中高層共同住宅使用細則モデル
駐車場使用細則


 (趣旨)

第1条 この細則は、○○マンション管理規約(以下「規約」という。)第18条(使用細則)の規定に基づき、規約第15条(駐車場の使用)に規定する駐車場の管理又は使用に関し、必要な事項を定めるものとする。

 (定義)

第2条 この細則において、次に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

一 管理組合 規約第6条(管理組合)第1項に規定する○○マンション管理組合をいう。

二 駐車場使用契約 規約第15条(駐車場の使用)第1項に規定する駐車場使用契約をいう。

三 管理費等 規約第24条(管理費等)に規定する管理費等をいう。

四 使用料 規約第28条(使用料)に規定する駐車場使用料その他敷地及び共用部分等に係る使用料をいう。

五 理事長 規約第33条(役員)に規定する理事長をいう。

六 総会 規約第40条(総会)に規定する総会をいう。

七 理事会 規約第49条(理事会)に規定する理事会をいう。

八 駐車場使用者 管理組合と駐車場使用契約を締結して駐車場を使用する区分所有者をいう。

 (使用の申込み)

第3条 駐車場使用契約の申込みは、別記様式第1による書面以下「契約申込書」という。を理事長に提出してしなければならない。ただし、区分所有権を有しない者は申込みをすることができない。

2 区分所有者は、2以上の駐車場使用契約の申込みをすることができない。一の専有部分につき2以上の区分所有者が存在する場合であっても、同様とする。

3 次の各号の一に該当する場合には、区分所有者は、駐車場使用契約の申込みをすることができない。

一 管理費等、使用料、その他の管理組合へ納入すべき費用の納入を○月以上滞納しているとき。

二 所有する専有部分を他の区分所有者又は第三者に貸与しているとき。

三 管理組合と駐車場使用契約を既に締結しているとき。

 (契約申込受付台帳への登録)

第4条 理事長は、契約申込書を受理したときは、契約申込受付台帳に登録するものとする。

2 前項の登録の順位は、契約申込書の受理の前後による。

3 登録を受けた区分所有者が、前条第3項各号の一に該当するに至ったとき又は該当することが判明したときは、理事長は、その登録を消除することができる。登録を受けた区分所有者が、その所有する専有部分を他の区分所有者又は第三者に譲渡したときも、同様とする。

 (契約者の決定等)

第5条 理事長は、契約申込受付台帳の登録順に駐車場使用契約を締結しようとする区分所有者(以下「契約予定者」という。)を決定する。駐車場使用契約の解除又は解約により駐車場使用契約が終了する場合において、その駐車場について新たに契約予定者を決定するときも、同様とする。

2 前項の規定により契約予定者を決定したときは、その者の契約申込受付台帳の登録を消除する。

 (駐車場使用契約の締結)

第6条 理事長は、前条第1項の規定に基づき契約予定者を決定したときは、遅滞なく、別記様式第2による書面(以下「駐車場使用契約書」という。)でその契約予定者と駐車場使用契約を締結するものとする。

2 理事長が契約予定者に対し、駐車場使用契約を締結すべき旨を通知したにもかかわらず、この通知から○日以内に駐車場使用契約書による駐車場使用契約を締結しないときは、その者に係る前条第1項の決定を取消すことができる。

 (契約期間)

第7条 駐車場使用契約の契約期間は、○年間とする。

 (駐車区画の指定)

第8条 駐車場使用者が使用する駐車場は、駐車場使用契約書に区画の番号を記載することによりその位置を特定する。

2 前項の区画の配置については、規約第15条(駐車場の使用)第1項において規定する別添の図に示すものとする。

3 駐車場使用者は、使用する駐車場の位置の変更を求めることができない。

 (契約自動車)

第9条 駐車場に駐車する自動車は、前条第1項の規定により特定された駐車場にその全体を収容することができるものでなければならない。

2 駐車場使用者は、駐車場に駐車する自動車を駐車場使用契約書に記載して特定しなければならない。ただし、駐車場使用契約を締結すべきときに駐車場に駐車する自動車を保有せずこの特定ができない場合には、駐車場使用者がこれを保有した後、すみやかに次項に規定する書面で届け出ることにより、この記載に代えることができる。

3 駐車場使用者は、駐車場に駐車する自動車を変更したときは、すみやかに理事長に別記様式第3による書面で届け出なければならない。

 (駐車場使用料の納入等)

第10条 規約第15条(駐車場の使用)第2項の駐車場使用料は、規約第57条(管理費等の徴収)第1項の規定により、駐車場使用者が当月分を前月の○日までに一括して納入しなければならない。

