(7) ドア改修工事

修繕周期

・部材・損耗の程度により異なりますが、脱着塗装は10〜30 年、1〜2回目の大規模修繕工事時となります。鋼製扉の取替え工事は20〜45年、2〜3回目の大規模修繕工事時となります。

主要部位

・住戸ドア、ドア廻り、パイプスペースやメーターボックスの扉及び付属金物

工事概要

・住戸ドア(スチール製ドア・塩ビ鋼板製ドア)及びパイプスペース・メーターボックスの扉の塗装塗替え・取替え工事。

・丁番やドアチェック、新聞受箱・受口、牛乳受け、ドアスコープ、チェーンロック、ドアストッパー、気密(エアタイト)ゴム等の付属金物の取替えも行います。

・外壁修繕と同時に実施することが一般的です。ドア及び付属金物の取替え時には、性能のグレードアップを図ります。

改良工事の主な内容・工法等

 住戸ドアには、気密・断熱性や遮音性が求められます。また、近ごろでは耐震性、防犯性、バリアフリー性、美装性なども求められるようになってきています。ドア改修工事においては、取替え等により性能をグレードアップすることがポイントとなります。

1.住戸ドアの性能をグレードアップする

・高経年マンションの住戸ドアには、一枚の鋼板を折り曲げ加工したプレスドアで、錆止め塗装したものが多く使われてきました。

・錆止め塗装の鋼製ドアは計画的(4〜6年周期)に塗替えを行う必要がありますが、劣化が激しく取替えを行う際には、気密・断熱性や遮音性に優れ、デザイン性のあるフラッシュドアに取替えます。また、地震時に各住戸のスチール製玄関扉が開閉不能にならないよう、建物変形に追従する耐震ドアに取替えることも考えられます。

・鋼製の住戸ドアの取替え等による性能アップの方法としては、次のような方法があります。

@脱着塗装建具金物取替え工法

既存扉を枠から取り外し、付属金物を全て新品に取替える工法。扉、枠は水研ぎ、エアスプレー塗装しますが、工場で完全ケレンし焼付け塗装することが望まれます。他の方法に比べて最も低コストですが、扉の付属金具の性能向上に留まります。

A枠残し扉取替え工法

既存枠のみを残し、新規扉及び金具は新品に取替える工法。相対的に低コストで、扉・金物の性能は向上しますが、枠と建具の間の断熱・気密・遮音等の性能向上は望めません。

B差込み工法

扉・付属金物を全面撤去し、既存枠のみを残し、新規枠を被せて扉・金物を取替える工法。耐震・断熱・気密・遮音等の性能向上が期待できますが、開口寸法がやや狭まります。コストは中程度です。

C全面撤去工法

扉・付属金物を撤去し、枠も油圧特殊金具等で取り外し、全て取替える工法。耐震・断熱・気密・遮音等の全ての性能向上が期待できますが、高コストとなります。

D全撤去内法嵩上げ工法

高経年マンションの玄関扉の内法高さは1m80cm以下の低いものがあります。扉上、梁下に小壁がある場合は、この壁を除去して内法高さを高くした上で全て取替えることも可能です。コストは最も高くなります。

・また、塩ビ鋼板製ドアは、ドア枠のみ塗替えを行いますが、フィルム裏の鉄部が錆びると、剥がして錆止めし、貼り替えることが不可能になるため、表面を定期的に清掃し、傷や凹みなどは修繕する必要があります。塩ビ鋼板のフィルム裏の鉄板が錆びてきたら、ドア全体の取替え(前頁表の「全面撤去工法」による。)によりグレードアップを図る必要があります。


2.住戸ドアの付属金物等のグレードアップ及びピッキング対策を行う

・スチール製プレスドアをフラッシュドアに取替える際には、スチール製の丁番やドアチェック、新聞受箱・受口、牛乳受け、ドアスコープ、チェーンロック、ドアストッパー等の付属金物もステンレス製品に取替え、耐久性や美装性を高めます。

