参考 法律上の手続きと補助・融資等の制度
<参考1> マンション改修に関する建築基準関係規定上の手続き
1.確認申請について
・建築物を建築等する場合は、建築主事等に対して、その計画が建築基準法及び同施行令、消防法等の建築基準関係規定に適合している旨の確認の申請を行う必要があります。具体的には、次のような場合には確認申請を必要とします。
@建築物の建築
A大規模な修繕又は模様替え
B駐車場等の工作物の築造や昇降機等の建築設備の設置
・確認申請を必要とする「建築」、「大規模な修繕」、「大規模な模様替え」、「築造・設置」とは、建築基準法上、次のような工事をいいます。
■確認申請を必要とする建築工事等
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建築工事 |
内 容 |
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建築 |
・建築基準法上、建築とは、建築物を新築、増築、改築又は移転することをいいます。 ・新築、増築、改築、移転の定義は次の通りです。
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大規模の修繕 |
・修繕とは、経年劣化した建築物の部分を、既存のものと概ね同じ位置に概ね同じ材料、形状、寸法のものを用いて現状回復を図ることをいいます。 ・大規模の修繕とは、修繕する建築物の部分のうち、主要構造部(壁、柱、床、はり、屋根又は階段)の一種以上を、過半(1/2超)にわたり修繕することをいいます。 |
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大規模の模様替え |
・模様替えとは、建築物の構造・規模・機能の同一性を損なわない範囲で改造することをいいます。一般的に改修工事などで現状回復を目的とせずに性能の向上を図ることをいいます。 ・大規模の模様替えとは、模様替えをする建築物の部分のうち、主要構造部(壁、柱、床、はり、屋根又は階段)の一種以上を、過半(1/2超)にわたり模様替えをすることをいいます。 |
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築造・設置 |
・築造とは、工作物(高架水槽、自動車車庫等)を新設、増設することをいいます。 ・設置とは、昇降機等の建築設備を新設又は増設することをいいます。 |
・第2章で示した大規模修繕等の計画修繕に伴う改修工事については、大規模の修繕又は模様替えにあたることは少ないと考えられますが(ただし、昇降機を取り替える場合等については建築設備としての確認申請を必要とします。)、第3章で説明した改良工事のうち、新築(集会所・コミュニティセンター等の共用附属施設の新築等)、増築(居室増築、バルコニーの屋内化、エレベーター等の共用部分の増築等)、築造・設置(自走式立体駐車場の新築、エレベーターの設置等)については確認申請を行う必要があります。また、模様替えにあたる工事(住戸の2戸1戸化、集会所・コミュニティセンター等の建物内の改造、建物共用部分の改造、耐震補強等)のうち、主要構造部を過半にわたり大規模に模様替えをする場合については、同様に確認申請を必要とします。
・ただし、防火・準防火地域外で、増築・改築・移転に係る部分の延べ面積の合計が10m3以下の場合については、確認申請を必要としません。
2.建築確認申請における一般的な留意点
(1) 既存不適格の扱いについて
・増築、大規模な模様替え等に伴い建築確認申請をする場合は、当該部分のみならず、建物全体について建築基準関係規定に適合しているかどうかの審査を受けることになります。
・このため、既存建物が既存不適格(建築当時は適法であったものの、その後に法令が改正され、改正後の現行建築基準規定に適合していないもの)である場合、建物全体が現行規定に適合するよう是正しなければなりません。
・特に、高経年マンションの場合、建築後の建築基準法の改正により、構造関係規定上の既存不適格(帯筋比、耐震性等)、防火関係規定上の既存不適格(高層区画・竪穴区画、避難施設、排煙設備、内装制限、非常用昇降機・非常用進入口、非常用照明等)等が生じ、対応が必要となる場合があります。
・ただし、現行規定への是正については、「既存不適格建築物に対する制限の緩和」措置が設けられており、制限緩和の範囲に該当する場合、確認申請時に適用が除外される規定があります(次頁参照)。
■既存不適格建築物の増改築等に対する制限の緩和の範囲
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適用除外規定 |
建築種別 |
緩和の範囲 |
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防火壁関係 |
増築 |
・基準時(既存不適格状態となった始期)以降の増改築部分の床面積が50m2を超えない(建築基準法施行令137条の2) |
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大規模な修繕・模様替え |
・すべて(施行令137条の9) |
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特殊建築物関係 |
増築 |
・基準時以降の増改築部分の床面積が50m2を超えない(建築基準法施行令137条の3) |
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大規模な修繕・模様替え |
・すべて(施行令137条の9) |
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共同住宅等の界壁関係 |
増築 |
・増築後の延べ面積が基準時の延べ面積の1.5倍を超えないこと(施行令137条の3の2) |
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改築 |
・改築部分の床面積が基準時の延べ面積の1/2を超えないこと(施行令137条の3の2) |
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大規模な修繕・模様替え |
・すべて(施行令137条の9) |
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非常用の昇降機関係 |
増築 |
・増築部分の建築物の高さが31mを超えず、かつ、増築部分の床面積が基準時の延べ面積の1/2を超えないこと |
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改築 |
