|
第2回意見交換会 問題提起 はじめに 今回の意見交換会を企画した意図は、管理組合の運営を「法令順守と適正かつ合理的な手法」に変えることによって、区分所有法が求めている組合員の共同の利益を増進する唯一の手段であることを各管理組合の実践から学び再確認致しました。この流れを一層拡大強化するために、会員の皆さんはじめ管理組合関係者に呼びかけて開催することに致しました。 管理組合における合意形成 管理組合の事業計画やそれに伴う予算案、大規模修繕工事、管理規約の改正等の議決には当該管理組合の総会に於いて多数の組合員の合意が必要です。そのために理事会は、適正な情報を提供することと説明責任を果たして、全ての組合員の賛同を得るような運営が求められています。 理事会内の合意が前提 管理組合が業務執行を進める場合、理事会の充分な合意があれば総会での多数合意は可能です。もし、理事会内で全会一致の合意が得られず数で決められた案件は、総会での合意形成は難しいのが現状です。その場合、総会では理事会の審議で反対した理事は、理事会での決議に反して反対することがしばしばあり総会が紛糾し、議決は難しい場合があります。
適正な提案も受け入れられない事例 ある管理組合は「前年度から懸案事項になっていた大規模修繕工事の設計監理を管理会社が自ら引き受けるという提案をしてきた。理事長は、様々な情報を入手して検討した結果、価格も高いし、監理の業務仕様に於いて不適正な内容であることを突き止めた。理事会と修繕工事検討委員会にその内容を報告して、管理会社の業務を行う一級建築士に委員会の席上質したところ、答えられなくなり、業務辞退を申し出た。従って、理事長は代案として、別な建築士を監理者として選任して、業務仕様を適正に変更し併せて価格も大幅に減額して総会に提案したところ多数により合意された」しかし、「その後、業務執行のために組合員を対象にした説明会を開いたところ、先の総会決議は無効だからやり直せと不当な要求があり、多数によって管理会社の設計監理に任せるという決議が為されたという暴挙があった」その後、「理事長は理事会を招集したが、申し合わせたように理事は殆ど出席せず理事会も開かれない状態が続いた。その間、理事長を解任するという不当な事態も生まれた」この事実経過を皆さんはどのように考えるでしょうか。
合意に至らない場合の共通性(三位一体) 管理組合内で合意に至らない事例を研究してみたところ、共通性が存在していることに気がつきました。問題提起している組合員の提案内容は、どれをとっても適正で組合員の共同の利益に適っているものばかりです。であるなら、何故、管理組合の理事会や総会は受け入れないのでしょうか。 改善案を提起している側に問題はないか (1) 情報をどれだけ組合員に提供したのか どれだけ優れた提案でも、組合員・理事会のメンバーがその情報の価値判断がなされていない場合は、受け入れられない。 (2) 独りよがりになっていないか 管理組合の運営は、多数の賛意が必要であり、独りよがりになっていたのでは相手にされない。このような事例には共通性があり、総会等での発言の仕方により反発が生まれる。 (3) 情報を共有する仲間がいるのか 情報を共有できる仲間作りがなされていない場合は、合意形成はなかなかなされず、文書配布だけを行うと反感がうまれる場合もある。 理事会は管理会社に盲目的に従っていないか (1) 保守主義から離脱は恐怖(これまでの管理会社主導からの離脱に) 長年、管理会社に盲目的に従ってきた管理組合は(理事会は多分一年交替制)情報も無い状態で管理会社(架空の信頼性)からの独立に恐怖感をもっている。 (2) 情報を収集して管理を適正化する意欲がない 管理組合は(理事会は)法令研究や情報収集などという問題に熱意が無く、管理会社に依存することに慣例化している。 管理会社の不法行為 (1) これまでの権益が失われる(隔離政策) 管理会社は、自分たちの管理の権益を失わないために謀略を策して問題提起者から組合員を隔離する。