・また、住戸ドアの錠について、次のようなピッキング対策をする必要があります。

@住戸の玄関扉は破壊や施錠が困難なものとし、デッドボルド(かんぬき)が外部から見えない構造又はガードプレートを設置したものとします。1 枚の玄関扉に2 個の錠を取り付ける「1 ドア2 ロック方式」に改善することも効果的です。

A旧式の玄関扉の錠はピッキングされにくい錠に取替えます。錠シリンダーをCP−C錠((財)全国防犯協会連合会において、錠シリンダーの耐ピッキング性能と強度を審査し、型式認定するCP−C錠制度を施行しています。)等の破壊解錠が困難な構造のものとした上で、主錠の他に補助錠を設置します。また、扉の隙間を塞ぐため、ガードプレートを取り付けます。

Bサムターンまわし(玄関扉の新聞受口から工具や手を入れて、扉の内側の開錠装置であるサムターンをまわし、扉を開けて侵入する方法)による侵入を防止するためには、郵便受け口の内側に郵便受け箱をしっかり固定しておくことや、サムターンカバー(サムターンに外部から直接接触することができないようにサムターンを防護するためのカバー)を扉に取り付けます。

Cカム送り解錠(特殊な道具を用いて、直接錠ケース内部に働きかけてデットボルト(かんぬき)を作動させ解錠する方法)による侵入を防止するためには、リング状スペーサー等の錠シリンダーとドアの隙間を塞ぐ対策部品を取付けることが考えられます。

・その他、高齢化対策として、加齢に伴い握力が弱まりドアノブを回転させることが困難となることから、ドアノブをレバーハンドルに取替えます。


3.住戸ドア廻りをグレードアップする

・住戸ドアの取替えに併せて、住戸ドア廻りを全体的にグレードアップすることが考えられます。室名札をプラスティック製からステンレス製のものに取替えることや、住戸の玄関灯やインターホンをグレードアップすることが考えられます。

・また、高経年マンションでは住戸ドアに新聞受けや牛乳受けが付属しているものがありますが、ここから隙間風や騒音が侵入したり、腕を入れて鍵を開けられたりする危険性があります。このため、住戸ドアを取替える際には新聞受けを扉から外し、門灯、インターホン、室名札などと一体化した新聞受けホルダーに変更することも考えられます。


4.パイプスペース・メーターボックス扉をグレードアップする

・パイプスペース扉、メーターボックス扉等はスチール製のものが多く、通常鉄部塗装によりメンテナンスされていますが、枠廻りや丁番等の付属金物類の傷みが先に来ますので、ステンレス製のものに取替えます。また、扉本体を取替える時にも耐久性に優れたステンレス製のものに取替えます。

・パイプスペース扉は小さいほうが見栄えはよいですが、配管の修理や取り替え時に扉が小さければ囲いの壁まで壊さなければなりません。近ごろでは、壁ごと外せるパイプスペース扉が普及しており、こうしたものに取替えることが考えられます。

・パイプスペース内部の給排水管やガス管、電気幹線、TV共聴の同軸ケーブルなどを取替える際にパイプスペース扉も取替えることが望まれます。

概算コスト

・住戸ドア及び住戸ドア廻りの改良工事のコスト(戸当たり)は、概ね次のように想定されます。

項目

工事

工法・仕様等

コスト

住戸ドア

取替え等

@脱着水磨ぎ塗装(+ドアチェック・錠・ハンドル・郵便受口・エアタイトゴム等取替え)

5〜8万円/戸

A枠残し扉取替え工法

10〜12万円/戸

B差込み工法(カバー工法)