・改築部分の床面積が基準時の延べ面積の1/5を超えず、かつ、改築部分の建築物の高さが基準時における当該部分の高さを超えないこと |
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大規模な修繕・模様替え |
・すべて(施行令137条の9) |
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用途地域等関係 |
増築 |
・基準時の敷地内におけるもの、かつ、建蔽率・容積率が規定に適合するものであること。 ・増築部分の床面積が基準時の床面積の1.2倍を超えないこと。 ・増築後の用途不適格部分の床面積が基準時の用途不適格部分の床面積の1.2倍を超えないこと |
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改築 |
・基準時の敷地内におけるもの、かつ、建蔽率・容積率が規定に適合するものであること。 |
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容積率関係 |
増築 |
・増築又は改築部分の用途が自動車車庫等の用途に供すること。 ・増築前の自動車車庫等の用途に供する部分以外の床面積が基準時の自動車車庫等の用途に供する部分以外の床面積を超えないこと。 ・増築又は改築後の自動車車庫等の用途に供する部分の床面積が増築又は改築後の建築物の床面積の1/5を越えないこと |
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大規模な修繕・模様替え |
・すべて(施行令137条の9) |
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高度利用築又は都市再生特別地区関係 |
増築 |
・増築後の延べ面積及び建築面積が基準時の延べ面積及び建築面積の1.5倍を超えないこと。 ・増築後の建築面積が高度利用地区又は都市再生特別地区に関する都市計画で定められた建築面積の最低限度の2/3を超えないこと。 ・増築後の容積率が高度利用地区又は年再生特別地区に関する都市計画で定められた容積率の最低限度の2/3を超えないこと |
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改築 |
・改築部分の床面積が基準時の延べ床面積の1/2を超えないこと |
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大規模な修繕・模様替え |
・すべて(施行令137条の9) |
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防火地域関係 |
増築 |
・基準時以降の増築又は改築部分の床面積が50m2を超えず、かつ、基準時の当該建物の延べ面積を超えないこと。 ・増築又は改築後の階数が2以下で、かつ、延べ面積が500m2を越えないこと。 ・増築又は改築部分の外壁、軒裏は防火構造とすること。 |
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大規模な修繕・模様替え |
・すべて(施行令137条の9) |
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準防火地域関係 |
増築 |
・基準時以降の増築又は改築部分の床面積が50m2を超えないこと。 ・増築又は改築後の階数が2以下であること。 ・増築又は改築部分の外壁、軒裏は防火構造とすること。 |
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大規模な修繕・模様替え |
・すべて(施行令137条の9) |
(2) 建築基準法第86条の一団地の総合的設計の変更承認申請
・建築基準法では一つの建築物に一つの敷地が設定され、その敷地単位で建築基準法等の法令を適用することを原則としています。しかし、団地内の複数の建物を総合的に設計し建築する場合に、個々の建物毎に建築基準法上の敷地を設定するのではなく、全体を一つの敷地とみなして全体で建築基準法等の法令を適用した方が、合理的な建築計画や土地の有効利用を図ることができる場合があります。このような場合で、特定行政庁が、各建築物の位置及び構造につき、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認められるときに、建築基準法第86条の「(一団地認定)」が適用され、複数の建物を同一敷地内にあるものとみなして建築基準関係規定が適用されます。
・このため、建築時に一団地認定を受けている団地の場合、増築等により隣接する建物との距離等に変化が生じる場合、新たな建物の新築又は建替を行う場合などには、当該建物を一団地認定の認定基準に適合させた上で、一団地認定の変更承認申請を行う必要があります。なお、特定行政庁によって独自の認定基準を設けている場合がありますので、地元地方公共団体でまず確認して下さい。
3.増築・大規模な模様替え等を伴う改良工事に関する建築基準関係規定上の特記事項
・改良工事についての確認申請における一般的な留意点は上記のとおりですが、第3章で説明した改良工事について特に留意すべき建築区準関係規定上の手続きを整理すると次のようになります。
■既存不適格建築物の増改築等に対する制限の緩和の範囲
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改良工事 |
特記事項 |
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専有部分の床面積の拡大 |
居室増築又はバルコニーの屋内化 |
・居室増築やバルコニーの屋内化により、既存バルコニーが避難上有効でなくなることになります。このため、既存バルコニーが避難上有効として直通階段の代替機能を果たしていた共同住宅では、その屋内化に伴い、避難上の基準を満たす措置が必要となります。 ・なお、共同住宅の避難規定については、地方公共団体の建築安全条例等により制限が加えられている場合がありますので、地元の地方公共団体への確認が必要です。例えば、「避難階段以外の階の住戸については、居室1以上には避難上有効なバルコニー等を設けること」が義務づけられている場合があり、この場合は避難上有効なバルコニーを設置しない限り、既存バルコニー部分を居室化することができないことになります。 ■2以上の直通階段の設置が必要な共同住宅(法35条、施行令121条)
■避難上有効なバルコニー
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住戸の2戸1戸化 |
