(24) テレビ共聴設備改修工事

修繕周期

・テレビアンテナは、8〜12年で取替えます。

・増幅器等は8〜12年、同軸ケーブルは24〜32年周期。

主要部位

・テレビアンテナ、増幅器(混合された信号の強さを共同視聴システムに必要なレベルまで増幅するブースター装置)、分岐・分配器盤、同軸ケーブル(アンテナで受信された信号を劣化させることなく電送するケーブル)等のテレビ共聴設備

工事概要

・テレビ共聴アンテナ及び増幅器盤、分岐・分配器盤、同軸ケーブル等の附帯設備の劣化・損傷箇所の修繕及び改良(取替え)工事。

改良工事の主な内容・工法等

 マンションでは、屋上に設置したアンテナでテレビ放送の電波を受信し、この信号を同軸ケーブル上で混合・増幅・分配・分岐して、各住戸のテレビ端子からテレビ受像機に取り出す共同視聴システムが採用されています。しかし、高経年マンションでは、共聴システムにBS・CS放送が組み込まれているものはまだ多くはありません。このため、各住戸でバルコニーにBS・CSアンテナを設置し直接受信しているケースが見受けられますが、美観上や避難上の問題となることがあるため、管理組合として対策を講じることが望まれます。
 また、近ごろでは、各戸で視聴するチャンネルは多様化しており、テレビの視聴頻度やテレビに要求する性能は、居住者(各住戸)間で大きな開きが生じてきています。今後は、居住者間の多様な要求の格差や高度化したテレビサービスに対応できるように、テレビ共聴設備システムを改善していくことが検討課題になると考えられます。

1.BS・CS共同受信設備を導入する

・高経年マンションでは、各住戸でバルコニーにBS・CSアンテナを設置し、BS・CS放送を直接受信しているケースが見られますが、美観上問題であるばかりか、避難上の問題となるケースもあります。また、ベランダの向きによっては、受信できない住戸が生じることもあります。このため、BS・CS共同受信設備(BS-IF 方式、CS-IF 方式)を導入することが考えられます。


2.受信設備の性能をグレードアップする

・旧来の同軸ケーブル(充実型ポリエチレン絶縁ビニールシース同軸ケーブル:5C-2V、7C-2V 等)は構造上シールド効果が弱く、雑音や画像の乱れの原因となっています。

・BS・CS放送やCATV等を受信する場合には、シールド効果の優れた材質の同軸ケーブル(発泡ポリエチレン絶縁ビニールシース同軸ケーブル・高発泡ポリエチレン絶縁ラミネートシース同軸ケーブル:S-5C-FB、S-7C-FB 等)に取替えることが望まれます。また、TV受け口の端子を高機能のものに取替えます。

・また、各放送のデジタル化に伴い双方向システムへの変更が必要な場合、システムに適した増幅器への取替えや伝送性能を確保できる同軸ケーブルの引替え等が必要となります。


3.配線・機器類の取替え

・共聴設備の配線方式には、縦配線(直列ユニット方式)とスター配線(幹線分岐方式)とがありますが(次頁の図を参照)、従来の集合住宅では、縦配線が一般的です。

 ■テレビ共聴設備の配線方式

縦配線(直列ユニット方式)

・従来の集合住宅の共聴設備で採用されていた方式で、アンテナで受信した信号を混合・増幅した上で分配器や分岐器で必要な縦系統に分けて、端末以外の途中の住戸には中継用の直列ユニットで分配する方式。

・同系統住戸への影響(一時受信不可、調整等の作業が系統住戸にも及びます。)があるため、一般的には、テレビ端子の増設や変更は困難です。ただし、近ごろでは、フィルター付き直列ユニットの採用により、各戸で多様な受信形態が選択できるようになってきています。

スター配線(幹線分岐方式)

・幹線から分岐器で支線を出し、各住戸内の分配器で各部屋のテレビ端子や通信用端子に分配する方式。分岐単位の信号レベルを各戸単位で調整しやすく、改修や変更が各住戸で可能です。衛星放送の伝送方式(BS-IF、CS-IF)をそのまま伝送するのに適しています。

 (社団法人日本建築家協会「マンション設備の改修−解説と改修事例」をもとに作成)

・縦配線でテレビ配線の取替えが可能な場合は、配線の取替えに併せて機器類(アンテナ、ブースター、分岐・分配器、直列ユニット)も取替えることが一般的です。この際、1住戸2テレビ受口とし、BS(共同)アンテナを新設するなどにより、テレビ視聴環境を改善することがよく行われます。