2 前項の駐車場使用料は月額○円とし、一月に満たない期間の駐車場使用料は、一月を30日として日割計算(10円未満の端数は切捨て)した額とする。

3 前項の規定にかかわらず、駐車場使用料の額、賦課徴収方法その他の駐車場の管理又は使用に関する事項(これらの変更に関する事項を含む。)について総会の決議があったときは、駐車場使用者は、これに従わなければならない。

 (契約の解除等)

第11条 理事長は、駐車場使用者が管理費等、使用料その他の管理組合へ納入すべき費用の納入をしない場合において、その支払いの催告にもかかわらず第3条第3項第一号に該当することとなったときは、直ちに駐車場使用契約を解除することができる。

2 駐車場使用者が規約第15条(駐車場の使用)第3項に規定する譲渡又は貸与をしたときは、その譲渡又は貸与があった時に駐車場使用契約は効力を失う。

3 前二項に規定するほか、駐車場使用者が法令、規約、この細則又は駐車場使用契約書の規定に違反した場合において、その是正及び原状回復の請求に応じないときは、理事長は、理事会の決議を経て駐車場使用契約を解除することができる。

 (駐車場使用者からの解約等)

第12条 駐車場使用者は、管理組合に対して1月前までに別記様式第4による書面をもって解約の申入れを行うことにより、駐車場使用契約を解約することができる。

2 前項の書面による駐車場使用契約の解約の申入れから前条第2項の譲渡又は貸与までの期間が1月未満であるときは、管理組合は、解約申入れの日から1月分の駐車場使用料(駐車場使用契約の失効後の駐車場使用料相当額を含む。)をその者から徴収することができる。ただし、駐車場使用者がその譲渡又は貸与をするまでの間に前項の書面による解約の申入れをしないときは、管理組合は、その譲渡又は貸与があったことを知った日からなお1月を経過する日までの駐車場使用料相当額を徴収することができる。

 (禁止事項)

第13条 駐車場使用者は、駐車場に工作物を設置し、又はガソリン、オイル、バッテリー、タイヤその他の物品を放置してはならない。

2 駐車場使用者は、契約自動車以外の自動車を駐車し、又は第三者にこの駐車場を使用させ、若しくは駐車場の使用権を譲渡することができない。

 (明渡し等)

第14条 駐車場使用者は、駐車場使用契約が終了する日までに(第11条の規定に基づき契約の解除等がなされた場合にあっては、直ちに)、駐車場を明け渡さなければならない。

2 駐車場使用者が前条及び前項の義務を履行しない場合において、本項から第5項までに規定する措置以外の方法によってその履行を確保することが困難であり、かつ、その不履行を放置することによって区分所有者の共同の利益を著しく害することが明らかであるときは、管理組合は、自ら自動車及び残置物の移動その他の必要な措置を講じ、又は第三者をしてこれを講じさせ、その費用を当該駐車場使用者又は前項の義務を履行しない者(以下この条において「義務者」という。から徴収することができる。

3 前項の規定による措置をするには、相当の履行期限を定め、その期限までに履行がなされないときは、当該措置をなすべき旨を示して、あらかじめ義務者に通知を発しなければならない。

4 義務者が前項の期限までにその義務を履行しないときは、理事長は、総会の決議を経て、当該措置をする時期及び当該措置に要する費用の概算による見積額を示して、義務者に通知を発するものとする。

5 規約第41条(招集手続)第2項及び第3項の規定は、前二項の通知に準用する。

 (自動車保管場所使用承諾証明書)

第15条 理事長は、駐車場使用者が自動車の保管場所の確保等に関する法律施行規則第1条第1項第一号に規定する書面により、駐車場をその保有する自動車の保管場所として使用することを管理組合が承諾した旨の証明を求めたときは、遅滞なく、その証明を行うものとする。

 (事務の委託)

第16条 理事長は、この細則に定める事務の全部又は一部を、第三者に委託することができる。

 (細則外事項)

第17条 この細則に定めのない事項については、規約又は他の使用細則の定めるところによる。

 (細則の改廃)

第18条 この細則の変更又は廃止は、総会の決議を経なければならない。ただし、この細則の変更が規約の変更を必要とする事項であるときは、規約の変更を経なければ、することができない。

 (細則原本)

第19条 この細則を証するため、理事長及び理事長の指名する2名の区分所有者が記名押印した細則を1通作成し、これを細則原本とする。

2 細則原本は、理事長が保管し、区分所有者又は利害関係人の書面による請求があったときは、これを閲覧させなければならない。この場合において、閲覧につき、相当の日時、場所等を指定することができる。

3 理事長は、所定の掲示場所に、細則原本の保管場所を掲示しなければならない。


    附 則

 (細則の発効)

第1条 この細則は、平成○年○月○日から効力を発する。

 (経過措置)

第2条 規約附則第5条(経過措置)に規定する区分所有者と○○会社との間で締結した駐車場使用契約に関する書面は、第6条第1項の規定により締結した駐車場使用契約書とみなす。