・メゾネット型の上下2戸1戸化を行った場合、元々は上下階にあった2つの玄関(出入口)のうち一方を塞ぎ、出入口を1つの階にのみをすることができます。 ・この場合、避難の際に1つの出入口に他の階からの避難が集中するため、出入口が1つの階のみにあるメゾネット型住戸については、上下階の床面積を玄関等の出入口階にあるものとみなして、一定の避難規定が適用されます。特に、玄関等の出入口のある階に上下階の居室の床面積が加算されることにより、2以上の直通階段が必要となる場合もあります。 |
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住棟内の共用スペース棟の整備 |
・共用スペースの増築にあたり、廊下、階段、エレベーターホール、エントランスホール、風除室等は、容積率を算定する際の延べ面積に参入されません(法52C) ・無窓の機械室を集会所に変更し窓が必要となるような場合は、当該変更により建築基準関係規定に係る変更が生じることになるため、主要構造部の模様替えの範囲が過半であるか否かにかかわらず、確認申請を必要とします。 ・店舗・オフィスとしての利用から住戸としての利用への用途変更は、類似の用途(施行令第137の9の2)相互間以外の用途変更に相当するため、確認申請を必要とします(採光規定等を住宅としての規定に適合させる必要があります。)。 |
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立体駐車場の建設 |
・平面式駐車場の増設や独立して設置する構造の自転車置場・バイク置場の増設には確認申請を必要としません。建物から独立して設置する駐車場では、自走式立体駐車場(自動車車庫)を建設する場合のみ確認申請が必要となります。 ・自走式立体駐車場の築造には、建築基準法等の規制が適用され、住居系の用途地域において建築の制限があり、用途地域ごとに建築できる規模が異なります(法48条、施行令130条の5)。また、構造、規模、床面積等に関係なく内装制限が課されています(施行令128条の4@ニ)。一方、容積率の算定には緩和規定が設けられており、その建築物の各階の床面積の合計の1/5を限度として容積率を算定する際の延べ面積に参入されません(施行令2条@4・B)。また、壁を有しない簡易な構造の自動車車庫の部分に対しては、一般の防火規定は適用されません(法84条の2)。 ・なお、機械式駐車場の場合は工作物としての審査が必要です。 |
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耐震補強 |
・耐震補強は一般的に確認申請を必要とするケースが多いと考えられます。 ・ただし、耐震診断の結果を踏まえ、耐震改修を行おうとする建築物の所有者は、建築物の耐震改修の促進に関する法律(耐震改修促進法)に基づき、耐震改修計画について所管行政庁の認定受けることができます。また、認定を受けると、建築基準法の既存不適格建築物に係る制限の緩和、耐火建築物に係る制限の緩和を受けることができます。 |
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エレベーターの設置 |
・エレベーターの設置工事についての建築確認申請に加え、設置するエレベーターの建築や構造等の適法性について、建築設備としての確認申請が必要です。 ・エレベーターの基準については、構造上主要な部分は、摩損及び疲労破壊を考慮したエレベーター強度検証法(建設省告示第1414号・平成12年5月31日)により基準に適合することが確かめられたものか、又は、摩損又は疲労破壊を考慮して行う国土交通大臣の認定を受けたものである必要があります(建築基準法施行令第129条の4)。 ・その他、エレベーターの過重、かごの構造、昇降路の構造、駆動装置及び制御器、機械室の構造、安全装置、適用除外について、所定の規定に従う必要があります。 |
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1.マンション改修に関する一般的な手続きの考え方
・修繕工事は、共用部分を対象とし、通常は共用部分の管理行為として計画されますが、大規模修繕工事(同時に行う改良工事を含む。)は、その規模・内容・程度から、共用部分の変更工事となるのが一般的です。
・共用部分を変更する場合には、集会の決議が必要ですが、その決議要件は、共用部分の形状又は効用の「著しい」変更を伴う場合と、そうでない場合とでは異なります。(区分所有法第17条@。以下、<参考2>においては、区分所有法を法という。)。
・著しい変更を伴う場合には、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の特別多数決議が必要となります(ただし、区分所有者の定数のみは規約でその過半数にまで減じることができます。)。一方、著しい変更を伴わない場合は、区分所有者及び議決権の各過半数による集会の普通決議で決することができます(ただし、規約で別段の定めをすることができます。)。なお、区分所有者の共有に属する建物敷地や附属施設についても共用部分に関する規定が準用される(法21条)ため、その変更に関しては共用部分の場合と同様の手続きが必要となります。
■改正区分所有法における共用部分の変更に関する規定(平成14年12月改正・平成15年6月施行)
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(共用部分の変更) 第17条 共用部分の変更(その形状又は効用の著しい変更を伴わないものを除く。)は、区分所有者及び議決権の各四分の三以上の多数による集会の決議で決する。ただし、この区分所有者の定数は、規約でその過半数まで減ずることができる。 2 前項の場合において、共用部分の変更が専有部分の使用に特別の影響を及ぼすべきときは、その専有部分の所有者の承諾を得なければならない。 |
・こうした要件は、平成14年12月の区分所有法改正(平成15年6月施行)により導入されたものです。改正前の条文では、共用部分の変更に著しく多額の費用を要する場合には、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数による特別多数決議を必要としていました。このため、建物の適切な維持保全の観点から定期的に実施する必要のある大規模修繕工事に著しく多額の費用を要する場合には特別多数決議が必要となり、その円滑な実施が困難となり、マンションの適切な管理に支障を来すことが問題とされていました。そこで、共用部分の変更について、費用の多寡にかかわらず、形状又は効用の著しい変更を伴うものに限り、4分の3以上の特別多数決議を要することとされたのです。
