エレベーターの設備(構造)


 エレベーターの駆動方式

  大きく分け、ロープ式と油圧式に分けられる。

  大多数はロープでかごを吊り下げる トラクション方式が用いられている。
         ・・・機械室 屋上に設置
    *ロープ式において、低層用に巻胴(ドラム)式が有る。
         ・・・機械室 下階で昇降路とは別
    *巻上機の代わりにリニアモーターを用いたものも有る。
         ・・・制御室が自由
    *近年の主流は機械室レスタイプ
         ・・・昇降路内に巻上機を設置するタイプ
      建物として、屋上に棟屋を設けなくても良い
         ・・・日影規制に対してスペースの有効活用やローコストに繋がる

  油圧式は直接式と間接式が有るが最も多く使われているのが、間接式。
   (直接式はかごを昇降させる為のシリンダー埋設部や昇降行程に制限が出る)




 定格速度
      低速 分速   45m/m以下
      中速      60m/m〜105m/m (一般住宅は大体60m/m)
      高速     120m/m以上
      超高速    360m/m以上 1978年 池袋サンシャイン 600
                    1993年 横浜ランドマークタワー 750


 用 途
      一般乗用・・・P:パッセンジャー
      住宅用・・・・R:レジデンシャル
      車椅子兼用・・W:ホイールチェア
      荷物用・・・・F:フレイト
      人荷用・・・・S:サービス(パッセンジャー&フレイト
      寝台用・・・・B:ベッド
      非常用・・・・ファイアーマン&サービス
      自動車用・・・G:ガレージ


 主要構造 巻上機
    ギャードマシン(歯車付き)・・・通常のビルに使用

今までの主流はウォームギアが用いられていたが、最近は低振動・低層音であり、ギヤ効率も高く省エネルギー効果のある、ヘリカルギアが用いられるようになった。
(斜歯歯車:はす歯・・・回転方向と駆動方向が同一・・・ウォームは90度変わる)

    ギャレスマシン・・・高層ビル等

ギャが無い為振動・騒音が小さく高効率の為高速機種に適しているがサイズが大型。


 安全装置
    非常止め装置(セフティ)

万一ロープが切断した場合や著しく下降速度が増大した場合、その下降を制止する装置。
調速機(ガバナー)と一対で設けられ、ガイドレールを強い力で挟む構造である。


  調速機(ガバナー)
    定格速度の1.3倍を超えないうちに動力を切り
    定格速度の1.4倍を超えないうちにかごの下降を制止させる
         ・・・速度を検知する為
    45m/m以下においては、63m/mで動力を切り、68m/mで下降を抑止

大概、遠心力を利用し過速検出スイッチを切ったり、非常止め装置を効かせたりしている。
*かごの中で飛んだり跳ねたりすると一時的に過速度状態を検知し停止してしまう事がある


  緩衝器(バッファー)

幾重にもなっている安全装置(速度検出、終端階強制減速・停止、ファイナルリミット)も効かず、昇降路の底部に衝突した場合においてもかご内の人が安全で有る様に衝撃を緩和する装置。
*60m/m以下においてはスプリング式、以上はオイルバッファーが用いられる。


  戸開閉装置

通常のエレベーターはかご側のドアを制御し、着床した乗場においてその階のドアとかご側に付いている係合装置にて連動される。
*乗場ドアはあくまでもかご側ドアによって連動・制御される。乗場ドアは閉まる方向に力が加わっており、かごがその階に居なければ機械的にロックされている。
*緊急時(停電等中間階にてかごが停止した際)はこのロック装置を外部より開錠して救出等をする事となる


 エレベーターの速度制御

  モーター制御の流れ

  1.直接起動方式(単速度交流カゴ型誘導電動機)
      小荷物専用(ダムウェーター)に使用されてきた。EVでも有った。

・スタート、ストップショックは当然、レベルも温度、ブレーキシューの過熱状態、負荷(カゴの積載量)によって不安定であった
・メーカーによってはブレーキシューをヒーターにより常に一定の温度に暖めてレベルを安定させていた機種もある
・モーター回路の接点の摩耗(アークによる)も激しく、短期間での交換を要した。


  2.AC−2 交流2段速度(極数の異なる2種類の巻線を持つ、カゴ型誘導電動機)
      極数は4:1

・起動時も抵抗により徐々に加速し、減速時は低速側巻線に切替て、速度を1/4に落とし更に低速側スイッチにより徐々に着床速度にしていく。
・積載量に対してのレベル負荷補償も有り、一般的にはかご下に過重検出スイッチを設けブレーキの落ちを制御している為、着床レベルも向上した。
・しかし、使用頻度の高いEVはやはりブレーキシュー、モーター本体の過熱状態によってレベルは不安定である。


  3.交流帰還制御:サーボドライブ

サイリスタの点弧角を変える事によりにモーター端子電圧を変化させ、任意の回転数を発生させる。
EVの速度を制御する。よってAC−2より
・連続的な速度制御により乗り心地が極めて良い。
・フライトタイム(階間走行時間)が短い
・着床制度が良い
スピードパターン(走行速度の理想曲線)と検出器にて実走行速度を常に比較し、スピードパターンに沿う様制御する。


  4.AC−VF(周波数変換:インバータ制御)

動力電源(三相交流)を全波整流にて一旦直流にし、インバータにて任意の交流にする。
 AC−Vとの比較   AC−V          AC−VF
 ・加速電流    定格電流の4〜450%     定格電流の150%
 ・逆相検知    必要            不要(一旦直流に変換の為)
 ・モーター加熱    有:冷却ブロア        無:運転時のモーター効率高い

その後、パワートランジスターにIGBT採用され、サインカーブを作る為のチョッピング周波数が上がり、より正弦波に近い波形が得られると共にチョッピング周波数が可聴範囲から遠くなった為、耳障りなノイズが無くなり、ノイズ等除去用リアクターが不要となった。
*今現在もエレベーター・駆動モーターの制御方式はこのインバーター制御方式である。


  直流エレベーターの速度制御

一対の電動発電機(M−G)を持ち、交流電動機で直流発電機を廻す。
90m/m〜105m/mに対して、ギャード方式
120m/m以上に対して、ギャレス方式が採用されていたが1980年頃からインバーター化やヘリカルマシンの進歩により殆ど採用されてはいない。