4.各住戸のニーズにあわせた受信形態が選択できる配線システムへの改善

・一方、今後のテレビ共聴設備改修の方向としては、各居住者(住戸)のニーズの多様化に対応した受信形態を選択できる配線方式への改善が課題になると考えられます。既存の縦配線の配線形式を、各戸で多様な受信形態を選択できるスター配線へと改善することなどが課題になります。


5.地上デジタル放送への対応

・関東、近畿、中京の三大都市圏で2003年12月より地上デジタル放送が開始され、今後全国に広まっていくことになっています。地上デジタル放送では、高画質・高音質、多チャンネル放送、データ放送受信、地域密着型放送、双方向機能による番組参加等を楽しむことができ、今後、地上デジタル放送に対応した共聴設備の改善ニーズが高まることが予想されます。

・共聴設備で地上デジタル放送を視聴するためには、地上デジタル放送に適したUHFアンテナへの取替え(現在UHFを受信している場合は既存アンテナを継続使用できる場合もありますが、送信塔の位置や送信チャンネル等によっては取替えが必要になります。)、受信用ブースター(受信場所が送信場所から遠く離れている場合)やヘッドアンプ(受信電波を十分な強さで伝送路設備に送り出す設備)の設置が必要になる場合がありますまた、伝送路設備、引き込み線設備(同軸ケーブル・保安器等)、住戸内配線設備(分配器・壁面テレビ端子等)等も地上デジタル放送に適したものに取り替えることが必要となる場合があります。

概算コスト

・テレビ配線及び機器類を含んだ改良(取替え)工事のコスト(戸当たり)は、概ね次のように想定されます。

項目

工事

工法・仕様等

コスト

モデル1
(5階・30戸)

モデル2
(10階・50戸)

テレビ配線・機器類

取替え

配線、アンテナ、ブースター、分岐・分配器、直列ユニット、1住戸2テレビ受口

250〜300万円/棟

8〜10万円/戸

350〜400万円/棟

7〜8万円/戸

(※)同軸ケーブルの取替えは、テレビ端子(受口)の位置、各住戸の端子数によって費用が異なります。テレビ端子が荷物の後にあるなど取替えが困難な場合があります。


(25) 防災設備改修工事

修繕周期

・自動火災報知設備の受信機・電線24〜32 年、感知器12〜24年周期。

・非常照明器具8〜12年、バッテリー交換6〜8年周期。

主要部位

・自動火災報知設備(受信機、電線、発信機、住戸内感知器)、非常警報設備、誘導灯設備、非常コンセント設備、非常用照明設備等の消防法及び建築基準法に定められた防災設備

工事概要

・自動火災報知設備、非常警報設備、誘導灯設備、非常コンセント設備、非常用照明設備等の防災設備の劣化・損傷箇所の修繕及び取替え工事。

改良工事の主な内容・工法等

1.誘導灯の性能をグレードアップする

・近ごろの誘導灯はコンパクトスクエアの高輝度ランプの採用により、大きさは従来の1/3、ランプ寿命は約10倍となり、消費電力は60〜85%の省エネになっています。


2.放送設備の整備

・マンション内の放送連絡システムの整備が考えられます。管理事務室からの連絡事項を共用廊下に設置されたスピーカーにより放送する仕組みが一般的ですが、玄関扉や共用廊下に面するサッシを閉鎖状態で使用した場合、聞え難いという問題がよく生じます。このため、共用廊下天井のスピーカーの数を増やすことや、専有部分の玄関付近にスピーカーを設置することなどが考えられます。

概算コスト

・誘導灯の改良(取替え)工事のコスト(単価)は、概ね次のように想定されます。

項目

工事

工法・仕様等

コスト

避難口誘導灯

取替え

C級(10形) 天井直付(吊下兼用型)

2.5〜3万円/個

通路誘導灯

取替え

C級(10形) 天井直付(吊下兼用型)

2.7〜3.2万円/個


(26) 避雷設備改修工事

修繕周期

・24〜32年周期。

主要部位

・避雷突針、避雷針支持ポール、避雷導線、接地銅板等

工事概要

・避雷突針、避雷針支持ポール、避雷導線、接地銅板等の劣化・損傷箇所の修繕及び取替え工事。避雷設備の設置義務は高さ20m を超える建築物・工作物(建築基準法第33条・88条)であるため、高層マンションが対象となります。高所に設けられていることや、足場仮設が必要となることから、管理不十分なものが多いようですが、計画的な取替えが必要です。