・共用部分の変更工事が、形状又は効用の著しい変更に当たるかについては、実際の工事における変更を加える箇所・範囲、変更の態様・程度等を総合的に勘案して個別に判断する必要がありますが、その基本的な考え方としては、次のように考えることができます。
1)共用部分の変更工事で普通決議により実施できると考えられるケース
・建物の適切な維持・保全の観点から実施する必要のある計画修繕工事については、工事規模の大小にかかわらず、過半数の普通決議で実施することができると考えられます。例えば、鉄部塗装工事、外壁の補修工事、屋上等防水工事、給水管更生・更新(取替え)工事、照明設備、テレビ共聴設備、エレベーター設備の更新(取替え)工事などです。
・一方、建物の構成部位の材質や性能をグレードアップする工事についても、建物の基本的構造部分を大きく取り壊す等の大きな加工を伴わない工事等については普通決議により実施可能と考えられます。平成16 年1月に公表された「マンション標準管理規約(単棟型)及び同コメント」によると、普通決議で実施できるグレードアップ(改良)工事としては、例えば、次のような工事が該当するとされています。
@バリアフリー化工事に関して、建物の基本的構造部分を取り壊す等の加工を伴わずに階段にスロープを併設する工事。手すりの設置工事。
A耐震改修工事に関して、柱や梁に炭素繊維シートや鉄板を巻き付けて補修する工事や、構造躯体に壁や筋かいなどの耐震部材を設置する工事で、基本的構造部分への加工が小さい工事。
B防犯化工事に関して、オートロック設備を設置する際に配線を空き管路内に通したり、建物の外周に敷設したりするなど共用部分の加工の程度が小さい工事、防犯カメラ・防犯灯の設置工事。
CIT化工事に関して、光ファイバー・ケーブルの敷設が既存のパイプスペースを利用するなど共用部分の形状に変更を加えることなく実施できる場合や、新たに光ファーバー・ケーブルを通すために、外壁・耐力壁等に工事を加え、その形状を変更するような場合でも、建物の躯体部分に相当程度の加工を要するものではなく、外観を見苦しくない状態に復元する工事。
D玄関ドア・サッシ工事に関して、窓枠、窓ガラス、玄関扉等の一斉交換工事。
E既に不要となったダストボックスや高置水槽等の撤去工事。 等
2)共用部分の変更工事で特別多数決議が必要になると考えられるケース
・「共用部分の形状の著しい変更」(法第17条@)とは、共用部分の外観、構造等を著しく変更する行為を言います。例えば、次のような工事が該当すると考えられます。
@既存住棟への集会室・管理事務室等の共用部分の増築、エレベーターの増築など既存建物の外観形状を大きく変化させる工事。
A戸境壁やスラブの一部を抜いて住戸をつなげる工事、一区画に専有部分に戸境壁を設けて区画するような工事、既存階段室をエレベーターに改造する工事など、壁・柱・スラブ等の建物の基本構造部を大規模にわたって加工する工事。 等
・一方、「共用部分の効用の著しい変更」(法第17条@)とは、共用部分の機能や用途を変更する工事を言います。不要となった機械室を廃止して集会所や共用倉庫、賃貸店舗に転用する場合などはこれに該当すると考えられます。
・なお、集会所等の附属施設についても第17条の規定が準用(法第21条)されます。集会所・コミュニティセンター等の既存の附属施設の建替え、増築、大規模な改造については、特別多数決議が必要になると考えられます。
3)敷地の利用の変更工事で特別多数決議が必要になると考えられるケース
・「敷地の利用の変更」とは、敷地を共有するマンション(団地)において、敷地表面の利用方法を変更する行為をいいます。共有敷地の利用の変更についても第17条の規定が準用(法第21条)されるため、その著しい変更行為は、特別多数決議を必要とします。
・「敷地の利用の変更」に当たるものとしては、例えば、敷地内の広場・公園を廃止し、それを駐車場、自転車置場等に変更するような場合が考えられます。
・また、団地において各区分所有者を棟別管理している場合、各建物の専有部分や共用部分の増築工事は一棟ごとに決議しますが、一方で、当該増築工事により団地の共有敷地の利用方法(状況)が変わることになることから、こうした場合、当該建物における決議に加え、団地管理組合の集会において「敷地の利用の変更」ついての特別多数決議が必要(法第66条で準用する第17条)になると考えられます。
4)区分所有者全員の同意が必要になると考えられるケース
・区分所有建物における専有部分と共用部分の所有関係に大きな変化を伴う工事については、区分所有者全員の合意が必要となる場合が考えられます。
・例えば、専有部分である空き店舗・空きオフィスを集会所・共用倉庫に改造する場合、当該専有部分を区分所有者全員により取得し、管理組合の規約共用部分とすることが一般に考えられます。このような場合は、民法の大原則に立ち戻って区分所有者全員の同意(民法第251条「共有物の変更」)が必要になると考えられます。
■改修工事に関する区分所有法上等の手続き例
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決議要件 |
工事の内容 |
該当すると考えられる工事の例 |
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区分所有者数(※)及び議決権の各半数の普通決議で実現できるもの |
形状又は効用の著しい変更を伴わない共用部分の変更工事 |
・建物の適切な維持・保全の観点から定期的に実施する必要のある計画修繕工事。 ・建物の基本的構造部分の加工の度合いが小さい、柱や梁への炭素繊維シートや鉄板を巻き付け等の耐震補強工事。 ・建物の基本的構造部分(壁・柱・スラブ等)の取り壊しを伴わない階段へのスロープ・手すりの設置。 ・防犯カメラ・防犯灯の設置、窓ガラス・玄関扉等の一斉交換工事。 ・既存のパイプスペースや空き管路を活用した、光ファイバー・ケーブルの敷設やオートロック設備の配線工事。 ・既に不要となったダストボックスや高置水槽等の撤去工事。 等 |
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区分所有者数(※)及び議決権の各4分の3以上の特別多数決議を必要とするもの |
形状又は効用の著しい変更を伴う共用部分の変更工事、又は敷地の利用の著しい変更工事 |
・既存住棟への集会所・倉庫、エレベーター等の共用部分の増築等により、既存建物の外観形状を大きく変化させる工事。 ・戸境壁やスラブの開口、既存階段室のエレベーターへの改造など、建物の基本構造部を大規模にわたって加工する工事。 ・集会所等の既存の附属施設の建替え、増築、大規模な改造工事。 ・敷地内の広場・公園を廃止し駐車場や駐輪場に変更するなど、敷地表面の利用を大きく変化させる工事。 等 |
