管理組合の業務

 管理組合とは何か?

建物の区分所有等に関する法律

(区分所有者の団体)

第3条 区分所有者は、全員で、建物並びにその敷地及び附属施設の管理を行うための団体を構成し、この法律の定めるところにより、集会を開き、規約を定め、及び管理者を置くことができる。一部の区分所有者のみの共用に供されるべきことが明らかな共用部分(以下「一部共用部分」という。)をそれらの区分所有者が管理するときも、同様とする。


(団地建物所有者の団体)

第65条 一団地内に数棟の建物があって、その団地内の土地又は附属施設(これらに関する権利を含む。)がそれらの建物の所有者(専有部分のある建物にあっては、区分所有者)の共有に属する場合には、それらの所有者(以下「団地建物所有者」という。)は、全員で、その団地内の土地、附属施設及び専有部分のある建物の管理を行うための団体を構成し、この法律の定めるところにより、集会を開き、規約を定め、及び管理者を置くことができる。


マンションの管理の適正化の推進に関する法律

(定義)

第2条第3項 管理組合 マンションの管理を行う区分所有法第3条若しくは第65条に規定する団体又は区分所有法第47条第1項(区分所有法第66条において準用する場合を含む。)に規定する法人をいう。


マンション標準管理規約

(目的)

第1条 この規約は、○○マンションの管理又は使用に関する事項等について定めることにより、区分所有者の共同の利益を増進し、良好な住環境を確保することを目的とする。


(管理組合)

第6条 区分所有者は、第1条に定める目的を達成するため、区分所有者全員をもって○○マンション管理組合(以下「管理組合」という。)を構成する。

2 管理組合は、事務所を○○内に置く。

3 管理組合の業務、組織等については、第6章に定めるところによる。
  (※注;第6章とは、第30条〜第55条)


第6条関係コメント

管理組合は、マンションの管理又は使用をより円滑に実施し、もって区分所有者の共同の利益の増進と良好な住環境の確保を図るため構成するものであり、区分所有者全員が加入するものである。


『マンション標準管理規約』(平成16年1月23日、国土交通省発表)

標準管理規約とは、管理規約の標準モデルです。

管理組合が、各マンションの実態に応じて、管理規約を制定、変更する際の参考であり、「マンションの管理の適正化の推進に関する法律」により、マンションの適正管理に努めることが求められている管理組合に活用され、マンションにおける良好な居住環境が確保されることが期待されている。

昭和57年5月 中高層共同住宅標準管理規約が初めて定められた

平成 9年2月 中高層共同住宅標準管理規約の改正

平成16年1月 マンション標準管理規約と名称変更を含む改正



(業務の委託等)

第33条 管理組合は、前条に定める業務の全部又は一部を、マンション管理業者(適正化法第2条第八号の「マンション管理業者」をいう。)等第三者に委託し、又は請け負わせて執行することができる。


(専門的知識を有する者の活用)

第34条 管理組合は、マンション管理士(適正化法第2条第五号の「マンション管理士」をいう。)その他マンション管理に関する各分野の専門的知識を有する者に対し、管理組合の運営その他マンションの管理に関し、相談したり、助言、指導その他の援助を求めたりすることができる。


33条関係コメント

第三者に委託する場合は、マンション標準管理委託契約書による。


33条及び第34条関係コメント

(1) マンションは一つの建物を多くの人が区分して所有するという形態ゆえ、利用形態の混在による権利・利用関係の複雑さ、建物構造上の技術的判断の難しさなどを踏まえ、建物を維持していく上で区分所有者間の合意形成を進めることが必要である。
 このような中で、マンションを適切に維持、管理していくためには、法律や建築技術等の専門的知識が必要となることから、管理組合は、マンション管理業者等第三者に管理事務を委託したり、マンション管理士その他マンション管理に関する各分野の専門的知識を有する者に対し、管理組合の運営その他マンションの管理に関し、相談したり、助言、指導その他の援助を求めたりするなど、専門的分野にも適切に対応しつつ、マンション管理を適正に進めることが求められる。