・棟上げ導体については避雷突針交換と同時に交換することが望まれます。なお、工事にあたっては笠木、屋上防水処置を確実に施す必要があります。

修繕工事のコスト

・避雷新設備の取替え工事等のコストは、高層マンション(モデル2:10 階・50 戸)で、概ね1棟当たり55〜65 万円/棟と想定されます。ただし、避雷導線及び接地極は既存のものを再使用するものとします。

その他

・避雷設備は年1回以上、次の検査を行い規格の規定に適合していることを確かめなければなりません(JISA0425)。@接地抵抗の測定(接地極を省略したものについては不要)、A地上各接続部の測定、B地上における断線、溶融その他損傷箇所の有無の点検。また、検査結果は記録して、3年間保存しなければなりません。


2.2.4 その他工事

(27) エレベーター設備改修工事

修繕周期

・24〜32 年程度。日常のメンテナンスの状況により実施時期を検討します。

主要部位

・ロープ、モーター、巻上げ機、カゴ、扉、制御盤等のエレベーター設備

工事概要

・ロープ、モーター、巻上げ機、カゴ、扉等のエレベーター設備の劣化・損傷箇所の修繕及び取替え工事。

・昇降機定期検査(建築基準法第12 条第2 項)では、1 年に1回の定期検査が義務づけられています。法定点検の履行義務や内容の詳細については、各地方公共団体の条例等によって異なるため、地元地方公共団体の確認が必要です。

改良工事の主な内容・工法等

 近年、エレベーターには様々な機能・性能が開発・付加されるようになっており、その性能は著しく向上しています。エレベーター設備の改良(取替え)工事にあたっては、必要とする機能や性能を十分に検討した上で、そのグレードアップを図ることがポイントとなります。

1.エレベーターの性能をグレードアップする

・エレベーターの基本性能のグレードアップとしては、電動機をインバーターマイコン制御方式のものに取替え、振動・騒音の低減により乗り心地を向上させることや、故障を減少させることが考えられます。また、ヘリカルギヤを採用したものに取替え、消費電力を低減することや、スピードアップにより待ち時間を削減することができるタイプのものに取替えることなども考えられます。

・また、安全性の向上のために次のような機能を付加することが考えられます。

@地震管制運転装置:地震の揺れを機械室の感知器が検出し、エレベーターを速やかに最寄り階で停止させドアを開く。

A火災管制運転装置:火災時にエレベーターを避難階に直行させ運転を休止させる。

B停電時自動着床装置:停電時にバッテリーでエレベーターを最寄り階まで自動運転する。

C防犯用監視カメラ:かご天井部にカメラを設置し、かご内の状況を管理事務室のモニターで、監視やビデオテープに記録することができる。

D防犯用窓ガラス:エレベーター扉に窓ガラスを取り付け、エレベーターの内外からみることができる。(なお、エレベーター扉に窓ガラスを取り付ける場合は、防火区画の問題をクリアする必要があります。)

E遠隔監視装置:電話回線を通じて、保守会社にエレベーターの異常を知らせる。

・なお、エレベーターの取替え時には、エレベーターシャフト本体が地震時にマンション躯体から切り離されないかどうかの検討を行い、必要に応じて補強工事を行います。


2.マシンルームレスエレベーターに取替え、省スペースを図る

・ロープ式エレベーターや油圧式エレベーターは、エレベーターシャフト上部の屋上や地上部分に専用機械室を設ける必要がありましたが、近ごろでは、専用機械室を必要としないマシンルームレスエレベーターが普及しています。マシンルームレスエレベーターへの取替えにより、エレベーター機械室が不要となり、他の用途に転用できます。

・エレベーターの改良(取替え)方法については、次のような方法があります(このうち、@完全撤去・新設と、A準撤去・新設については、確認申請を必要とします。)。

 ■エレベーターの改良(取替え)方法

@完全撤去・新設

 建物からエレベーターの全構成機器を撤去し、全て最新機種等に取替える方法。エレベーターシャフトの大きさを変更する必要がある場合(例えば、既存エレベーターシャフトでは車いす仕様にするスペースが不足する場合等)には、この方法を採る必要があります。

A準撤去・新設

 建物に固定されたマシンビーム、カウンターウェイト(錘)、ガードレール、乗り場三方枠等の機器等については再使用し、巻上げ機、制御盤、ロープ、かご室、乗り場扉等を最新機種等に取替える方法。