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区分所有者全員の同意を必要とするもの |
共用部分の所有関係の変化を伴う工事 |
・空き店舗・空きオフィス等の専有部分を集会室等に変更する場合など、専有部分を共用部分化するにあたり、区分所有者全員による専有部分の取得を伴う工事。 等 |
※団地において各区分所有建物を棟別管理している場合は、各建物ごとに決議することから、当該区分所有建物の区分所有者数及び議決権と読み替えて下さい。また、団地の規約で全区分所有建物を団地管理組合の管理対象としている場合(法第68条)、団地管理組合の集会で決議することになることから、団地内の全区分所有建物の所有者(以下「団地建物所有者」といいます。)の数及び議決権と読み替えて下さい。
2.大規模な増改築等を伴う改良工事に関する区分所有法上等の手続き
以上のような基本的な考え方を踏まえ、第3章で示した大規模な増築・改造等を伴う改良工事についての区分所有法上等の手続きについて整理すると、次のようになると考えられます。なお、ここでは、一棟型マンションの場合と団地の場合とで、その手続きに注意を要するような工事について特記しています。
(1)居室の増築に関する手続き
・「居室の増築」は、区分所有権の対象となる専有部分の床面積を拡大する工事です。増築については区分所有法に規定がなく確立した考え方はありませんが、既往の実現事例や解釈に基づくと、一般的には、次のような手続きになると考えられます。
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一棟型マンションにおける手続き |
1.居室増築の実施に関する規約を整備する 1)増改築禁止事項の削除 ・マンションでは、区分所有者又は占有者が建物の保存に有害な行為その他建物の管理又は使用に関し区分所有者の共同の利益に反する行為をすることは禁止されており、一般的には、管理組合の規約又は使用細則に禁止事項が明記されています。共同の利益に反する行為には、不当毀損行為として、許可なしに外壁や戸境壁を改変する行為等が含まれ、規約や使用細則には増改築禁止条項が盛り込まれている場合が多いと考えられます。 ・こうした場合、居室の増築を行うことができるように、集会における区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数により規約を変更(法第31条@)しておく必要があります。 2)増築実施の単位の決定 ・規約を変更する際には、一棟の建物において、どの単位で居室の増築を行うことができるのかを定めておく必要があります。 ・各住戸単位で行う方法、階段室単位(階段室型住棟の場合)で行う方法、一棟単位(一棟の建物全体)で行う方法が考えられますが、美観上や構造上の問題、さらには隣接する住戸の居住環境への影響等の点から、既往の事例では、一棟単位で全住戸が増築を行っている場合が一般的です。 2.居室増築について合意する ・居室の増築行為は、既存建物の外壁形状や敷地の利用等を著しく変更する行為と考えられることから、共用部分の形状又は効用の著しい変更工事となります。 ・ただし、居室増築はもっぱら専有部分の床面積の拡大を目的として行われる工事であり、その費用は増築を行う各区分所有者が負担することが原則となります。また、居室増築を行う単位は一棟単位で全住戸が同時に行うことが一般的であると考えられます。 ・こうしたことから、居室増築は、実際上は区分所有者全員の同意により行われることとなると考えられます。 3.共用部分の共有持分を調整し規約を変更する ・建物共用部分の共有持分割合が専有部分の床面積によって定められている(法第14条)場合、居室増築により各専有部分(住戸)の床面積が増加したことによる共用部分の共有持分割合の扱い方についての検討が必要となります。次の二つの考え方があります。 @区分所有法は、共有持分の割合が専有部分の大きさによって決まることを原則としている(法第14条)ことから、専有部分の大きさが変わった分だけ、共有持分割合も変更するという方法が自然な考え方となりますが、この方法は区分所有者の全員合意を前提として、共有者相互での共有持分の売買やそれに伴う登記の変更が必要となるなど、手続きが煩雑となります。 Aこのため、より実務的な方法として、専有部分の大きさが変わっても、共有持分割合は変更しないという方法が考えられます。共用部分の共有持分割合は、専有部分の床面積によって定めることを原則としていますが、規約で特段の定めをすることは妨げられない(法第14条C)からです。区分所有者及び議決権の各4分の3以上の特別多数決議により規約を変更して行います。 ・なお、居室増築による専有部分の床面積の増加に伴い、共用部分の管理費・修繕積立金の額等を変更(値上げ)する場合には、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の特別多数決議により規約を変更(法第31条@)する必要があります。 |
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団地(敷地を全棟で共有する場合)における手続き |
棟別管理の場合 |
1.一棟ごとに居室増築について合意する ・敷地を全棟で共有し、各区分所有建物を棟別管理している団地では、居室の増築について一棟の建物ごとに合意を行うことになります。その手続きは一棟型マンションの場合と同様です。前記の「一棟型マンションにおける手続き」を参照して下さい。 2.団地管理組合において居室増築の承認決議を行う ・団地内の一部の建物の居室増築は、敷地の利用の変更に当たることから、団地管理組合の集会において団地建物所有者及び議決権の各4分の3以上の特別多数決議による承認(法第66条で準用する第17条@)を得る必要があると考えられます。 ・この場合、団地管理組合の集会で4分の3以上の多数の承認を得る必要上、団地全体の敷地の利用についての大まかな計画を示し、団地全体の余剰容積との関係からみて、他の建物においても増築の可能性があることを示すことが重要になると考えられます。 ・なお、敷地利用権が区分所有者の共有に属する場合の敷地の共有持分割合の定め方については、区分所有法には規定がありませんが、共用部分の持分割合と同様、各専有部分の床面積の割合によって定められているマンションが多いと考えられます。この場合、団地内の一部の建物の居室増築により、一部の建物の床面積が増加した後に、団地の敷地共有者全員の同意を前提として、敷地共有持分を再度、専有部分の床面積比になるよう調整(共有持分の売買やそれに伴う登記の変更)することは現実的に困難であると考えられます。このため、実務的には、共有持分の割合は変更せずに、増築をした住戸では、敷地の利用量が増えた分の対価として敷地利用料を支払うとすることで対応することが考えられ、実際の事例でもこうした方法を採っているケースが多いようです。 ・ただし、こうした考え方は、団地内の全建物について敷地利用の公平性が担保されることが前提になると考えられます。居室増築を行う建物が団地全体の余剰容積を先喰いしておらず、他の建物においても公平な居室増築を実施できる可能性があることを示すなどした上で、団地管理組合における承認を得ることが必要であると考えられます。 |