(2) 管理組合が支援を受けることが有用な専門的知識を有する者としては、マンション管理士のほか、マンションの権利・利用関係や建築技術に関する専門家である、弁護士、司法書士、建築士、行政書士、公認会計士、税理士等の国家資格取得者や、区分所有管理士、マンションリフォームマネジャー等の民間資格取得者などが考えられる。

(3) 専門的知識を有する者の活用の具体例としては、管理組合は、専門的知識を有する者に、管理規約改正原案の作成、管理組合における合意形成の調整に対する援助、建物や設備の劣化診断、安全性診断の実施の必要性についての助言、診断項目、内容の整理等を依頼することが考えられる。



 管理組合の業務

(業 務)

第32条 管理組合は、次の各号に掲げる業務を行う。

一 管理組合が管理する敷地及び共用部分等(以下本条及び第48条において「組合管理部分」という。)の保安、保全、保守、清掃、消毒及びごみ処理

二 組合管理部分の修繕

三 長期修繕計画の作成又は変更に関する業務

四 建物の建替えに係る合意形成に必要となる事項の調査に関する業務

五 適正化法第103条に定める、宅地建物取引業者から交付を受けた設計図書の管理

六 修繕等の履歴情報の整理及び管理等

七 共用部分等に係る火災保険その他の損害保険に関する業務

八 区分所有者が管理する専用使用部分について管理組合が行うことが適当であると認められる管理行為

九 敷地及び共用部分等の変更及び運営

十 修繕積立金の運用

十一 官公署、町内会等との渉外業務

十二 風紀、秩序及び安全の維持に関する業務

十三 防災に関する業務

十四 広報及び連絡業務

十五 地域コミュニティにも配慮した居住者間のコミュニティ形成

十六 管理組合の消滅時における残余財産の清算

十七 その他組合員の共同の利益を増進し、良好な住環境を確保するために必要な業務



一 管理組合が管理する敷地及び共用部分等(以下本条及び第48条において「組合管理部分」という。)の保安、保全、保守、清掃、消毒及びごみ処理

(敷地及び共用部分等の保存・管理行為一般。)


 組合管理部分の修繕

( 建物や建築設備の維持管理については、建築基準法が適用されます。
 建築基準法第8条(維持管理)では、建築物の所有者、管理者又は占有者は、その建築物の敷地、構造及び建築設備を常時適法な状態に維持するように努めなければならないとされている。
 建物や建築設備の維持管理については、所有者、管理者又は占有者に対する建築基準法の規定が適用されますが、適法に維持することを義務化し、「努力義務」とされています。
 また、維持管理における重要な内容のものに関しては、専門家による定期調査、定期検査をすることとなっています。
 管理組合の業務の範囲である、共用部分、共用施設等の維持管理において、その対象となる建物は、法定点検を行わなければなりませんが、適法に維持するだけではなく、建物の機能や性能の低下等を避けるためにも、法定点検よりも短い周期で行う、計画的な自主点検も併せて行うことが、重要となります。 )

 法定点検業務(※点検・報告の周期は、施設により、自治体により異なる)

 特殊建築物定期調査(3年)、建築設備定期検査(1年)、消防用設備等点検業務(6月)、

 給水設備点検・貯水槽清掃業務(1年)、電気設備の保安に関する業務(毎月)、

 浄化槽設備の維持管理業務(1年)、昇降機設備定期検査(1年)


( マンションの構造には、鉄筋コンクリート造(RC)、鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC)等がありますが、この一見頑丈に見える建物も、歳月の経過に伴う劣化現象(経年劣化)により、性能や機能の低下が発生します。
 このような劣化現象を放置しておくと、建物そのものの能力が十分に発揮できないばかりか、日常保守費用の増加や、不具合が発生した場合に多額の補修費用が必要になる場合もあります。
 建物の性能や機能を長く維持するためには、点検や診断などによりその状態を把握し、劣化の程度を予測し、不具合発生前に適切な処置を施す予防保全が重要です。この予防保全は結果的に建物維持管理の総費用を低く抑えることができると考えられます。 )