 別記様式第1 契約申込書(第3条第1項関係)



駐 車 場 使 用 契 約 申 込 書


平成  年  月  日 

 ○○マンション管理組合

 理事長 ○○○○ 殿



私は、〇〇〇〇マンション駐車場使用細則第3条第1項の規定に基づき、この申込書により、次のとおり駐車場使用契約の申込みをします。

申込者(区分所有者)氏名               印 


一、 住戸番号     号室


二、 駐車する自動車の用途
                                    





 別記様式第2 駐車場使用契約書(第6条第1項関係)



駐 車 場 使 用 契 約 書


 (契約の締結)

第1条 ○○マンション管理組合(以下「甲」という。)と○○マンション     号室区分所有者         (以下「乙」という。)とは、○○マンション管理規約(以下「規約」という。)第15条第1項及び駐車場使用細則(以下「細則」という。)第6条第1項の規定に基づき、○○マンションの駐車場(以下「駐車場」という。)に乙の保有する自動車を駐車するため、以下の条項により駐車場使用契約を締結した。

 (駐車場の区画番号)

第2条 乙が使用する駐車場については、次の表に定めるとおりとする。

駐車場の表示(区画の番号)

第       番

 (駐車する自動車)

第3条 乙が駐車場に駐車する自動車(以下「契約自動車」という。)は、次の表に記載するものに限る。ただし、細則第9条第2項ただし書に規定する場合には、同項に定める届出により、この表の記載に代えることができる。

 一  車名

  

 二  排気量

  CC  

 三  自動車登録番号

  

 四  自動車の用途

  

2 乙は、細則第9条第3項に規定する書面で届け出ることにより、契約自動車を変更することができる。

 (契約期間)

第4条 契約期間は、平成      日から平成      日までとする。ただし、乙が規約第15条第3項に規定する譲渡又は貸与をしたときは、その譲渡又は貸与があった時にこの契約は効力を失う。

 (駐車場使用料)

第5条 乙は、細則第10条に定める駐車場使用料を同条に定めるところにより甲に支払わなければならない。

2 前項の規定にかかわらず、駐車場使用料の額、支払方法その他の駐車場の管理又は使用に関する事項(これらの変更に関する事項を含む。)について総会の決議があったときは、駐車場使用者は、これに従わなければならない。

 (保管等の責任)

第6条 駐車場における契約自動車の保管等については、乙の責任において行わなければならない。

 (事故解決等の責任)

第7条 ○○マンションの敷地内において、契約自動車の運行によって事故及び紛争が発生したときは、乙は、誠実にその解決又は処理に当らなければならない。

 (契約に定めなき事項)

第8条 この契約の解約、解除、駐車場使用料の納入その他この契約書に定めのない事項については、規約又は細則の定めるところによる。


 甲と乙は、以上のとおり駐車場使用契約を締結したことを証するため、この契約書2通を作成し、記名押印の上、各自その1通を保有する。

平成  年  月  日 


甲 ○○マンション管理組合

    理事長  ○○○○   印


乙 ○○マンション      号室

   区分所有者氏名             印






 別記様式第3 契約自動車変更等届(第9条第3項関係)



契 約 自 動 車 変 更 等 届


平成  年  月  日 

 ○○マンション管理組合

 理事長 ○○○○ 殿



私は、○○マンションの駐車場使用契約を締結して使用中のところ、駐車する自動車を変更(又は新たに保有)したので、駐車場使用細則(以下「細則」という。)第9条第3項及び駐車場使用契約書第3条第2項の規定(又は第9条第2項ただし書及び駐車場使用契約書第3条第1項ただし書の規定)に基づき、この書面により、次のとおり届け出ます。

届出者(駐車場使用者)氏名               印 


駐車場の表示(区画の番号)

第       番


 変更(又は新たに保有)後の自動車

一 車名

  

二 排気量

  CC  

三 自動車登録番号

  

四 自動車の用途

  






 別記様式第4 解約申入書(第12条第1項関係)



解  約  申  入  書


平成  年  月  日 

 ○○マンション管理組合

 理事長 ○○○○ 殿



私は、○○マンションの駐車場使用契約を締結し使用中のところ、この駐車場使用契約を解約したいので、駐車場使用細則第12条に基づき、この申入書により、次のとおり解約の申入れをします。

申入者氏名               印 


駐車場の表示(区画の番号)

第       番


解  約  日

平成         


※解約の申入れは、解約日の1月前までにしなければなりません。





〇〇〇〇マンション駐車場使用細則コメント


 全般関係

(1)この使用細則モデルは、中高層共同住宅標準管理規約(単棟型)(以下「標準規約」という。)に基づいて細則を定める場合の参考指針として作成したものである。したがって、対象となるマンションの分譲形態、専有部分の用途、規模等は、標準規約において想定するものと同等とする。