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全体管理の場合 |
・団地の規約で全区分所有建物を団地管理組合の管理対象としている場合(法第68条)、団地管理組合の集会で決議することになります。ただし、居室増築を全棟で一斉に行うということはあまり現実的ではなく、棟単位で行うことが一般的であると考えられます。 ・ある建物から居室増築の発意があった場合団地管理物である建物共用部分の形状又は効用の著しい変更(法第66条で準用する第17条@)として、団地管理組合の集会において、団地建物所有者数及び議決権の各4分の3以上の特別多数により決議することになると考えられます。また、居室増築を行った建物において、専有部分の床面積の増加に応じて共用部分の管理費・修繕積立金の額等を変更する場合には、特別多数決で団地管理規約を変更(法第66条で準用する第31条@)する必要があります。 ・なお、居室増築を行う建物において、居室増築に伴いバルコニーを専有部分化する場合には、共用関係の廃止により、当該建物の区分所有者全員の合意(民法251条)が必要になると考えられます。 |
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(2)住戸の2戸1戸化に関する手続き
・住戸(専有部分)の2戸1戸化は、戸境壁やスラブの一部を取り壊して住戸をつなげることにより、専用部分の床面積を拡大する工事です。その手続きは以下のようになると考えられます。
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一棟型マンションにおける手続き |
1.住戸の2戸1戸化に関して規約を整備する ・区分所有者又は占有者が建物の保存に有害な行為その他建物の管理又は使用に関し区分所有者の共同の利益に反する行為を行うことは禁止されており、一般的には、許可なしに戸境壁やスラブを改変することは、規約又は使用細則において禁止されています。 ・このため、集会における区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数により規約を変更(法第31条@)し、2戸1戸化を行う前提として戸境壁やスラブの一部を取り壊すことができるようにしておく必要があります。 2.住戸の2戸1戸化の実施を決議する ・2戸1戸化工事も居室増築の場合と同様、もっぱら専有部分の床面積の拡大を目的として行われる工事であることから、その工事費用は2戸1戸化工事を行う専有部分の区分所有者が負担することが前提になると考えられます。 ・住戸の2戸1戸化工事は、戸境壁やスラブの一部の開口を伴うことから、共用部分の形状又は効用の著しい変更(法第17条@)に当たります。建物内の一部の住戸のみが2戸1戸化を行う場合は、区分所有者数及び議決権の各4分の3以上の特別多数決による集会の決議を必要とすると考えられます。なお、全住戸で2戸1戸化工事を行う場合は、実務上、区分所有者全員の合意により行われることになると考えられます。 ・また、2戸1戸化を行った住戸について、専有部分の床面積の増加に応じた共用部分の管理費・修繕積立金の額等の変更を必要とする場合には、特別多数決議で規約を変更(法第31条@)する必要があります。 |
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団地(敷地を全棟で共有する場合)における手続き |
棟別管理の場合 |
・各区分所有建物を建物ごとに棟別管理している団地の場合、一棟の建物ごとに決議します。その手続きは一棟型のマンションと同様です。上記「一棟型マンションにおける手続き」を参照して下さい。 ・なお、住戸の2戸1戸化は、一棟の建物内において完結する工事であり、他の建物の利益に影響を及ぼすことはないと考えられるため、団地管理組合(敷地を共有する団地の場合)の承認を得る必要はなく、当該建物における決議のみで実施することができると考えられます。 |
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全体管理の場合 |
・団地の規約で全区分所有建物を団地管理組合の管理目的物としている場合(法第68条)、団地管理組合の集会において決議することになります。ある建物から2戸1戸化を行うことの発意があった場合、団地管理組合の集会において、団地管理物である建物共用部分の形状又は効用の著しい変更(法第66条で準用する第17条@)として、団地建物所有者数及び議決権の各4分の3以上の特別多数決で決議(承認)することになると考えられます。 ・また、住戸の2戸1戸化に伴い、当該建物の管理費や修繕積立金の額等を変更する場合には、団地管理組合の集会において、団地建物所有者数及び議決権の各4分の3以上の特別多数決議により団地管理規約を変更(第66条で準用する第31条@)する必要があります。 |
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(3)増築による共用スペースの整備に関する手続き
・増築による共用スペースの整備についての手続きは、一般的に次のようになると考えられます。
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一棟型マンションにおける手続き |
・建物内の共用スペースは、構造上の独立性と利用上の独立性を備えていれば本来は区分所有権の対象となり得ますが、区分所有者全員が共同で使用・利用することを目的とするものですから、規約共用部分(法第4条A)として扱われることになります。 ・共用部分の増築行為は、形状又は効用の著しい変更(法第17条@)に当たり、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の特別多数決議が必要になると考えられます。また、共用部分の増築に伴い、その管理費や修繕積立金の額等を変更する場合には、特別多数決議による規約の変更(法第31条@)が必要となります。 |
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団地(敷地を全棟で共有する場合)における手続き |
棟別管理の場合 |