 長期修繕計画の作成又は変更に関する業務

( 修繕積立金の根拠となる長期修繕計画の重要性を鑑み、規定された項目。
 しかし、修繕積立金の支出項目は計画修繕だけではなく、計画外の事故等による修繕費用の発生にも備えておく余裕有る計画が必要。 )


32条関係のコメントより

(1) 建物を長期にわたって良好に維持・管理していくためには、一定の年数の経過ごとに計画的に修繕を行っていくことが必要であり、その対象となる建物の部分、修繕時期、必要となる費用等について、あらかじめ長期修繕計画として定め、区分所有者の間で合意しておくことは、円滑な修繕の実施のために重要である。


(2) 長期修繕計画の内容としては次のようなものが最低限必要である。

1 計画期間が25年程度以上であること。なお、新築時においては、計画期間を30年程度にすると、修繕のために必要な工事をほぼ網羅できることとなる。

2 計画修繕の対象となる工事として外壁補修、屋上防水、給排水管取替え、窓及び玄開扉等の開口部の改良等が掲げられ、各部位ごとに修繕周期、工事金額等が定められているものであること。

3 全体の工事全額が定められたものであること。
 また、長期修繕計画の内容については定期的な(おおむね5年程度ごとに)見直しをすることが必要である。


(3) 長期修繕計画の作成又は変更及び修繕工事の実施の前提として、劣化診断(建物診断)を管理組合として併せて行う必要がある。


(4) 長期修繕計画の作成又は変更に要する経費及び長期修繕計画の作成等のための劣化診断(建物診断)に要する経費の充当については、管理組合の財産状態等に応じて管理費又は修繕積立金のどちらからでもできる。
 ただし、修繕工事の前提としての劣化診断(建物診断)に要する経費の充当については、修繕工事の一環としての経費であることから、原則として修繕積立金から取り崩すこととなる。


 建物の建替えに係る合意形成に必要となる事項の調査に関する業務

( 平成14年12月18日に「マンションの建替えの円滑化等に関する法律」が施行されたため、平成16年1月23日の改正時に新設。 )



 適正化法第103条に定める、宅地建物取引業者から交付を受けた設計図書の管理

( 平成16年1月23日の改正時に新設。 )


32条関係のコメントより

(5) 管理組合が管理すべき設計図書は、適正化法第103条に基づいて宅地建物取引業者から交付される竣工時の付近見取図、配置図、仕様書(仕上げ表を含む。)、各階平面図、2面以上の立面図、断面図又は矩計図、基礎伏図、小屋伏図、構造詳細図及び構造計算書である。ただし、同条は、適正化法の施行(平成13年8月1日)前に建設工事が完了した建物の分譲については適用されてないこととなっており、これに該当するマンションには上述の図書が交付されていない場合もある。

他方、建物の修繕に有用な書類としては、上述以外の設計関係書類(数量調書、竣工地積測量図等)、特定行政庁関係書類(建築確認通知書、日影協定書等)、消防関係書類、機械関係設備施設の関係書類、売買契約書関係書類等がある。

このような各マンションの実態に応じて、具体的な図書を規約に記載することが望ましい。



 修繕等の履歴情報の整理及び管理等

( 平成16年1月23日の改正時に新設。 )


32条関係のコメントより

(6) 修繕等の履歴情報とは、大規模修繕工事、計画修繕工事及び設備改修工事等の修繕の時期、箇所、費用及び工事施工者等や、設備の保守点検、建築基準法第12条第1項及び第2項の特殊建築物等の定期調査報告及び建築設備(昇降機を含む。)の定期検査報告、消防法第8条の2の2の防火対象物定期点検報告等の法定点検など、維持管理の情報であり、整理して後に参照できるよう管理しておくことが今後の修繕等を適切に実施するために有効な情報である。