17〜20万円/戸

C全面撤去工法

20〜25万円/戸

D全撤去・内法嵩上げ工法

20〜30万円/戸

住戸室名札

取替え

ステンレス製

4〜6千円/戸

新聞受けホルダー等

取替え

門灯、インターホン・室名札・傘たて・新聞受けパネル等の一体化製品

3〜6万円/戸


(8) サッシ改修工事

修繕周期

・サッシの付属金物は20〜30 年程度、2回目の大規模修繕時に取替えます。

・サッシは30〜45 年程度、3回目の大規模修繕工事以降に取替えます。

主要部位

・サッシ、建具丁番、サッシ戸車、クレセント、ビード等のサッシ廻り

・共用廊下側の窓面格子、窓手すり、網戸、防犯雨戸、鎧戸等

工事概要

・サッシ及び建具丁番、サッシ戸車、クレセント、ビート等の付属金物の取替え工事。

・最初の大規模修繕時にはアルミ面の汚れ落し、磨き・クリーニングによる点蝕防止、2回目の大規模修繕時には損耗した付属金物の取替え、3回目の大規模修繕時ではサッシ全体の取替え等を行うことが一般的です。

・サッシ及び付属金物の取替え時には、性能のグレードアップを図ります。

・共用廊下側の窓面格子や窓手すり、網戸、防犯雨戸、鎧戸などはサッシ取替えと同時期に取替えます。

改良工事の主な内容・工法等

 高経年マンションでは、まだスチール製サッシや初期のアルミサッシ(見込60o)が使われている場合がありますが、近年、サッシの性能は気密性、遮音性の点で大幅に向上しています。サッシの取替え等により断熱性や遮音性のグレードアップを図ることや、バリアフリー性や防犯性を高めることがポイントとなります。また、付属金物も計画的に新品に取替えることが望まれます。
 なお、美観上の観点からサッシは各戸がバラバラに取付けることがないよう管理組合として計画的に取替えを行うことが望まれます。

1.サッシ框の取外しと付属金物の取替えを行う

・アルミサッシでは、戸車、クレセント、ビード等の付属金物の損耗が激しく、建付や気密性の面で不具合が生じていることがあります。付属金物の表面のアルミ皮膜の点検補修を行う一方で、必要に応じて取替えを行うことが望まれます。

・サッシの障子部分をサッシ枠から取り外し、框を外して戸車、クレセント、ビードを新品に取替えます。サッシ框を取り外したらアルミ表面の汚れを除去し、点蝕防止の研磨清掃材でクリーニングします。取替える際には既存サッシに合った金物の在庫を探す必要があります。

・この際、複層ガラスや真空ガラスに取替え、断熱性や遮音性を高めることも可能です。

2.サッシの取替え等により性能を高める

・下枠レールが損耗したらサッシ本体を取替える必要があります。

・近ごろでは、ガラス面の結露と熱損失を低減させる複層ガラスや断熱サッシ、遮音性に優れた防音サッシ等が普及しています。こうしたサッシに取替えることや、サッシの二重化等により性能のグレードアップを図ることが考えられます。

・サッシの性能をグレードアップする方法としては、次のような方法があります。

@外付け二重サッシ工法

・既存サッシの外側・抱え部に新規サッシを取付け、二重サッシ化する工法。比較的安いコストで可能です。

・外壁の外断熱工事を行う場合には、この外付け二重サッシ工法を採用することが、細部の納まり等の点から適していると考えられます。

A持出しかぶせ工法

・既存サッシの枠に新規枠を被せ、既存サッシは枠だけ残し撤去する工法。窓間口寸法が狭くなり、内法高さが低くなります。

Bサッシ撤去工法

・既存サッシを撤去し、同一位置に新規サッシを新設する工法。間口寸法は狭めずに取替えが可能で、断熱サッシ等に取替えし、サッシの性能を高めます。全面撤去のためコストは相対的に高くなります。

C内付け二重サッシ工法

・既存サッシの内側に内付きインナーサッシを新規に取付け、二重サッシ化する工法。比較的安いコストで可能ですが、内側サッシは専有物となるため、各戸発注により費用も各戸負担となるのが一般的です。外側の既存サッシを撤去する場合は管理組合の同意が必要となります。

・なお、上記@〜Bの工法については、共用部分の変更工事となるため、管理組合における承認が必要となります。工事にあたっても、各戸が個別にサッシを取替えると、建物の外観の統一感が無くなるため、全戸一斉に取替えを行うことが望まれます。一方、Cの内付け工法については、専有部分の工事であるため、各自での取り付けが可能です。