1.各建物の共用スペース(棟共用部分)の増築の場合 1)一棟の建物ごとに決議する ・各区分所有建物を建物ごとに棟別管理している場合、各建物の区分所有者が専ら利用する共有スペースを増築する場合は、一棟の建物ごとに決議します。共用スペースの増築は、共用部分の形状又は効用の著しい変更に当たると考えられることから、当該建物の区分所有者数及び議決権の各4分の3以上の特別多数決議が必要になると考えられます。また、共用部分の管理費・修繕積立金の額等を変更する場合には、特別多数決議により当該建物の規約の変更(法第31条@)を必要とします。 2)団地管理組合の集会で承認決議をする ・敷地を共有している団地で、建物周りの空地を活用して共用スペースを増築する行為は、敷地の利用の変更(法第66条で準用する第17条@)に当たると考えられることから、団地管理組合の集会における特別多数決議による承認を必要とします。 2.団地共用スペース(団地共用部分)の増築の場合 ・団地内のある区分所有建物に増築される共用スペースが団地共用部分である場合は、各建物が棟別管理されている団地であっても、団地全体で決議する必要があります。 ・当該増築部分を団地規約部分として設定し、また、当該増築に伴い団地共用部分の管理費や修繕積立金の額等を変更する必要があることから、団地建物所有者及び議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議により団地管理規約を変更(法第66条で準用する第31条@)することになると考えられます。 ・なお、増築が行われる建物においては、当該建物の共用部分の形状又は効用に著しい変更(法第17条@)が加えられることになることから、当該建物の区分所有者の4分の3以上の決議が得られていることが必要になると考えられます。 |
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全体管理の場合 |
・団地の規約で全区分所有建物を団地管理組合の管理目的物としている場合(法第68条)、団地管理組合において決議することになります。 ・共用スペースの増築は、団地管理物である建物共用部分の形状又は効用の著しい変更(法第66条で準用する第17 条@)に当たると考えられることから、団地建物所有者及び議決権の各4分の3以上の特別多数決議が必要になると考えられます。また、当該増築に伴い団地共用部分の管理費や修繕積立金の額等を変更する場合には、特別多数決議により団地管理規約を変更(法第66条で準用する第31条@)する必要があります。 |
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(4)エレベーターの設置(増築)に関する手続き
・エレベーターは区分所有権の目的とはならない共用部分(区分所有法第4条)として扱われるため、エレベーターの設置は、共用部分の増築に当たります。その区分所有法上の手続きは次のようになると考えられます。
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一棟型マンションにおける手続き |
・外廊下型住棟や階段室型住棟へのエレベーターの設置(増築)は、共用部分の形状又は効用の著しい変更(法第17条@)に当たり、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の特別多数決議が必要になると考えられます。また、エレベーターの設置(増築)に伴い、共用部分の管理費や修繕積立金の額等を変更する場合には、特別多数決議により当該建物の規約の変更(法第31条@)を必要とします。 ・なお、階段室型住棟において一部の階段室のみにエレベーターを設置する場合は、当該階段室を利用する住戸の区分所有者の一部共有部分として扱うことも考えられますが、エレベーターの設置は、一棟の建物全体の美観に影響を及ぼし区分所有者全員の利害にかかわることでもあることから、全体共用部分の増築として扱うことが望ましいと考えられます。 |
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団地(敷地を全棟で共有する場合)における手続き |
棟別管理の場合 |
1)一棟ごとの決議 ・各建物を棟別管理している団地の場合は、一棟の建物ごとに決議します。その手続きは一棟型マンションの場合と同様です。上記の「一棟型マンションにおける手続き」を参照して下さい。 2)団地管理組合における承認決議 ・全建物で敷地を共有する団地において、既存建物に増築する形でエレベーターを設置する行為は、敷地の利用の変更(法第66条で準用する17条@)に相当し、団地管理組合の集会において、団地建物所有者及び議決権の各4分の3以上の特別多数決議による承認を得る必要があると考えられます。 |
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全体管理の場合 |
・団地の規約で全区分所有建物を団地管理組合の管理目的部としている場合(法第68条)、団地管理組合において決議します。 ・全ての建物にエレベーターを設置する場合には、団地管理組合の集会において、団地建物所有者数及び議決権の各4分の3以上の特別多数決により、団地管理物である建物共用部分の形状又は効用の著しい変更(法第66条で準用する17条@)について決議することになると考えられます。 ・また、エレベーターの設置に伴い、共用部分の管理費や修繕積立金の額等を変更する場合には、団地建物所有者数及び議決権の各4分の3以上の特別多数決議により団地管理規約の変更(法第66で準用する31条@)が必要となります。 ・一方、エレベーターの設置ニーズの大きい一部の建物のみに設置することも考えられますが、この場合は、団地管理物である建物共用部分の形状又は効用の著しい変更として、団地管理組合の集会における団地建物所有者数及び議決権の各4分の3以上の特別多数決議(法第66条で準用する17条@)が必要になると考えられます。また、当該増築に伴い団地共用部分の管理費や修繕積立金の額等を変更する場合には、特別多数決議により団地管理規約を変更(法第66条で準用する31条@)する必要があると考えられます。 |
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(5)商業・業務系専有部分床から住居への用途変更に関する手続き
・マンションの一部の商業・業務系の専有部分床を住居に用途変更する場合についての手続きは、一般的には次のようになると考えられます。
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一棟型マンションにおける手続き |