 共用部分等に係る火災保険その他の損害保険に関する業務

( 区分法18条4項の確認規定「共用部分につき損害保険契約をすることは、共用部分の管理に関する事項とみなす。」。共用部分等に関して、火災保険など損害保険の契約その他手続きを管理組合が行うことを認めています。管理組合の掛ける火災保険では火災の他、落雷によりテレビの共同聴取装置に被害を被った時にも修理費の支払いが受けられます。また損害保険については管理組合が組合員全員に個人損害賠償保険を掛けておくと、洗濯機の水漏れによる階下への漏水事故などへの対応も出来ます。 )


( マンションで火災、爆発等の事故が発生した場合、共同住宅であるがゆえに、その被害は原因者にとどまらずほかの専有部分や共用部分にまで及ぶことになります。また被害額も多額になり、復旧費用の調達、負担が障害となり、復旧工事着手の合意形成に支障をきたす恐れもあります。また、共用部分や設備等の不備欠陥等が原因で居住者や来客者等に多大の損害を与え、あるいは日常生活の不注意から階下に大きな被害を与える水漏れ事故等、常にさまざまな事故発生の恐れがあります。それらの災難に備え、マンションの共用部分に管理組合として、損害保険(火災・賠償責任保険)を付保しなければなりません。
 なお、専有部分については、その住戸の所有者が自己の意思において保険に加入することになります。 )



 区分所有者が管理する専用使用部分について管理組合が行うことが適当であると認められる管理行為

( 標準管理規約 第21条 敷地及び共用部分等の管理については、管理組合がその責任と負担においてこれを行うものとする。ただし、バルコニー等の管理のうち、通常の使用に伴うものについては、専用使用権を有する者がその責任と負担においてこれを行わなければならない。
 2 専有部分である設備のうち共用部分と構造上一体となった部分の管理を共用部分の管理と一体として行う必要があるときは、管理組合がこれを行うことができる。 )


( バルコニー等の専用使用部分については、専有部分に密着した部分なので、日常的な管理を全て管理組合が実施することは専有部分へ立ち入りなどの無理があり、また受益者負担の原則もあるので、窓ガラスやバルコニー・排水口等の清掃その他の日常的な管理、網戸の網等の消耗品の交換、使用上の不注意で発生させた破損箇所の修理等は専用使用権者の負担。
 ただし、通常の使用に伴わないこれら専用使用部分の事故・経年劣化による交換や計画修繕は管理組合の負担と考えます。 )


( 専有部分に属する諸設備は区分所有者の責任と負担で実施しなければなりませんが、専有の設備であっても雑排水管清掃等の共用部と一体となって実施しなけれならないもの、若しくはその効用が減退するような管理については全員が共同して実施する必要があるので、一定の専有部分の設備を「管理組合が管理を行うことができる。」としています。
 ただし、「できる。」という表現ですので、実施した費用の負担は本来、実施すべき区分所有者各自の負担であるとも解釈できます。それぞれの管理組合の総会において、管理組合負担か、各自の負担か話あわれる部分です。 )



 敷地及び共用部分等の変更及び運営

( 区分法17条1項「共用部分の変更(その形状又は効用の著しい変更を伴わないものを除く。)は、区分所有者及び議決権の各四分の三以上の多数による集会の決議で決する。ただし、この区分所有者の定数は、規約でその過半数まで減ずることができる。」 )


共用施設運営業務

●駐輪場、駐車場等使用者名簿の作成、更新  ●放置自転車の対策

 ●各種利用料金の設定、変更         ●無断駐車、放置自転車の対策



 修繕積立金の運用

(修繕積立金の運用という組合財産の管理行為。

運用例;ペイオフ対策として、決済預金の導入。定期預金を別々の金融機関に1千万円以内に分散。「マンションすまい・る債」の購入。積立型損害保険。など)



十一 官公署、町内会等との渉外業務

(知事・市長・町長や消防・保健所等の官公署への定期検査報告や町内会との連絡、分譲会社との折衝、管理会社との折衝、その他の渉外業務。)