(2)この使用細則の対象となる物件の範囲は標準規約の別表第1に記載された敷地、建物及び附属施設と、共用部分の範囲については標準規約の別表第2に記載されたものと同等とする。

(3)この使用細則に規定している事項の取扱いに関しては、マンションの所在地の状況等の個別の事情を考慮して、合理的な範囲内において、その内容に多少の変化をもたせることも差し支えない。この場合には、そのマンションの管理規約固有の規定等を考慮して、これと抵触し、又は齟齬の生じることのないよう慎重を期する必要がある。

(4)この使用細則は、標準規約コメント第15条関係に規定しているように「マンションの住戸の数に比べて駐車場の収容台数が不足しており、駐車場の利用希望者(空き待ち)が多いという一般的状況を前提」としており、また、駐車場の形態については、マンションの敷地の一部を区画して駐車場として使用する、いわゆる平場の駐車場であることを前提としている。

 第3条関係

 標準規約第15条の規定により、駐車場を使用することができるのは駐車場使用契約を締結した区分所有者であって、利用希望者(空き待ち)も多い状況にあることを前提としているから、申込みにも一定の資格制限を付すこととした。

 第4条関係

 契約申込受付台帳は、受理した契約申込書を順に綴ってこれを台帳として管理することも、別に台帳を作成して必要事項を転記して管理することのいずれの方法でも差し支えない。なお、登録を消除するときは、消除したことが後から判明するようにしておく必要がある。

 第6条関係

 標準規約コメント第15条関係に規定する「駐車場使用契約書」の様式については、別記様式第2で規定した。

 第7条関係

 標準規約コメント第15条関係に規定する「2回目以降の駐車場使用者の選定」については、契約終了時に申込順に入れ替えることを前提とした。なお、契約終了時に抽選で入れ替えることや、すべての契約の終期を揃えることにより一定の時期ごとに抽選し直して総入替えする抽選制とすることも構わない。ただし、抽選制とする場合には、抽選の時期や方法等に関する規定をおく等、円滑に手続きが行われるようにしておく必要がある。

 第10条関係

 契約終了時の入替制による契約者の交代に対応するため、一月に満たない期間の駐車場使用料の算出方法に関する規定を置いた。

 第11条関係

 標準規約コメント第15条関係に規定する「管理費、特別修繕費の滞納等の規約違反の場合は、契約を解除できるか又は次回の選定時の参加資格をはく奪することができる旨の規定」の考慮に関しては、支払うべき費用の滞納が一定期間以上に及んだ場合に、催告の上で駐車場使用契約の解除が可能となるよう規定した。従って、第3条第一号の滞納期間も相当の期間で定めておく必要がある。

 第12条関係

 駐車場使用料は月額で納入することにあわせて駐車場使用者からの解約についても、1月前までに申入れすべきこととした。なお、解約申入れ期間が1月に満たない場合や、駐車場使用者が使用資格を喪失して契約が失効した場合においても、1月分の駐車場使用料は徴収することができることとした。

 第14条関係

 標準規約第63条第3項に規定する「不法行為の差止め、排除、若しくは原状回復のための必要な措置又は費用償還若しくは損害賠償の請求」に関する措置について、その具体的な方法等を規定した。なお、この規定に基づく措置の安易な適用が、一般的には違法とされる自力救済に該当する場合があることに注意する必要がある。したがって、やむなくこの措置を講じざるを得ない事情にある場合であっても、この規定の適用については、事案ごとの慎重な検討と総会での審議を尽す必要があり、違法性の阻却について十分に留意し、細心の注意を払わなければならない。なお、緊急性や急迫の危険があるものについて、緊急避難などの法理に従って対応することを禁止する趣旨ではない。

 第18条関係

 標準規約第45条及び第46条の規定により、使用細則の制定又は変更は、総会において議決権の過半数で決する。ところが、この細則の変更によって管理規約の規定と抵触することとなる場合や、管理規約に規定すべき「建物又はその敷地若しくは附属施設の管理又は使用」についての基本的事項を定めようとするときは、同第45条第3項の規定により組合員総数及び議決権の各4分の3以上の多数による総会の決議が必要となるから、このことを確認的に規定した。

 第19条関係

  使用細則の原本の作成、保管等については、総会議事録に準ずる方法よるべきことを規定した。なお、標準規約第63条に規定する管理規約の原本と異なり、記名押印する者を区分所有者全員とはしないこととしたものだが、これは、分譲当初などに総会を開催しないで使用細則を制定するための「区分所有者全員の合意」という要件を緩和するものではなく、原本としての作成要件を総会議事録に準じたに過ぎないことに注意を要する。