・マンション内の区分所有権の対象とされている商業・業務系の専有部分床を住居に用途変更するにあたって、建築工事を必要としない場合は、専有部分の利用目的を変更するだけの行為ですから、管理組合の特段の合意は必要がないと考えられます。ただし、規約で用途変更を禁止されている場合は、区分所有者数及び議決権の各4分の3以上の特別多数決議により規約を変更し、用途変更ができるようにしておく必要があります(法第31条@)。 ・一方、用途変更に伴い共用部分の工事を行う場合については、共用部分の形状又は効用の著しい変更を伴うか否かにより、普通決議で足りるか、4分の3以上の特別多数決議を必要とするかを判断する必要があります。 ・一般的に、採光基準に適合させるために外壁に開口部を設けるなどの建築工事を行い外観の著しい変更を伴う場合や、一つの階の専有部分が一体所有され商業・業務系の一区画として利用されていたものをいくつかの小さな住戸(専有部分)に分割する場合(新たに設けられる住戸間の戸界壁は全体共用部分として扱われることが一般的です。)等については、共用部分の形状又は効用の著しい変更に当たり、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の特別多数決議が必要となると考えられます(法第17条@)。 ・なお、区画の分割を行った住戸(専有部分)について、共用部分の管理費や修繕積立金の額等を変更する場合には、当該建物の管理規約を変更する必要があります(法第31条@)。 |
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団地(敷地を全棟で共有する場合)における手続き |
棟別管理の場合 |
・専有部分の用途変更は、専ら当該建物の利害に関する工事であることから、各区分所有建物を建物ごとに棟別管理している団地の場合は、団地管理組合における承認は必要がないと考えられます。 ・その手続きについては、一棟型マンションの場合と同じであり、「一棟型マンションにおける手続き」を参照して下さい。 |
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全体管理の場合 |
・団地の規約で全区分所有建物を団地管理組合の管理目的物としている場合(法第68条)で、商業・業務系の専有部分床から住宅への用途変更に際して、建築工事を必要としない場合は、専有部分の利用目的を変更するだけの行為ですから、(規約で用途変更を禁止されていない限り)管理組合における合意は特に必要がないと考えられます。 ・一方、用途変更に伴い、外壁の開口や戸境壁の設置による区画の分割等の共用部分の工事を行う場合については、団地管理物である建物共用部分の形状又は効用の著しい変更(法第66条で準用する第17条@)に当たり、団地管理組合の集会において団地建物所有者数及び議決権の各4分の3以上の特別多数決議が必要になると考えられます。 ・また、区画の分割を行った住戸(専有部分)について、共用部分の管理費や修繕積立金の額等を変更する場合には、特別多数決議により団地管理規約を変更(法第66条で準用する31条@)する必要があります。 |
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(6)専有部分床から共用スペース(規約共用部分)への用途変更に関する手続き
・マンションの一部の専有部分床(商業・業務系の空スペース等)を共用スペースに用途変更する場合についての手続きは次のようになると考えられます。
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一棟型マンションにおける手続き |
・マンション内の区分所有権の対象とされている専有部分床を共用スペース(倉庫、プレイルーム、集会室、宿泊施設、管理事務室等)に用途変更するにあたっては、当該専有部分を民法上の共有として全区分所有者が共有することも可能ですが、規約共用部分(法第4条A)とすることが実務的であると考えられます。 ・ただし、専有部分床を規約共用部分とするには、当該専有部分を区分所有者全員で共有していることが前提となりますので、区分所有者全員の合意により当該専有部分を取得し、各区分所有者の建物共用部分の共有持分の調整をする必要があります。 ・なお、規約共用部分の設定にあたっては、区分所有者及び議決権の各4分の3以上による集会の決議(法第31条@)が必要となります。また、規約共用部分化に伴う共用部分の共有持分割合の変更、共用部分の管理費や修繕積立金の額等の変更のためには、集会の特別多数決議による管理規約の変更(法第31@条)が必要になります。 |
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団地(敷地を全棟で共有する場合)における手続き |
棟別管理の場合 |
1.各建物の共用スペース(棟共用部分)に用途変更する場合 ・各区分所有建物を建物ごとに棟別管理している場合、専有部分床を各建物の区分所有者が専ら利用する共有スペースに用途変更する場合は、当該建物のみの利害に関する工事であると考えられることから、当該建物における手続きのみで足り、団地管理組合における決議(承認)は特に必要がないと考えられます。 ・その手続きについては、一棟型マンションの場合と同じであり、「一棟型マンションにおける手続き」を参照して下さい。 2.団地共用スペース(団地共用部分)に用途変更する場合 ・専有部分床を団地全体の共用スペースに用途変更する場合は、各建物が棟別管理されている団地であっても、団地全体での合意が必要となります。団地建物所有者全員の合意で当該専有部分床を共有し、共有持分の調整が必要となります。 ・また、規約共用部分の設定及びそれに伴う団地共用部分の共有持分割合、共用部分の管理費や修繕積立金の額等を変更する場合には、団地管理組合の集会における特別多数決議により団地管理規約を変更(法第66条で準用する第31条@)する必要があります。 ・また、専有部分床が団地共用部分に用途変更される建物においては、専有部分の床面積の減少と団地共用部分の発生に伴い、共有持分割合の調整が必要となるとともに、当該建物の管理規約の変更(第31条@)が必要になると考えられます。 |
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全体管理の場合 |
・団地の規約で全区分所有建物を団地管理組合の管理目的物としている場合は、団地建物所有者全員の合意により、当該専有部分を団地建物所有者全員で共有し、共有持分の調整を行う必要があります。 ・また、団地の規約共用部分の設定及びそれに伴う共有持分割合の変更、共用部分の管理費や修繕積立金の額等の変更のためには、団地管理組合の集会における特別多数決議による団地管理規約の変更(法第66条で準用する第31条@)が必要になります。 |
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