十二 風紀、秩序及び安全の維持に関する業務

(風紀、秩序及び安全の維持に関する業務で、管理規約や使用細則を定めその遵守を監督指導するもの。)

●騒音に関する対応      ●振動に関する対応

●悪臭に関する対応      ●漏水に関する対応

●ペット飼育に関する対応   ●ゴミ出しに対する対応

●廊下・壁等共用部分の無断使用に対する対応

●共用部分の汚損・毀損者に対する対応

●管理規約の改善       ●使用細則の改善


管理規約及び使用細則等の改善業務

  管理規約の設定、変更又は廃止は、集会において、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数(特別決議)で決議します。

  ただし、規約の設定、変更又は廃止が特定の区分所有者の権利に、「特別の影響を及ぼすような場合」は、当該区分所有者の承諾を得なければなりません。

  また、総会招集の通知の際は、その議案の要領をも通知する必要があります。

(区分所有法第35条5項)

  使用細則の設定、変更又は廃止は、管理規約に特別な定めがなければ、区分所有者及び議決権の各2分の1を超える多数の賛成で決議します。



十三 防災に関する業務

(管理組合が建物全体に関する管理権原者であるので、消防法で規定される防火管理者の選解任や消防計画の作成、避難訓練等必要な防災活動に関する業務です。)


(マンションの防災に関しては、火災、台風、地震等、不測の自然災害時に、居住者等の生命、身体及び財産を守り、またその被害を軽減するために、防災設備機器の維持管理や、日頃からの通報、初期消火、避難等に関し、居住者相互の協力体制がスムーズに行えるようにすることが必要です。

  また、消防法第8条においては、防火管理者を設置すべき防火対象物の管理について権原を有する者(管理権原者)」に対し、「防火管理者」を選任し、その者に防火管理業務を行わせるよう義務付けています。)

(防火管理者の業務)

(1) 消防計画の作成

(2) 消防計画に基づく消火、通報、及び避難の訓練の実施

(3) 消防の用に供する設備、消防用水又は、消火活動上必要な施設の点検及び整備

(4) 火気の使用又は取扱いに関する監督

(5) 避難又は防火上必要な構造及び設備の維持管理並びに収容人員の管理

(6) その他防火管理上必要な業務



十四 広報及び連絡業務

(総会や理事会の召集、決定事項の報告その他必要事項の連絡や広報に関する業務。)


 (1) 理事会検討事項

 (2) 総会決議事項

 (3) 官公庁等の伝達事項

 (4) 設備点検等日時等の広報

 (5) 生活のマナーに関する広報



十五 地域コミュニティにも配慮した居住者間のコミュニティ形成

(平成16年1月23日の改正時に新設。)


( 第27条関係のコメントより コミュニティ形成は、日常的なトラブルの未然防止や大規模修繕工事等の円滑な実施などに資するものであり、マンションの適正管理を主体的に実施する管理組合にとって、必要な業務である。

管理費からの支出が認められるのは、管理組合が居住者間のコミュニティ形成のために実施する催事の開催費用等居住者間のコミュニティ形成や、管理組合役員が地域の町内会に出席する際に支出する経費等の地域コミュニティにも配慮した管理組合活動である。

他方、各居住者が各自の判断で自治会、町内会等に加入する場合に支払うこととなる自治会費、町内会費等は地域コミュニティの維持・育成のため居住者が任意に負担するものであり、マンションという共有財産を維持・管理していくための費用である管理費等とは別のものである。 )


マンション住まいのほとんど全ての方が、隣人同士は初対面です。壁や床一枚を隔てて暮らしているのに、会うのも始めてなら名前を聞くのも始めて、何を考えているのかも判らないという方と、共同住宅というひとつ屋根の下で暮らし始め、しかも財産の大半を共有し、お金を出し合って維持管理しなければならないというのが実態です。