・また、Bサッシ撤去工法によりサッシを取替える場合には、バリアフリー化の観点からノンレール完全フラットサッシに取替えることや、防犯性を高めるために防犯サッシ(2枚以上のガラスの間に樹脂中間膜を挟み破壊しにくい構造としたもの)に取替えることも考えられます。

3.窓面格子・窓手すり・網戸の取替えと雨戸(鎧戸)の追加・増設

・共用廊下側の窓面格子、窓手すり、網戸、防犯雨戸、鎧戸等はサッシ取替え時に一緒に取替えることが望まれます。

・大地震時などの非常時には開放廊下の窓からも避難ができるように、共用廊下側の窓面格子を住戸内側から開けられるタイプの非常時脱出機能付き面格子とすることや、開閉型ルーバーガラリのものに取替えることが考えられます。

・サッシ付の網戸は、日常は各住戸での個別管理となりますが、サッシ取替え時にはサッシと一体で取替えることになります。

・既存サッシの外側に防犯と断熱を兼ねた雨戸(鎧戸)やルーバー型シャッターを取付けることも可能です。この場合、マンション全体の統一的な美観を保全するために、各戸がバラバラに取付けないようにし、管理組合が統一した仕様の製品を取付けることが望まれます。


4.住戸窓の防犯対策を行う

・住戸の窓で侵入が想定されるものは、錠付クレセントや補助錠を設置し、窓ガラスの材質を破壊が困難な構造のものとします。例えば、ガラス内面に防犯フィルムを貼ることや、サッシを防犯ガラスとすることなどが考えられます。

概算コスト

・ サッシの改良工事のコスト(単価又は戸当たり)は、概ね次のように想定されます。

項目

工事

工法・仕様等

コスト

サッシ及び付属金物(※1)

取替え等

脱着クリーニング框外し 付属建具金物取替

20〜25万円/戸

脱着クリーニング框外し(※2) 付属建具金物取替 複層ガラス、真空ガラスに取替え

35〜40万円/戸

@外付け二重サッシ工法(既存残し)(※3)

50〜70万円/戸

A持出しかぶせ工法(既存撤去)(※4)

60〜80万円/戸

B全面撤去工法(既存撤去)(※4)

80〜100万円/戸

C内付け二重サッシ(インナーサッシ)工法

20〜30万円/戸

非常・脱出面格子

取替え

既存撤去

4〜6万円/1ケ所

ルーバー型シャッター等

新設

防犯と断熱を兼ねた雨戸(鎧戸)やルーバー型シャッター

10〜15万円/1ケ所

(※1)サッシの改修工事費:1住戸当り、バルコニー側、掃出しサッシ:2枚、共用廊下・階段側、窓サッシ:1枚として積算

(※2)脱着クリーニング框外し工法」は1日の在宅で取外し修繕・復旧

(※3)外付け二重サッシ工法」は在宅不要

(※4)持出し被せ工法」「全面撤去工法」とも1日の在宅が必要


(9) 金物類改修工事

修繕周期

・部材・損耗の程度・使用頻度等により大きく異なりますが、2回目以降の大規模修繕時で、一般的に20〜40年程度で取替えます。

主要部位

・前記のドア・サッシの付属金物以外の金物類。バルコニー・開放廊下・階段等の手すり、窓面格子、集合郵便受け、掲示板、階段ノンスリップ、竪樋とその支持金物、スリーブ・換気口キャップ、排気ウェザーカバー、点検・避難ハッチ、タラップ、エキスパンションジョイント、物干金物、隣戸隔板、防風スクリーン等の金物類

工事概要

・損耗した金物類の取替え工事。金物類は通常、塗装されていますが、塗装によるメンテナンスにも限界があり、一定の時期に取替えが必要となります。対象部位・部品について、長年の使用により損耗・破損するものを計画的に取替えます。一斉に取替える場合と劣化部を順次取替える場合とがありますが、外壁工事等と同時期に行うのが一般的です。

