管理費収入の確認点


1.「各戸の管理費徴収月額の合計×12カ月」と、決算書の金額が一致しているか?


 築1年目において、未販売住戸が存在した場合は販売業者がその管理費を負担します。
 しかし、ごく稀にですが、この負担を逃れようと「年間を通じ管理委託費等の支出が管理費収入を超過することとなった場合の不足分のみ負担する。」「新築初年度は負担しない。」「半年間分は負担しない。」などと管理規約に入れている販売業者があります(平成11年度の調査では、1.8%の販売業者が入れていた。)が、分譲マンションの管理費は、全戸から徴収することが前提ですから、このような場合でも支払っていただくように交渉しましょう。
 平成3年の東京地裁で「分譲業者であっても、未分譲住戸の区分所有権を有する以上、当然共有部分の管理費等を支払う義務を負う。」との判決もあります。
 ちょっと問題なのは、マンション購入契約時の重要事項説明において「年間を通じ管理委託費等の支出が管理費収入を超過することとなった場合の不足分のみ負担する。」「新築初年度は負担しない。」「半年間分は負担しない。」などと明記・説明され、これを認めて購入を決めている場合ですが、この場合でもマンション問題に詳しい弁護士等に相談しながら、諦めないで支払っていただくように交渉して下さい。


 たとえ滞納される方が発生しても、この勘定科目ではその影響を受けませんので、管理費収入金額の確認は容易です。
 滞納分は、貸借対照表に「未収金」として表示されます。
 毎月の管理費負担額に変更がなければ、毎年決まった金額となりますので、年度毎の比較表を作成していれば、決算書の金額は容易に確認できます。


管理費会計の貸借対照表例

資産の部
項   目 金   額
   
未収金  
 管理費 0
 駐車場使用料 0
 専用庭使用料 0
   

滞納金については、貸借対照表
のここで表示されます。



2.「管理費収入」額と、「当期支出合計」額を比較して下さい。


 本来、「管理費収入」は、共用部分の日常的な管理を行うために集められる費用ですから、日常的な支出である「当期支出合計」と比較して下さい。

 『駐車場使用料その他の敷地及び共用部分等に係る使用料(以下「使用料」という。)は、それらの管理に要する費用に充てるほか、修繕積立金として積み立てる。』(国土交通省が定める「マンション標準管理規約 第29条」)
 つまり、駐車場使用料その他の敷地及び共用部分等に係る使用料は修繕積立金とするのですから、「管理費収入」=「管理費支出」となるのが、国土交通省が標準としている考えです。

 ごく当たり前の事のはずですが、皆さんのマンションではどうなっていますか?


勘定科目 20戸規模 50戸規模 75戸規模 100戸規模 150戸規模
収入の部
 
 管理費収入
 
 水道料収入(立替債権)
 灯油料収入(立替債権)
 町内会費(預り金)
 雑収入
 
管理費収入+立替債権他
 
 
2,400,000
 
920,000
1,040,000
72,000
30,000
 
4,462,000
 
 
4,200,000
 
2,300,000
2,600,000
180,000
75,000
 
9,355,000
 
 
5,850,000
 
3,450,000
3,150,000
270,000
185,000
 
12,905,000
 
 
7,200,000
 
4,600,000
4,200,000
360,000
240,000
 
16,600,000
 
 
9,900,000
 
6,900,000
6,300,000
540,000
400,000
 
24,040,000
支出の部
 
 当期支出合計
 
 
 
5,991,700
 
 
 
12,302,250
 
 
 
18,323,250
 
 
 
22,619,750
 
 
 
30,933,900
 
 この差額は?
1,529,700
2,947,250
5,418,250
6,019,750
6,893,900

 この差額が、管理費会計の赤字です。
 本来、修繕積立金としなければならない駐車場使用料から赤字を補填しています。

 修繕積立金が必要十分な額が積み立てられている場合は、駐車場使用料から管理費会計の赤字を補填していても問題は無いのですが、数多くのマンション管理組合において修繕積立金が不足している実態があります。駐車場使用料を修繕積立金に充当していない場合は、修繕積立金の必要額は月額15,000円を超える金額です。

 修繕積立金の必要額について詳しくは、長期修繕計画 入門編 ←クリックして下さい。





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