ですから、管理組合の活動というのはお互いの考え方、人となりを理解していくのが特に重要と思われます。顔と名前以外は何もわからないままの状態で区分所有法・管理規約・使用細則などのルールだけで、管理組合の運営がきちんとできるのなら、さまざまなマンション問題が生まれる訳がありません。お互いの顔と名前だけではなく考え方を始めとしたいろいろな相互理解が必要なのは当然です。

ある方は、「マンションは隣に住む人を選べない世界」「隣に住む人が天使か悪魔かすぐにはわからないところ」と表現していました。こうした「よくわからない部分」を少しでも埋めて相互理解を深めることが、法律や規約といったルールに意味を持たせるためにも、居住者間のコミュニティ形成という業務が重要です。

( 単純に、「規約違反だからダメ。」と言う前に、そのような問題が発生している背景を管理組合で話し合い、共通の認識を持つことが重要です。 )



十六 管理組合の消滅時における残余財産の清算

(平成16年1月23日の改正時に新設。)


32条関係のコメントより

(7) 建替え等により消滅する管理組合は、管理費や修繕積立金等の残余財産を清算する必要がある。なお、清算の方法については、各マンションの実態に応じて規定を整備しておくことが望ましい。



十七 その他組合員の共同の利益を増進し、良好な住環境を確保するために必要な業務

(以上の十六業務以外の業務で、第1条の目的を達成するのに必要な一切の業務。)


●管理組合の組合員及び入居者情報の管理業務

●管理組合会計業務

●管理費等の長期滞納者に対する対応

●第三者との契約締結業務

●専有部分の用途違反に対する対応

●専有部分のリフォーム(建物の保存に有害な行為等)に対する対応

●管理規約・細則違反者に対する対応


管理組合の組合員及び入居者情報の管理業務

(1) 組合員名簿の整備、更新

(2) 組合員の移動状況把握

(3) 専有部分の入居者情報把握

(4) 緊急連絡者名簿整備、更新


管理組合会計業務

  管理費等の収入は、管理組合の運営に必要な諸費用に充てられます。また、一般的に大きな余剰金を見込んでいないことのほうが多いため、一部の組合員が長期的に滞納を繰り返すことにより、管理運営上大きな支障をきたす事となります。

  管理費の収納業務を委託している場合、督促(電話、訪問による督促)を行うことまでが業務の契約となっている場合が多く、滞納者に対する「法的な督促」は、区分所有法上の「管理者」が行うこととなりますので、一般的には、管理組合の理事長の業務となり、組合全体の問題として解決しなければならないことを理解しておく必要があります。

  このような滞納が発生しないように、毎月の収納状況の確認と、早期の督促を行い、また、長期滞納者に対する対応の流れの取り決めを行っておくことが必要となります。


(1) 管理組合口座の開設

(2) 口座名義者の変更

(3) 銀行取引印の作成

(4) 預金通帳及び銀行取引印の管理

(5) 管理費等の徴収

(6) 管理費等の督促

(7) 管理費等請求台帳の整備・更新

(8) 余裕資金の運用

(9) 会計帳簿の作成

(10) 各種帳票の保管

(11) 収支予算の編成・変更

(12) 収支報告書作成

(13) 管理費等の値上

(14) 臨時負担金の設定・徴収


第三者との契約締結業務

(1) 管理業務委託契約

(2) 金銭消費貸借契約

(3) 保証委託契約

(4) 諸設備の保守点検契約

(5) 補修工事請負契約

(6) 工事管理契約

(7) 契約業務履行状況の確認

 



マンション標準管理規約

(義務違反者に対する措置)

第66条 区分所有者又は占有者が建物の保存に有害な行為その他建物の管理又は使用に関し区分所有者の共同の利益に反する行為をした場合又はその行為をするおそれがある場合には、区分所有法第57条から第60条までの規定に基づき必要な措置をとることができる。


建物の区分所有等に関する法律

(共同の利益に反する行為の停止等の請求)