B分割改修・準撤去

 新設で実施する工事を、制御改修(インバーター制御等)、かご改修(インジケーター関係)、乗り場改修等に分割して施工する方法。

・なお、エレベーターの取替えに併せて、インバーター制御方式の電動機へのグレードアップを行い、省エネ、省力化、省保守化を図ることが考えられます。

概算コスト

・エレベーターの改良(取替え)工事のコスト(単価)は、概ね次のように想定されます。

項目

工事

工法・仕様等

コスト

エレベーター

改良・取替え(※1)

@完全撤去・新設工法(10階建て)

1,200〜1,500万円/基

A準撤去・新設工法(10階建て)

700〜1,000万円/基

B分割改修、準撤去工法(10階建て)インバーター制御リニューアルの場合

400〜500万円/基

(※1)A準撤去・新設工法と、B分割改修、準撤去工法は、既存設置エレベーターメーカーの製品で取替えられますが、@完全撤去・新設工法の場合、既存以外のメーカー製品も設置可能となり、競争原理が働き、価格が下がる可能性があります。

その他

・エレベーターは常時安全で快適な状態で利用することが求められるため、事故や故障にならないように予防措置を講ずることが必要です。エレベーターの保守契約には、F・M(フルメンテナンス)契約とP・O・G(パーツ・オイル・グリース)契約の2種類があります。

・F・M(フルメンテナンス)契約は、予防保守契約とも言い、エレベーターを常に最良の状態に維持するために、機械や装置の点検・調整を行い、事故や故障が発生する前に機器の摩耗・劣化を予測し、部品の修理や取替え等の整備を行う契約です。P・O・G契約よりも高額となりますが、事故や故障が発生しないように常時予防措置が講じられます。

・P・O・G(パーツ・オイル・グリース)契約は、機械や装置の点検・調整・修理は含まれますが、メインロープ・巻上機・電動機等の取替えやかご室のパネル三方枠の塗替え等の高額部品の修理・取替えは含まれていない契約です。F・M契約よりも安価ですが、高額部品は別途工事となるため、直ちに修理・取替えが実施されずに不完全な状態が続くことも想定されます。

・保守点検契約を選択する場合には、これらの長所、短所を十分に検討し、決定する必要があります。


(28) 機械式駐車場工事

修繕周期

・機械式駐車場の形式により大きく異なります。駐車装置は20〜25年程度で取替え、昇降装置は10年程度、安全装置は5年程度で修繕・取替え、排水ポンプは10年程度で取替えます。

主要部位

・機械式駐車場の駐車装置、制御盤、検知装置、操作盤、昇降装置、安全装置、排水設備等

工事概要

・機械式駐車場の駐車装置及び制御盤、検知装置、操作盤、昇降装置、安全装置、排水設備等の各設備の保守・修繕・取替え工事。

・機械式駐車場は定期的な保守点検が必要となり、保守管理会社との保守点検契約はP・O・G(パーツ・オイル・グリース)契約が一般的です。契約に基づいて計画的に保守・修繕、取替えを行います。また、発錆を防止するために、パレット(自動車を乗り入れる段)や支柱等の鉄部塗装も計画的に行います。車両が乗り降りするパレットの床面は損耗が激しく、重防食塗装をしても腐食劣化して、床板に穴が開き、パレットごと交換する場合もあります。

改良工事の主な内容・工法等

 マンション内の駐車場ニーズにより、機械式駐車場の導入・増設を行うことや、駐車装置の性能をグレードアップすることなどが検討事項となります。

1.機械式駐車装置の導入・増設を行う

・限られた敷地の中で駐車場不足を解消するために、機械式駐車場の導入・増設を行うことが考えられます。マンションでは、土地を掘り込んだピット二段方式(地上1 階・地下1階)の昇降式が採用される場合が多いですが、収容台数を増やすために、多段方式やエレベーター・スライド方式(自動車を収用する駐車室と自動車用エレベーター等の昇降装置とで構成される立体式の機械式駐車場で、昇降移動に加え、水平方向にも移動する方式)等が採用される場合もあります。


2.機械式駐車装置の性能をグレードアップする

・駐車装置を全面的に取替える際には、超静音・超パワフルを実現したタイプや、コンパクト設計による省スペース対応のものなど、性能をグレードアップすることが考えられます。

・また、車高の高い大型の自家用車が増え、普通乗用車専用の駐車装置に入庫・駐車が不可能な場合、車高の高い大型車両が駐車可能な駐車装置に作り変える必要があります。

概算コスト

・地下ピット機械式駐車場の改修工事のコスト(単価)は、概ね次のように想定されます。

項目

工事

工法・仕様等

コスト(※1)