・金物がコンクリート又はモルタル仕上げに接する劣化部の補修も同時に行います。劣化した金物付け根部の詰めモルタル等のハツリ・除去→錆粉等の清掃→コンクリートの被り厚さ不足部の金物撤去→防錆・防食→埋戻し・復元処理→シーリング充填の手順で行います。

改良工事の主な内容・工法等

 マンションには様々な部位に金物類が使用されています。既存の金物類の取替え工事においては、耐久性の向上、安全性、美装性・デザイン性、使用容易性等を高めることがポイントとなります。また、バリアフリー対策の観点からは、建物共用部分や敷地内に新たに手すりを設置することなども重要となります。

1.材質のグレードアップを図る

・スチール製の金物類については、防錆性・耐久性の向上を目的として、アルミ製又はステンレス製のものに取替えます。例えば、次のようなことが考えられます。

@バルコニー・開放廊下や窓、屋上等のスチール製の手すりやフェンス、面格子等を耐久性に優れたアルミ又はステンレス製に取替えます。

A合成樹脂製のスリーブ・換気口キャップ等は、防食性・耐久性のあるステンレス製に取替えます。この場合、風除けの深いタイプにより強風時の雨水の浸入を防ぐことや、防音タイプにより騒音を防ぐことにも配慮します。

B雨水竪樋の支持金物を塩化ビニル製から耐久性に優れたステンレス製に取替えます。

C階段ノンスリップはスチール製からステンレス製に取替えます。

D共用廊下床の鉄製のエキスパンションジョイントはアルミ合金製等のものに付け替えます。

Eスチール製の点検・避難ハッチは、ステンレス製のものに取替えます。

・主に美装性の向上を目的として、次のようなグレードアップすることが考えられます。

Fスチール製の集合郵便受けは、全戸鍵付きアルミ・ステンレス製の大型タイプのものに交換し、エントランスホールの美装性や防犯性を高めます。

G台所換気扇の排気口にはステンレス製フードを取り付けることにより、外壁の汚れを防止し、美装性を高めます。

・金物類はボルト・ナットで取付けられているものが多いため、スチール製の場合は全てステンレス製に取替えます。

2.使用の安全性・容易性を高めた製品に取替える

・避難ハッチを取替える際には、はしごの揺れや回転を防止する構造になっているものや半固定式のものなど、降りやすく安全なタイプのものに取替えます。


3.手すりを設置する

・高齢者や障害者が建物共用部分や敷地内をできるだけ障害なく安全に移動できるよう、共用廊下・階段、スロープ、段差部分、エレベーターホール壁面、集会所内等に手すりを取り付けます。設置する際は、耐久性に優れたステンレス製やアルミ製手すりで、表面を合成樹脂等でカバーされたものとすることが望まれます。