理事会に出席させないことなど。 (2) 問題提起者に対する攻撃 管理会社は、組合員と理事会の同行を知り尽くして、「改革改善問題提起者」に様々な攻撃を加える。 裁判事例は手続きを重視 合意形成を巡って裁判提訴が行われたケースがあり、その場合、判決は「決議の内容」は一般法理に反しない限り吟味せず手続き問題を重視する傾向です。 管理組合における業務の継続性 管理組合に於ける業務の継続性を強調することは、当然であると同時に大変難しい問題であります。業務の継続性を妨害しているのが、理事の一年交替制であることは誰もが否定できないでしょう。 毎年役員交代を望む管理会社 管理組合の役員が毎年交代する場合は、管理組合としての運営のノウハウや情報は蓄積され難いという経験は既に体験積みであろうと思います。しかし、このような管理組合の状況は不適正な管理を行っている管理会社にとっては望む体制です。 マンション管理標準指針の活用 また、この間、マンション管理適正化指針、マンション管理適正化法の制定があり、行政としても管理組合を支援することを決定していました。その後、国土交通省も管理組合支援策の一環として「マンション管理標準指針」を策定して公表いたしました。 理事会業務マニュアルの策定 業務の継続性を最小限継続する方法は、当マンションネットのセミナー等で情報提供してきた「理事会業務マニュアル」を策定することでしょう。 「理事会マニュアル策定の目的」ある管理組合の理事会マニュアルから抜粋 区分所有者から運営を委任された理事会は、民法の委任契約により受任者の義務を負い、総会の決議事項等を滞りなく適正に執行しなければなりません。 「ロードヒーティングの稼働」ある管理組合の理事会マニュアルから抜粋 稼働の基本的視点 これまでの無為無策を反省して、経費の節約を目的に組合員の理解のもと、次のようなロードヒーティングの稼働について定める。 進め方 その1 1)毎年度11月の理事会で、理事会の役割分担と管理員への協力要請を行うこと 2)ボイラーの点検を行い、期間中事故が起こらないようにすること 3)不凍液の状態を把握して、降雪時の対処を万全にすること 4)ボイラーの自動運転は基本的に行わないものとすること 5)毎年、11月の下旬にはロードヒーティング稼働のための節約方法を組合員に周知すること 進め方 その2 1)管理員の勤務時間の進め方 ○午前8時〜午後4時の間は、降雪期間中(12月〜3月)でも、降雪がない時は稼働(手動)はしないこと ○多少の雪が残っていても、天気の具合を勘案して止めること ○管理員の判断がつかない場合は理事長と相談してきめること ○温度設定は、通常4℃〜5℃にして、必要があると判断したときは理事長と相談して決めること 2)管理員が不在の時の進め方 ○理事会でローテーションをつくり、午後4時以降の役割を決めること ○降雪のない時は稼働はしないこと ○夜間の天気予報を確認の上、降雪が予測できる場合は、通常4℃〜5℃にして稼働させること ○天気予報で降雪が無いと確認された場合は、午後10時以降止めること 「管理委託契約の進め方」ある管理組合の理事会マニュアルから抜粋 管理委託契約の締結は次のように取り進めることとする。本契約の締結は総会の議決案件であり、毎年度定期総会の議題として提案することとする。 (1)管理委託業務は次のとおりとする。(業務と業務費用) (2)毎年、1月末日までに次年度の管理委託契約に係わる見積書を提出させて、2月の定期理事会で契約に係わる意思を決定する。これまでの契約に係わり債務不履行など当該管理組合に特別の損害を与えていない場合は、引き続き契約する旨、総会の議決事項として提案する。 (3)管理委託契約に係わる契約金額の見直しを何時も行い、適正で業務履行の可能な契約金額で締結すること。 (4)平成19年度の契約は「平成19年4月1日〜平成20年5月31日まで」の14ヶ月とする。 (5)適正化法に基づく関係書面の交付は適切に行わせることとする。 |