ペースで進められてきていたところであります。
 しかし、ある年の総会で提案された議案(決算報告資料の内容)について疑義があったので旧管理会社担当者へ説明を求めたところ明解な回答がなされなかったことから小生は承認できないとの思いから提案された議案に反対の意思を明らかにした。
 恐らく、それまでの総会ではそのような反対意見というものはなかったのでしょう。
 思い返すと、そのようなことがあって以来、旧管理会社の担当者への不信感を持つ始まりだったように思います。
 このような推移を経て2003年に理事役員への当番(副理事長)が巡ってきたので、理事会が旧管理会社への依存度(丸投げ状態)を薄め、責任を持ち活力のある方向へ軌道修正すべきチャンスと考え、旧管理会社及び他の理事に理事会開催の定期開催を書面提案したところ、残念ながら全くの無反応状態で、その結果提案は棚晒しにされた経緯があります。


2004年12月

 この閉塞した状況を打開するためには自立した理事会運営が必要と思い理事長に立候補して現在4年目を迎えている。(立候補による役員選出も初めてのことでした)


理事長就任当たって

(1)理事会は理事長が日程調整の上、役員全員の参加で開催したいと考えていること。

(2)理事会で協議した事項及びその内容は理事長が議事録を作成し速やかに全面開示(全戸配布)すること。

(3)理事会の終了時間を厳守すること。提案し各役員から了解を得た。


2005年3月

 たまたま遭遇した4月からの修繕積立金の「ペイオフ対策」のため保管口座の新規開設と修繕積立資金の効率的な運用を図るため、各金融機関の金利状況の把握等を短期間で行い、新預け先を選定すべき課題があり、これら一連の作業の中で理事会役員との意見調整を集中的に実施したことにより課題に対する理事役員相互に共通の意識を深めることができたのがプラスに作用した大きな一因と考えている。


2006年11月26日

 定期総会に向けての理事会で旧管理会社から何の前触れもなく突然に、委託業務内容に変更がないにも拘わらず委託契約料の増額要請(検討案として3案の提示があったがいずれも管理費の増額)がなされた。
 (実はこの当時、個人的には管理委託業務費の削減が可能ではないかと考えていたが全く逆の提案で驚愕した)
 詳細については割愛するが、増額した委託料が承認されなければ契約更新が困難との言い分であった。増額すべき内容の説明についても誰もが成る程と理解できるものではなく(理事会においても残念ながらその是非を判断する知識も比較検討すべき材料を持ち合わせていなかったのも事実である)、理事会としては引き続き提案内容の妥当性を確認し検討を進めていくことにして定期総会にその旨を報告し了承を得た。(提示額案は即ち管理費の値上げになるということで入居者の意識は高かった)


2007年2月3日

 理事会Aを開催し、旧管理会社から提案された内容の是非の検討作業を開始することにしたが、前述のとおり契約書の内容に関する知識も情報も乏しい中からのスタートとなった。
 取り敢えずインターネットを活用し関連する情報収集をし、かつ、理事役員それぞれの知・友人等からの他のマンションの実態の聞き取りを行うことにした。(偶々、小生の同業先輩にも理事長として管理会社変更で実績のあった者がいたので、資料提供やアドバイス等を得る準備を進めていた)
 旧管理会社に対しても更なる検討案を追加提示するように要請した。併せて理事会としても独自の管理費の値上げをしない検討案(5案)を作成することにした。


2007年2月8日

 幸いにも近隣の管理組合から「マンション問題に関する勉強会」参加のお誘いがあり、小生は所用で出席不可であったが、問題を共有していたM副理事長が出席し、初めて「マンションネット」の存在を知ることができたのがラッキーであった。


副理事長(とは常にメールで情報の伝達や意見交換等を行っていた)からの勉強会の報告内容も具体的

(1)当マンション規模では管理員業務は土曜休日の平日の半日勤務が妥当。

(2)エレベーターのメンテナンス契約は管理組合の直接契約とすることで経費の削減が図れること等が的確に示されたと知らされ、大いに力づけられた。


 又、「課題解決の支援先として相談をしてもよいと思う」旨のコメントが明示されていた。(この勉強会出席が大きな縁結びの出発ポイントだったと思っています)
 これを受けて2月下旬全入居者に対して「管理員の業務時間について」どのように考えているかのアンケート調査を実施した。


2007年3月4日

 理事会Bにおいて「管理員業務時間について」アンケート調査の実施結果を集約するとともにマンションネットに対して、正式に「経営診断の実施」依頼を決議する。
 アンケート調査の結果は、入居者意見をふまえて「管理員の業務時間を調整し管理費の値上げは避けるべき」とする方向で進むことを意思統一した。


2007年3月9日

下記のとおりマンションネットから「経営診断結果」が示される。

経常管理業務以外の

○エレベーター保守点検業務

○消防設備点検業務

○機械監視業務等は管理会社を仲介せずに管理組合が直接契約することで一層の経費削減の効果が発生する旨の報告がされる。


2007年3月18日

 理事会Cで管理組合委託積算額案を決議する。


2007年3月20日

 旧管理会社札幌支店長宛「経営診断結果」を基にした当管理組合としての委託可能額を提示し、同月26日まで回答がない場合は契約更新はしない旨を通知する。


2007年4月3日

 旧管理会社から管理組合提示額では受託困難との文書報告がなされる。


2007年4月15日

 理事会Dで旧管理会社との暫定委託契約は6月30日で契約解消することを決議する。


3 新しいパートナー探し


2007年4月28日

 マンションネットにおいて新管理会社選考の打合せを実施。
 見積書提出先を8社(管理組合4社、マンションネット4社)として各管理会社あての通知は代理人としてマンションネットに依頼した。
 なお、管理組合で選考した4社はインターネットから@道内企業であり札幌市内で事業実績があることA緊急時の対応にフットワークを期待できることB社団法人高層住宅管理業協会に加盟している管理業者であること等を対象に無作為で選定した。