概算コスト

・主な金物類の取替えによる改良工事のコスト(単価)は、概ね次のように想定されます。

項目

工事

工法・仕様等

コスト

バルコニー・開放廊下手すり

取替

アルミ製・h=1.1m

2.5〜3.5万円/m

窓面格子

取替

アルミ製・2.0×0.9m

2.5〜3.5万円/1ケ所

バルコニー隣戸隔板

取替

アルミ製・0.8×1.8m

2.4〜3万円/1ケ所

集合郵便受け

取替

ステンレス製・鍵付

1.5〜2万円/戸

バルコニー避難ハッチ

取替

ステンレス製・ハシゴ共

12〜15万円/1ケ所

竪樋・支持金物

取替

硬質塩ビ管・75φ・塗装共
ステンレス支持金物

7千円/m

階段ノンスリップ

取替

ステンレス製・ビニル付・L=0.9m

2.5〜6千円/段

バルコニー物干金物

取替

アルミ製・天井吊型

1.5万円/組程度

新設

上記金物を天井にアンカー付

上記+1.2万円/組程度

換気口キャップ

取替

ステンレス製・100φ

5〜8千円/ケ所

外壁換気口・
クーラー用スリーブ

取替

コンクリートコア抜き・75φ
ステンレス製キャップ

1.5〜2万円/ケ所

外壁換気口・
クーラー用インサート

取替

天井取付け用インサート
ケミカルアンカー4本

1.2万円程度

換気扇排気口ウェザーカバー

取替

ステンレス製・300φ

2.5万円/ケ所程度

(10) 屋外鉄骨階段改修工事

修繕周期

・一般的には、24 年目頃に行われる2回目の大規模修繕時以降、随時改修工事を行います。

・取替え(全面撤去及び新設)は3回目以降の大規模修繕時となります。

主要部位

・屋外鉄骨階段

工事概要

・屋外鉄骨階段の手すり、踏板・踊り場の縞鋼板(チェッカープレート)等の錆・腐食箇所の改修(修繕・改良)工事及び階段全体の全面取替え工事。

・一般的には、ケレンによる塗装塗替えに加え、踏板の腐食劣化による穴あきの部分補修や消音シートの張付け、踏板の防水工事等を行います。塗装塗替えの際のケレンは、1 回目の大規模修繕時に旧塗膜及び錆を除去し(鉄肌を表し、活膜は残す)、2回目には旧塗膜及び錆を全面に除去することが望まれます。

・屋外鉄骨階段の全面取替え通常、3回目の大規模修繕時以降となります。

改良工事の主な内容・工法等

 屋外鉄骨階段の改良工事においては、踏板部分の防錆・防水工事や通行時の消音工事がポイントとなります。また、劣化損傷が著しく進行したものについては、階段全体の取替え(全面撤去及び新設)を行います。

1.縞鋼板製の踏板の腐食劣化対策と防水・排水対策を行う

・踊り場や踏板部分に縞鋼板(チェッカープレート)が使用されている屋外鉄骨階段では、腐食劣化対策と防水・排水対策を適切に行う必要があります。

@踊り場の縞鋼板の凹部には、雨水がたまりやすく、発錆を早めることにもなるため、軟化材を使用したケレンにより錆を計画的かつ十分に除去し、腐食劣化して穴の開いた踏板は鉄板を溶接して穴をふさぎます。腐食の著しい踏板(段板)や踊場の縞鋼板は取替えます。鉄板床面は重防食圧膜塗装や、ウレタン樹脂防水材でコーティング(塗膜防水)します。

A踏板部分の防水対策として、階段の縞鋼板の踏板にポリマーセメントモルタル詰めを行い、その上にウレタン樹脂防水材でコーティング(塗膜防水)することが考えられます。これにより、防錆処理の周期を延伸させることや歩行時の減音効果を期待することができます。また、仕上げ材に塩ビシートを用いて耐久性やクッション性を高めることも考えられます。

2.歩行時の消音対策及び安全性を確保する

・鉄骨階段で歩行時の音が問題となる場合、階段床部分に消音シート(消音用強化特殊ゴム)を張ります。また、踏板部分の防水対策に併せて、歩行の安全性を確保するために、ステンレス製のノンスリップを取り付けます。


3.雨水・排水の処理をする

・床面に厚塗り防錆塗装、塗膜防水をする場合や消音シートを張る場合は、鉄骨階段の段板の片側に排水溝を設けて樋を通すなど、雨水・排水処理を適切に行います。


4.避難階段の保全・補強を行う

・中高層マンションでは、外気に面する屋外鉄骨階段が避難上有効であるとして積極的に用いられており、災害時の主な避難経路となります。建物や開放廊下の外側に突き出して設置されている鉄骨階段では、大きな地震時に、建物本体との接合部分のアンカーが振り切られて外れてしまい、鉄骨階段全体が倒壊した事例があります。このため、次のような点に配慮し、鉄骨階段と建物本体との接合部分の補強をしておく必要があります。

