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H17.11月更新
新しく理事に選任された皆さんへ
特定非営利活動法人(NPO法人)(略称:北海道マンションネット)
北海道マンションネットからのメッセージ
この度、定期総会に於いて、新しく理事になられた皆さん大変ご苦労様です。これまで管理組合が発行する「理事会便り」「理事会通信」「組合便り」等の情報で管理組合理事会の行う業務は漠然としながらも、だいたいの輪郭は掴んでいることとは思いますが、最低限認識しなければならない理事会業務の第一歩について明らかにいたします。理事会業務の参考資料の一部として活用いただければ幸いです。
管理組合の構成 マンションの管理組合は「建物区分所有法」によって構成されており、マンションを購入した時点から、区分所有者は個人の意志にかかわらず管理組合の組合員になり、管理組合の運営に責任を負うことになります。法律により参加が強制されているという点で自治会・町内会とは大きく異なります。 従いまして、役員でないから組合運営に関心をもたなくても構わないなどと言う無責任な行為は認められません。勿論、役員に選任された方は組合員から日常の業務を委任されたのであって、全力を尽くさねばならないことは言うまでもありません。
管理組合の役員 管理組合の役員は理事と監事が総会で選任され、理事は後ほど開催される理事会で理事長等の役職を理事の互選で決定することになります。管理組合の理事長、副理事長と専門分野の担当理事の職務はそれぞれの管理組合規約で規定されております。理事長は理事会全体の職務を把握し、副理事長は理事長が何らかの理由により職務に専念できない場合は職務代理者として代理することになります。また、会計担当理事、施設担当理事、環境担当理事などと理事の職務を決めて業務を遂行している理事会もあります。何でも、理事長に任せることは理事会の運営にとって良い結果は生まれません。一人一人の理事が自分の担当分野に責任を持った管理組合の運営こそ組織を発展し組合員の要望を適えるものになります。
法令の遵守 管理組合の運営は「建物区分所有法」と「マンション管理適正化法」等によって規定され、その時々の理事会が自分たちに都合のよい、法令を無視した運営は認められておりません。従いまして、少なくともマンションの基本法等は理事会で学習し、理事会全体として、法律や管理規約・使用細則等の内容を理解して理事会の業務に臨むべきでしょう。 また、前述の二法の他にマンションの管理組合の運営に関わっている法令は20本以上あり、これらの関係法律も熟知しなければとんでもない運営を行うことになります。 理事会は区分所有者からその業務を委任されており、間違った運営を行い組合員に損害を与えた場合その責任が追及されることにもなります。従いまして、運営の基準は法令の遵守であり、よって立つところは関係法令を守ることにあります。
管理会社との委託契約 理事会が自覚と責任を持って組合運営を行うことは当然としても、しかし、現在、仕事を持っておられる方々は終日理事会業務に専念できるものでもありません。また、専門的な問題も多く理事に就任したからと言って直ちに、理事会の業務を実行することもできません。
そのために、多くの管理組合は管理会社と「管理委託契約を締結して」管理業務を委託しています。その際、業務の管理仕様を管理組合が示して、その内容に会社側が合意して契約を締結することが本来の姿でありますが、現実には管理会社が示した仕様を組合が黙認したものとなっています。その結果、多くの管理組合でどのようなことが起こっているかと言えば、管理会社が契約通り業務を履行していない事実があります。当マンションネットに寄せられた相談の中から特徴的なものをあげれば「未販売戸の分譲会社負担金を請求しないで放置していた」「水道料金の特例申請の戸数申請を怠り、管理組合に損害を与えた」「機械警備の地下埋設タンクに配線が接続してなかった」「電気保安点検が不必要なマンションから15年間にわたり経費を徴収していた」ことなど、多くの問題が発生しています。従って、管理会社とは緊張感ある対応が求められ、理事会は管理会社に対する管理・監督の立場を忘れてはなりません。
管理委託契約等は個別方式 管理組合が行う業務の全てを管理会社にお任せ委託していることを「丸投げ委託」「一括委託方式」と称されています。この方式は全て管理会社に委託していますので、理事会としての当事者能力の発達がありませんから、管理会社の好きなように管理業務が行われております。その結果、契約金額は会社提案そのままで適正価格を大幅に超えたものになっており、最近の事例として、78戸のマンションが通常600万円程度の価格のところ1,200万円で契約していた管理組合がありました。当マンションネットはこのような無駄な経費の削減を求めるために「一括委託方式を止めて個別契約方式へ」と提言しています。