機械式駐車場

新設

平面駐車場を機械式駐車装置に変更掘削、ピット、駐車装置、ポンプ新設

150〜200万円/台

取替え

機械式駐車装置の取替え
既存ピット再利用

100〜150万円/台

大型機械式駐車装置に取替え
既存ピット除去、大型ピット駐車装置に変更

200〜250万円/台

廃止変更

自走式立体駐車場に変更
既存ピット、機械式駐車装置除去

180〜230万円/台

 (※1)地下ピット機械式駐車装置を50台規模と想定した場合の1台当りの単価


2.2.5 外構・土木工事

(29) 舗装改修工事

修繕周期

・24〜36年

主要部位

・敷地内道路、駐車場、駐輪場、歩道、広場等の舗装、路盤、縁石、L型側溝、排水溝等

工事概要

・敷地内道路、駐車場・駐輪場、歩道・広場等の舗装、路盤や縁石の劣化、凹凸、ひび割れ、欠損部分の修繕及び取替え、L型側溝、排水溝等の修繕及び使用材料の取替え。

・道路・駐車場の路面等の修繕は年次計画で順次行うことが考えられます。

改良工事の主な内容・工法等

 マンション敷地内の屋外舗装は、経年に伴い、舗装の劣化、地盤の沈下、樹木の根の生長等により、凹凸や段差、ひび割れ、小穴(ポットホール)などの不具合が発生します。屋外舗装も建物同様マンションのイメージを左右する重要な要素であり、また、マンション内で最も往来頻度の高い場所であるため、安全で快適な屋外空間として維持することが望まれます。
 舗装の改良工事においては、舗装材料のノンスリップ性や耐久性・排水性、デザイン性の向上及び段差解消等のバリアフリー工事がポイントとなります。

1.舗装のバリアフリー性やデザイン性等を向上させる

・敷地内道路、駐車場、駐輪場、歩道、広場等について、舗装材料の性能やデザインをグレードアップします。また、透水性に優れた舗装材料に変更し、夏の舗装表面温度を低下させたり、下水への放水量を少なくしたりすることや、安全性の確保のためにノンスリップの舗装材料に変更し、段差を解消することも重要となります。

・例えば、次のような内容が考えられます。

@敷地内道路・駐車場:アスファルト舗装の掘削再舗装を行い(併せて、既設路盤不良部の修繕等を行います。)、マンホール高さの調整や蓋の取替えを行います。駐車場は植生ブロック舗装等により、緑化することが考えられます(本章の(31)「緑化環境整備工事」の項を参照)。

Aマンション敷地内のメイン歩道:アスファルト舗装やコンクリート平板舗装からインターロッキング舗装(路盤取替え共、歩道仕様)等に変更し、グレードアップします。また、通路両脇のL型側溝の取替え、マンホール高さの調整や蓋の取替え、L型側溝横断部の段差解消(立ち上がりが少なくすべりにくい擬石L型側溝仕様にするなど)を行うことなどが考えられます。

B住棟前歩道:コンクリート舗装やアスファルト舗装をインターロッキングブロック舗装(路盤の取替え、車の乗り上げを考慮し車道仕様とする)等に変更し、グレードアップします。また、L型側溝の取替え、マンホール高さの調整や蓋の取替え、車道との間のL型側溝段差部の切り下げ又はスロープ金物の設置(住棟エントランス前のみ)等が考えられます。

C広場:コンクリート平板舗装からレンガ・タイル舗装等に変更し、併せてバリアフリーとします。


2.屋外段差部のバリアフリー化を図る

・屋外の階段部には必ず手すりを設けます。単純段差は擦り付けを行い、小段差の階段は撤去してスロープに作り替えるか、近くにスロープを新設することなどが望まれます。この場合、床材はすべりにくい材質にすることが大切です。また、スロープの設置スペースがとれない場合は、段差解消機やいす式昇降機を設置することも考えられます。

概算コスト

・舗装路盤の主な改良工事のコスト(単価)は、概ね次のように想定されます。

項目

工事

工法・仕様等

コスト

車道アスファルト舗装

新設

路盤再生工法・表層厚50o

3〜6千円/u

歩車道境界ブロック

改修

バリアフリー化高さ改修
接続平板共

8千円〜1.2万円/m

L型側溝

取替え

L-250

7千円〜1.2万円/m

歩道・広場舗装

取替え

平板舗装からインターロッキング舗装へ

6千円〜1.2万円/u

インターロッキング舗装部

補修

沈下部補修(剥がし・砂調整・復旧)

3千円〜5千円/u



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