事例報告 2 「過大施設の実態」


「過大施設」とは? ⇒ 購入側の価値観・意識(ブランド、ステータス)、世代間、所得格差等によって見解は異なるもの。

例:ホテルの如き豪華なエントランスホールが必要?
例:フィットネス、カラオケ、シアタールームが必要?
例:プールや噴水が必要?

※実感としては上記施設より、玄関ドアの2重ロック、騒音問題を見越したL45以下のフローリング、販売戸数以上の駐輪場、詳細な長期修繕計画や資金計画などが整備されている方が重要と考える。


■■「大型機械式駐車場」が難題を抱えた施設と知らずに購入した憂鬱■■

※「機械式」は、少ない面積で縦に多数の車を保管する駐車設備で、業務用で導入されていた2段・3段式やタワー型の大型設備が、最近はマンションに増加中。

1.大型機械式駐車設備が増えてきた要因

(1)近年、札幌市内のマンションは「利便性」を重視。
中心部や地下鉄駅周辺などに集中化。

(2)限られた開発面積から最大限の利益を得るため、販売戸数を多くした大型物件が増加。全体の面積が狭いため、駐車場として使える面積は限られる。
必然的に、縦に多くの車を駐車・保管できる「機械式」が増えてきた。

(3)平成7年(1995年)に「車庫法」が改正された前後から、販売戸数+来客用の駐車場を確保する分譲マンションが多くなった。

2.大型機械式駐車設備の問題点は何か

(1)毎年、高額な維持費用(メンテナンス費+稼動に要する光熱費)が必要。

(2)中・長期に渡り、高額な修繕費用が必要。競争原理が働いていない分野。

(3)エレベーターと違い法定点検が無い。メンテナンス、機器・施設全体の更新も、駐車設備メーカー側の提示が有効で、反論できる根拠や材料が少ない。

(4)積雪・寒冷地+融雪剤散布という北海道特有の条件下で発生するトラブルに、設備メーカー側が対処できるような経験値が乏しい。

(5)業務用の駐車場と違い係員が常駐していないため、トラブルで停止すると使用再開までの時間を要する。

(6)マンション販売会社から、購入契約時に維持費用など詳細説明がされていない。

3.大型機械式駐車設備が設置されている物件を購入した場合の対応は

(1)業務用以外で北海道の実績がほとんど無いに等しい設備であり、管理組合ができるだけ早期に維持・修繕のタイミングや費用を、設備メーカーと何度も確認・交渉し把握することが必要。

(2)設備メーカー以外にメンテナンスを請負う会社を探し、可能な限り競争原理を導入する。

(3)維持・修繕費用が把握できた後は、長期修繕計画自体および資金計画が妥当なのかを分析。中・長期的に資金不足が発生するなら駐車場使用料収入の残額を可能な限り修繕積立金に振替し、今後想定される高額な修繕費用に備える。


■   「大型機械式駐車設備」が設置されているマンションの駐車場関連の決算例

〔全戸数 168戸〕
@ 2段・3段機械式駐車設備 136台分(使用料11,000円/月、来客2台含む)
A タワー型機械式駐車設備   32台分(使用料13,300円/月)
B 屋内駐車場          2台分(使用料15,000円/月)

(単位:千円)

収入の部(10台分未契約)

支出の部(一部推定)

@使用料(126台)

16,380

電気料金

1,200

機械稼動・照明

A使用料(100%)

5,100

融雪用電気料金

1,400

パレット電気ヒーター

B使用料(100%)

360

融雪用灯油料金

700

 

 

 

@メンテナンス料

2,060

1,260/月/台

 

 

Aメンテナンス料

1,140

2,970/月/台

 

 

ボイラーメンテナンス料

60

灯油ボイラー6台

 

 

不凍液交換他

200

消火器点検含む

 

 

電気保安協会料

250

自家用電気設備

 

 

 

 

 

収入計

21,840

支出計

7,010

 

 

 

 

 

 

 

 

駐車場使用料
残 額

14,830

修繕積立金へ特別振替(理想)


■「大型機械式駐車設備」30年間の長期修繕費用見積例

(単位:千円)

 

各設備30年間見積

見積合計

年平均

@2段・3段機械式駐車設備

246,000

 

281,000

 

9,370

Aタワー型機械式駐車設備

35,000



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