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管理組合の財務会計の基準は定まってない現状であり、管理組合は管理委託先の会社の方式に委ねているところが多い。従って、各管理組合の財務状況を比較検討する上で、正確な情報を収集する上で困難がある。このような現状から、管理組合の財務処理方式が(財務会計基準)統一されることが望ましい。
これまで、基準は定まっていなかったが、(財)マンション管理センター等が、「マンションの管理組合の財務会計は、非営利団体という性格規定からして、公益法人会計を準用することが適当である」としてきた。
また、このところ管理組合の修繕積立金などが不正な業務上の横領で紛失している事例が報道されているように、会計処理の基準が曖昧なところにつけ込んだ事件が多発している。
本、情報提供は今後のマンション管理セミナーのテーマとして、より多くの情報提供のための試論として考えてみたい。

管理組合の財務会計はマンション管理に於ける最重要な業務であり、収支予算と収支決算は総会の議決事項である。しかし、現状は事例でも示されているように原理・原則からはずれた会計処理が散見されている。管理組合の会計処理の実態は、その管理組合の経営の実態を表現しているものであり、決算報告書を点検すれば自ずと明確になる。さて、これまで支援した管理組合の会計処理上の事例を検討してみたい。
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立替金や前払い金を多発している事例
理事長が纏まった金額を「立替金とか、前払い金」として受領している。本来管理組合にとって債務が発生する前に必要とする経費の支出は果たしてあるのだろうか。このような、現金の収受を多発している管理組合の会計処理は不正に繋がる要因であり、現に問題が発生している。
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支払いを現金で実行している事例
理事長が管理会社から現金を受領して、業者に直接支払う例。当然、このような場合は、不正に繋がっている。
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会計の目的別支出を無視している事例
大規模修繕工事を実施し予算を超える契約金額になり、総会の議決も経ず一般会計から支出してしまった例。また、大規模修繕工事費を一般会計に計上してい例。
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予算が計上されず支出した事例
建物の設備が台風のために破損し、その修繕工事代金を計上せず支出した例。
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貸借対照書を作成していない事例
資産と負債の内容を明示しなければならないところ、収支決算書のみの例。また、作成しているが事実と違う虚偽の内容の例。
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勘定科目が混在している事例
特に、支出科目にその例が見られるが、大項目、中項目、小項目に区分することがなく、混在して、分かりづらい例。
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形骸化されている会計監査
収支の内容を点検しない会計監査報告が多くの管理組合で行われ、形骸化されているところに会計処理の大きな問題がある。
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財務会計処理に関する細則等の法整備がなされてない事例
まだ、多くの管理組合では「会計細則」「会計処理規程」などの財務会計処理のための法整備が不充分であ。そのために、その時々の理事会の判断で実施している現状である。
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余剰金を継続して計上している事例
余剰金の修繕積立金会計に繰り出さないで、蓄積している例。
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管理会社の債務不履行
○水道料金の収支を計上せず、不当利得している事例
○定期的な支払いを履行せず、損害遅延金を管理組合に支払わせている事例
○水道料金の特例申請を履行せず、管理組合に損害を与えている事例
○会計期間内の収支を全て計上しないで、虚偽の決算報告書を総会に提出した事例
○総勘定元帳など会計に関する関係書類を提出しない事例
○未収金の督促履歴を提出しない事例
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管理費等の未収金放置
管理組合の財産である管理費と修繕積立金及び、使用料の徴収が等閑にされ、時効が毎月発生している例。
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修繕積立金の是正を放置している
販売当時の過小な修繕積立金を現在まで放置している事例
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無駄な経費を垂れ流している
管理費会計の支出の見直しほ放置している事例
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管理組合の会計基準は公益法人会計に準拠する事となっていたが、当該会計についてその概要を示したい。
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公益法人会計の目的
資産又は会費等に基づく収入をいかに運用し、保全管理しているか受託会計責任を明確にすることが求められている。
会計の特徴
複式簿記の手法を用い、資金の収支状況を重視して計算システムに取り込んでいる。
その基準は
(1)会計処理の基準 一般に公正妥当な会計処理の基準 現在そのようなものは形成されてない
(2)会計報告の基準 報告様式の基準
○予算準拠主義の原則 収支は、予算に基づいて行われなければならない
○複式簿記の原則 正規の基調による会計帳簿の作成
○真実性・明瞭性の原則 計算書類の作成
○継続性の原則 会計処理及び表示の継続性
(3)計算書類
○収支計算書
○正味財産増減計算書
○貸借対照書 資産=負債+正味財産
○財産目録
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管理組合会計は営利を目的とした企業会計ではなく、公益法人や官公庁のように決められた予算内で効率よく、その目的を達成するかを追及すべき非営利会計に含まれる。
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一般会計原則は会計に関する基本的な事項であるため、この会計基準を適用する
真実性の原則 事実と異なる虚偽の報告書を作成してはならない
正規の簿記の原則 整然、明瞭な記録としての会計帳簿を作成することが求められている
明瞭性の原則 財務諸表は正しい状況を関係者に示すことが求められている
継続性の原則 会計処理の手続きなどは継続性が必要となる
保守主義の原則 不確実な未収利息等は計上せず、発生している費用はできるだけ未払い計上することにより、健全な体質を保持する
単一性の原則 二重帳簿の禁止
予算主義と目的別会計は管理組合会計の基本的な重要事項として厳守されなければならない
予算主義 管理組合会計は財産の管理保全等最小限の費用で最大効果を得ることを目的とし、企業会計とは異なり、予算が重要な役割を果たすことになる
予算を超える支出は厳禁されており、もし、当期中に支出を履行しなければならない場合は、第58条第2項に規定されている「収支予算を変更しようとするときは、理事長は、その案を臨時総会に提出し、その承認を得なければならない」とされている
目的別会計 管理組合会計は目的別に実施しなければならない
その目的のみに支出することが原則で、一般会計と修繕積立金会計を混同した会計処理は認められていない
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収 入 |
支 出 |
管理費等 (第25条) |
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管理費  |
通常の管理に要する費用(第27条) |
特別修繕費 修繕積立金  |
特別の管理に要する費用(第28条) 及び、借入金の返済 |
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使用料(駐車場使用料、その他の使用料)  (第29条) |
駐車場、専用庭等の管理に要する費用 (第29条) |

