防火管理関係の法令改正の契機となった火災


火災名

概 要

火災の概要

火災後に改正された法令等の主な内容火災の概要
 (が改正項目)

東京宝塚劇場火災

昭和33年2月1日
東京都千代田区
死者 3名
負傷者 25名

ミュージカル上演中に使用した吹きボヤの火の粉がネットに燃え移ったもの。
防炎性能のない幕類が多量に使われていた。
電動式シャッターが火炎のため閉鎖できなかった。
階段やスロープで避難者が転倒した。

防火管理者制度を確立した。
(従来の「防火責任者」制度には細部の運用規定がなかったため、防火管理者の選任義務づけ及びその資格や職務内容について定めた。)

菊富士ホテル火災

昭和41年3月11日
群馬県水上町
死者 30名
負傷者 29名

休憩室で仮眠中の警備員が誤って石油ストーブを倒したため出火したもの。
消防計画が未作成で、訓練が実施されていなかった。
避難誘導が行われなかった。
内装材のベニヤ板やカーペット下地のクッション用フェルト(速燃性)により延焼拡大した。

防火管理者が行わなければならない業務を拡大した。(消火、通報、避難訓練の実施、設備等の維持管理及び収容人員の管理を追加した。)
防炎規制の実施(高層建築物、地下街、劇場、キャバレー等不特定多数の者が出入りする用途、病院等で使用するカーテン、どん帳、展示用合板等に防炎性能を義務づけた。)

喫茶田園火災

昭和43年1月17日
福岡県北九州市
死者  5名
負傷者 3名

下階を飲食店、上階を寄宿舎としているビルの2階飲食店の調理場から出火したもの。
火災の報知が遅れ、防火区画が無かったため、1箇所しかない屋内階段が煙でふさがれて避難できなかった。
防火管理体制が未整備であり、非常警報設備未設置など、経営者の防災意識が欠如していた。

共同防火管理制度の発足
(管理権原の分かれている高層建築物、地下街、複合用途防火対象物等においては、通報や避難誘導など火災発生時の対応について予め協議しておくこととした。)

中央ビル火災

昭和45年12月26日
茨城県水戸市
死者  2名
負傷者 18名

百貨店、事務所、結婚式場、飲食店等が入居する複合用途対象物の地下1階飲食店の厨房用排気ダクトから出火したもの。
防火管理体制が未整備で、火災発見後の行動が適切に行われなかった。
防火区画が不完全で、上階まで延焼した。

防火管理違反に対する措置命令を定めた。
(旅館、中高層建築物等における防火管理の一層の徹底を図るため、防火管理者を定めていない場合や共同防火管理に関して必要な事項を定めていない場合の消防長又は消防署長の措置命令を定めた。)

千日デパート火災

昭和47年5月13日
大阪市南区
死者 118名
負傷者 81名

改装工事中の3階衣料品売場から出火し、ダクトやエレベーターシャフト等から7階キャバレーに延焼。雑居ビルとして戦前戦後を通して最大規模の火災となった。
共同防火管理体制がとられていなかったため、上階への火災発生の連絡が遅れた。
工事中の火気規制が徹底されていなかった。
避難階段が施錠されていた。

防火管理体制の強化を図った。
(防火管理者が必要な対象物の規模を拡大するとともに、防火管理者の工事中における立会い、監督等の義務を加えた。)
スプリンクラー設備の設備基準を強化した。
自動火災報知設備の規定に遡及適用を実施した。

今町会館火災

昭和53年3月10日
新潟県新潟市
死者 11名
負傷者 2名

2階スナックの入口通路付近から出火した。
避難口が1箇所のみで、出火場所に近かったことから避難路が断たれた。
じゅうたんに防炎処理がされていなかった。
内装材から多量の有毒ガスが発生した。

防炎対象物品を拡大した。
(じゅうたん等の床敷物についても防炎規制の対象とした。)
自動火災報知設備及び避難器具の設置義務を強化した。

明星ビル火災

平成13年9月1日
東京都新宿区
死者 44名
負傷者 3名

3階エレベーターホールから出火。屋内階段を経由して4階に延焼したもの。
初期消火、通報、避難誘導等の初期対応が的確にされなかった。
階段室に多量の物品が放置されていたため、延焼拡大した。
物品の放置等により防火戸が閉鎖しなかったため、火煙が急激に流入した。

防火対象物定期点検報告制度の導入(大規模な対象物や階段が1箇所の対象物等に対して資格者による防火管理業務等に関する定期点検、報告を義務づけた。)
避難上必要な施設等の管理の義務づけ(廊下、階段等の適正な管理について管理権原者の義務とした。)
自動火災報知設備及び避難器具の設置基準見直し
命令要件の明確化及び罰則の引き上げ



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