第57条 区分所有者が第6条第1項(※区分所有者は、建物の保存に有害な行為その他建物の管理又は使用に関し区分所有者の共同の利益に反する行為をしてはならない。)に規定する行為をした場合又はその行為をするおそれがある場合には、他の区分所有者の全員又は管理組合法人は、区分所有者の共同の利益のため、その行為を停止し、その行為の結果を除去し、又はその行為を予防するため必要な措置を執ることを請求することができる。

2 前項の規定に基づき訴訟を提起するには、集会の決議によらなければならない。

3 管理者又は集会において指定された区分所有者は、集会の決議により、第1項の他の区分所有者の全員のために、前項に規定する訴訟を提起することができる。

4 前3項の規定は、占有者が第6条第3項(※第1項の規定は、区分所有者以外の専有部分の占有者(以下「占有者」という。)に準用する。)において準用する同条第1項に規定する行為をした場合及びその行為をするおそれがある場合に準用する。


(使用禁止の請求)

第58条 前条第1項に規定する場合において、第6条第1項に規定する行為による区分所有者の共同生活上の障害が著しく、前条第1項に規定する請求によつてはその障害を除去して共用部分の利用の確保その他の区分所有者の共同生活の維持を図ることが困難であるときは、他の区分所有者の全員又は管理組合法人は、集会の決議に基づき、訴えをもつて、相当の期間の当該行為に係る区分所有者による専有部分の使用の禁止を請求することができる。

2 前項の決議は、区分所有者及び議決権の各四分の三以上の多数でする。

3 第1項の決議をするには、あらかじめ、当該区分所有者に対し、弁明する機会を与えなければならない。

4 前条第3項の規定は、第1項の訴えの提起に準用する。

(区分所有権の競売の請求)

第59条 第57条第1項に規定する場合において、第6条第1項に規定する行為による区分所有者の共同生活上の障害が著しく、他の方法によってはその障害を除去して共用部分の利用の確保その他の区分所有者の共同生活の維持を図ることが困難であるときは、他の区分所有者の全員又は管理組合法人は、集会の決議に基づき、訴えをもつて、当該行為に係る区分所有者の区分所有権及び敷地利用権の競売を請求することができる。

2 第57条第3項の規定は前項の訴えの提起に、前条第2項及び第3項の規定は前項の決議に準用する。

3 第1項の規定による判決に基づく競売の申立ては、その判決が確定した日から六月を経過したときは、することができない。

4 前項の競売においては、競売を申し立てられた区分所有者又はその者の計算において買い受けようとする者は、買受けの申出をすることができない。


(占有者に対する引渡し請求)

第60条 第57条第4項に規定する場合において、第6条第3項において準用する同条第1項に規定する行為による区分所有者の共同生活上の障害が著しく、他の方法によってはその障害を除去して共用部分の利用の確保その他の区分所有者の共同生活の維持を図ることが困難であるときは、区分所有者の全員又は管理組合法人は、集会の決議に基づき、訴えをもつて、当該行為に係る占有者が占有する専有部分の使用又は収益を目的とする契約の解除及びその専有部分の引渡しを請求することができる。

2 第57条第3項の規定は前項の訴えの提起に、第58条第2項及び第3項の規定は前項の決議に準用する。

3 第1項の規定による判決に基づき専有部分の引渡しを受けた者は、遅滞なく、その専有部分を占有する権原を有する者にこれを引き渡さなければならない。





管理員のチェックポイント


1.身だしなみや態度がきちんとしているか?

2.業務時間を守っているか?欠勤は少ないか?

3.決められた業務を的確に処理しているか?

4.業務日誌をきちんとつけているか?

5.フロントマンとの連携が密接か?

6.日常、気がついた点などをこまめに理事会に報告してくれるか?

7.緊急時の対応マニュアルを理解しているか?

8.マンションの居住者に対して公平か?

9.役員とのコミュニケーションがスムーズか?

10.清掃や点検など外部業者の作業に立ち会っているか?

「マンション管理はこうして見直しなさい」廣田 茂 著

ダイヤモンド社 2005.5.26発行 より