収 入 |
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支 出 |
請求・入金処理 |
個人別・月別一覧表 請求明細書 収入・未収金一覧表 仮受金一覧表
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支払処理 |
実施計画書 業者発注一覧表 支払明細書 発注書 請求書・領収書 |
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月 次 処 理 |
月別収支明細書(試算表)管理費口 修繕積立金口収支表 貸借対照表 総勘定元帳・補助元帳 |
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決 算 |
貸借対照表 管理費口修繕積立金口収支表 総勘定元帳・補助元帳 残高証明書 監査報告書 |
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標準管理規約第7章は会計の規定を設けて、「管理組合の会計処理の基本的事項」について記載されている。第56条(会計年度)、第57条(管理組合の収入及び支出)、第58条(収支予算の作成及び変更)、第59条(会計報告)、第60条(管理費等の徴収)、第61条(管理費等の過不足)、第62条(預金口座の開設)、第63条(借入)、第64条(帳票類の作成、保管)、第65条(消滅時の財産の精算)となっている。
しかし、先の管理組合会計を厳密に執行しようしたならば、基本的事項では解釈の違いなど多岐に亘って疑義が生じかねない。従って、一般会計原則及び管理組合会計原則である「予算主義・目的別会計」が執行上生かされる細部の規定を策定することが求められている。

管理組合の「会計細則」「会計規定」は一般会計基準と管理組合の会計重要事項を具現化し、マンションの管理組合会計として現実に対応する生きた道しるべにすべきと思料する。各管理組合は策定のために別紙資料「会計細則」を批判的に参照にされることを望んでいる。

一般会計の余剰金は当該管理組合の経営の手腕のバロメーターという見方もあるが、無駄な経費を削減する管理組合の運営は当然である。それらの結果発生する余剰金は一般的に修繕積立金会計に振り替える(繰り出す)方法がとられている。しかし、そのまま何期放置している場合も見受けられる。
余剰金は無駄な経費に流用されないためにも修繕積立金会計に充当する基本的考え方には同意するが、その繰り返しは止めて、管理費と修繕積立金の負担割合をそれぞれ変更することを提唱したい。管理規約別表を改めることが必要である。
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