@屋外階段は建物本体と緊結し、地震時に一体に揺れるような取合いをする。

A屋外階段と建物本体とのアンカー接合部分は、余裕をもった設計とし工事の精度を高める。

B階段室内部は避難を第一とし、落下の危険性のある仕上げは避ける。


5.鉄骨階段の取替えを行う

・一方、劣化損傷が著しく進行したものについては、階段全体の取替え(全面撤去及び新設)を行います。

・新しい階段の鋼材は、溶融亜鉛メッキ処理又はコルテン鋼(プレパレン処理)とし、階段床や踊り場部分には、軽量で耐久性・耐火性・耐塩製・美装製等に優れたGRC(ガラス繊維補強コンクリート)を使用することが考えられます。

概算コスト

・屋外鉄骨階段の改良・取替え工事のコスト(単価)は、概ね次のように想定されます。

項目

工事

工法・仕様等

コスト

屋外鉄骨階段

改良

全面ケレン重防食塗層、消音シート張り(モデル2:10 階・50 戸)

150〜200万円/基

取替え

鋼材は溶融亜鉛メッキ処理
階段床及び踊り場部分にはGRCを使用(モデル2:10 階・50 戸)

1,000〜1,500万円/基


(11) 内壁・内装改修工事

修繕周期

・12〜18 年周期。

主要部位

・建物の内部階段・内部廊下、管理事務室、集会室等の壁面、床面・天井面

工事概要

・建物の内部階段・内部廊下、管理事務室、集会室等の共用部分の床、壁、天井の劣化・損傷箇所の修繕・改修工事。

・建物全体の耐久性を高めるためには内壁躯体の修繕工事を推進することが重要となります。鉄筋露出部、ジャンカ欠損部等があれば修繕し、ひび割れ部分にはエポキシ樹脂を低圧注入しポリマーセメントモルタルを全面に被せる等の修繕工事を行います。

・塗装の塗替え工事や、内装の美装を目的とした塗替え・内装材の取替え工事も行います。

改良工事の主な内容・工法等

 共用部分の内壁・内装の改良工事においては、躯体保護により耐久性を高めることと、美装性や健康性の向上を図ることがポイントとなります。

1.内壁コンクリートの中性化抑止を行う

・建物全体の耐久性を高めるためには、外壁躯体のみならず、内壁躯体についても改修工事を行うことが望まれます。内壁コンクリートも中性化が進行することがあるため、中性化抑止を目的とした改修を行うことが今後の重要な課題となります。

・例えば、内装仕上げ材や下地材を全面撤去し、内壁の躯体面を露わにし、腐食した鉄筋のまわりのコンクリートをハツリ、躯体表面に浸透性中性化抑止剤を塗布・含浸させる方法があります。中性化抑止効果の高い仕上げ材との併用により、内壁躯体の耐久性を向上させることが期待できます。


2.共用部分の内装仕上げ材のグレードアップにより美装性を高める

・内壁仕上げ材や内装の取替えにあたっては、主に美装性の観点から、建物内部の階段・廊下、管理事務室、集会室等の共用部分の床・壁・天井等の仕上げ塗料、仕上げ材をグレードアップします。

・また、防滑性や防汚性に優れている磁器タイル張りにすることも考えられます。

3.内装仕上げ材等の健康安全性を高める

・住宅建材等に含まれる化学物質が空気中に発散して居住者の健康に害を及ぼすシックハウスが問題となっており、その主な要因であるホルムアルデヒドの発散の程度によって、建築材料の等級区分がなされています。ホルムアルデヒドの発散量が最も少ない「F☆☆☆☆」で示される規格の建材を使用することが望まれます。また、住宅等の居室では、一定の換気回数を確保できる有効換気量を有する換気設備の設置が原則として義務づけられています。

概算コスト

・内壁・内装の改良工事のコスト(単価)は、概ね次のように想定されます。

項目

工事

工法・仕様等

コスト

内部階段室内装

塗替え等

床・壁・天井

35〜40万円/層

内部廊下内装

塗替え等

床・壁・天井、幅=1.5m

25〜40万円/10m

管理事務室内装

塗替え等

床・壁・天井、床面積=10u

20〜30万円/室

集会室内装

塗替え等

床・壁・天井、床面積=60u

150〜200万円/室



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