2007年5月13日

 理事会Eにおいて最終的に提出のあった3社の見積書の開札を実施し、最低額の提示があった「○○○○○株式会社」を新管理会社としたい旨を臨時総会に提案することを決議した。(8社中5社は辞退する旨の連絡があり、一度は競争原理が働くか不安になった)


2007年6月3日

 新管理会社決定のため初めての臨時総会を開催し、承認を得た新パートナーと新管理委託契約を7月1日から11月30日までの期限で締結。


2007年6月14日

 エレベーター保守契約について○○○○○サービスと管理組合と直接契約で締結する。


2007年6月17日

 理事会Fにおいて機械監視業務及び消防設備法定点検業務の見積合せを実施し、管理組合と新委託先との直接契約で締結する。


2007年7月1日から新管理会社による管理委託業務を開始。

 管理員業務については平日のみ午前8時から12時までの週20時間としてこれまでの管理員を新管理会社においても継続雇用され今日に至っている。
 なお、管理員の雇用継続については、@前管理会社との雇用契約が9月末日までとされていたことA入居者の不安感の除去及びスムーズな管理業務に移行するために必要と判断して管理組合から要請をしたところである。


2007年7月22日

 理事会G開催:特殊建築物定期検査、建築設備定期検査業務を一級建築士と直接契約。


2007年9月23日

 理事会H開催:新規事業計画の検討(建物診断の実施)


2007年11月3日

 理事会I開催:定期総会へ向け提案議案の検討。


2007年11月24日

 定期総会開催:管理会社の継続、新規事業計画ほかについて承認される。
 理事会開催:役員の業務分担を決定


 以上、昨年1年間の新パートナーとの縁結び(管理会社変更)に関する事項を日記風に整理してみました。
 この間に幾度となくマンションネットとの細かい打合せや意見交換等はありましたが、紙幅の都合上割愛しました。
 又、管理会社の変更に関して「削減の効果」として数字で表現することで理解を深めることが可能と考えますが、敢えて5ヶ月分の実績で評価せずに通年の成果でトータールバランスを示していきたいことから表示しませんでしたので念のためお断りいたします。
 しかしながら少なくとも管理費の値上げに至らずに済んだことや直接契約により経費の削減が実を結んでいることは間違いのない事実です。


4 まとめ(学んだことなど)


 このたびの一連の作業を通して学んだことを思い出し列挙してまとめとしたい。
 この中の一片でも他のマンションにおいて同様に検討を進められている方々の一助になれば幸いです。


◎管理会社との関係では

○管理会社は当然に適正な営利を追求すべき立場にあることを理解すること。

○管理会社とは契約上の付き合いであり、実際は一線のフロント担当者が管理組合の意向を尊重した行動や適切なアドバイス等の対応をするための人間関係を育てることが必要と思う。
 又、会社を代理する担当者とは適度な緊張感を持って良きパートナーとして共同して課題解決を模索することで互いの信頼感が増長するものと思う。


◎管理組合役員との関係では

○一人で物事を進めるには必要以上の労力を要することから、役員全員の共通意識を高めること。
 前述したM副理事長には 役員改選期には留任をして頂き、継続してサポートを受けたことが非常に心強く対応できたことが収穫。

○理事会等での検討時間を最大1時間30分として延長はしないこと。
 (検討に必要な情報は、紙資料で事前配布を行い説明に要する時間を短縮したこと)

○この一年間の理事会開催は10回を数えたが、全員参加を基本にしたことから誰一人も欠席者が無くて理事会の運営及び課題解決に向けて共通の目的意識と責任感が醸成されたこと。

○インターネットなどの情報源を活用して区分所有法、マンション管理に関する適正化法等の関係する法律知識の集積も必要だと思ったこと。


◎入居者との関係では

○入居者の「共同の利益確保のため」を念頭に情報の発信は積極的に行うこと。
 例えば理事会での検討事項の経過、結果等を随時紙資料の配布や掲示板で周知を図ることが関心と安心感を持ってもらえることを実感した。

○今後、入居者にも理事会の運営について理解を深めてもらう必要性を感じている。

○管理会社変更によるクレームが一切寄せられていないことが、このたびの結果を的確に表しているものと受け止めている。


5 むすびに


 2007年は当管理組合にとって少し大げさに言うと「お家の一大事」に遭遇し過ぎ去った感がしてならない。これ程に時間の経過が早いと感じた一年は記憶にないが、しかし、充実した一年だったように思う。
 今振り返ると、当管理組合の抱えていた課題を相談できる駆け込み寺としてマンションネットとの出会いが初期の段階にあったことは誠にもって幸運だったと言わざるを得ない。深甚から感謝申し上げます。
 なお、引き続き課題が山積しておりますのでご支援方をお願いします。
 最後に、この間理事会運営を共にし、課題解決に参画された役員諸氏に感謝し筆を置くことにします。




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