管理組合の目的 さて、ここで、管理組合の設立目的は何か。この原点を見失ってしまうと間違った方向に向かってしまいます。管理組合の目的は「区分所有者全員で当該マンションの建物・設備を長期に渡り維持・保存すること、及び居住者がここに住んで良かったというコミュニュティーを形成する。」ことにあります。そのためにこそ、管理組合を結成して(財政を確保し規約を制定して)いるところです。
この目的を達成するためには、常日頃、情報の収集を実行して無駄のない効率的で組合員の共同の利益を確保するための努力をしなければならないでしょう。
管理組合は準公益法人 管理組合の性格は公益法人に準じると規定されております。それは先にも触れたように目的が明確になっていることと、それを支えるための財源的保証が確立しているためです。目的を適えるために、管理規約で「日常の管理業務を行う一般会計の管理費の徴収」と「建物・設備を長期に維持し保存するために修繕積立金の徴収」を決めて、滞納者がでないような運営を行っています。従って、管理組合は準公益法人と言われ、また、財産管理団体ともいう学説が有力であります。
理事会の議事 新理事会は前理事会が策定した事業計画と引継事項から業務を実行します。理事会の議案は理事長と副理事長が協議して、理事会に提案し、また、各担当理事から関係する案件を提案してもらい、議案として審議することになっております。理事会では意見の違いがある場合、早急に採決を求めて多数で決する方法は好ましくありません。何度も話し合うことで意見の集約ができることが可能です。何時も採決で物事を決めるやり方は理事会の結集率を下げ、管理組合の合意形成にも悪い影響を与えます。また、議事録は毎回担当者を変えて理事会終了後速やかに作成することが肝要です。
理事会業務の要は広報活動 理事会の業務は様々ありますが、理事会で現在どのような活動を行っているのか、逐一組合員に情報を提供することが組合業務の最重要課題になります。これまで総会の出席率が低くてその都度総会が成立するのか心配していた管理組合の事例で「新しく理事長になられた方が理事会の審議内容をニュースレターにして根気よく発行し、組合員の意見、提案等も掲載するようにしたところ、この広報活動を通じて組合員間の日常会話が活発になりました。一年後の定期総会は委任状の提出はあったものの、無断の欠席者はありませんでした。」情報を提供することで組合運動に無関心な方もだんだんと理解が深まり、「誰かにお任せにしていればよい。」という考え方から脱却する方向に進むことは間違いありません。
管理規約 管理規約は管理組合のルールを定めたものであります。これも管理組合が好き勝手に自由に作れるものではありません。建物区分所有法の定めでは「区分所有法に反しない範囲で区分所有者相互間の自治規範として管理規約をつくり、区分所有者はこの規約に拘束されることを規定することによって、建物またはその敷地若しくは付属施設の管理及び使用に関する区分所有者相互間の権利・義務や利害調整などを私的自治に委ねている。」としています。
(1)区分所有法に定めがあっても同法で許容する一定の場合は、規約で別段の定めができます。
(2)区分所有法に特段の定めがない事項についても、同法の趣旨に反しない限り規約で定めることができます。
標準管理規約 平成15年6月の区分所有法の改正に伴い、国土交通省では平成16年1月に改正マンション標準管理規約を発表しました。管理規約は前項で述べたように、それぞれの管理組合に於いて総会の特別決議(組合員数・議決権の3/4以上の賛成)で決定されますが、前項にあるような定めが規定通りになっていない管理規約も多々見受けられます。従って、管理組合で規約を改正するためには標準管理規約を充分に参考にされて法的に瑕疵がないようにしなければなりません。標準管理規約をベースにした管理規約の制定をお勧めします。
管理組合会計の原則 管理組合は先にも述べたように、公益法人に準ずる団体の性格からして、会計原則が定められております。公益法人会計は「予算主義の原則」と言われ、総会で予算が議決しなければ支出することはできません。例えば、管理組合理事会の業務を執行するためにコンピューターを購入したいが総会で予算措置がなされていない場合は補正予算を臨時総会に提案し議決後執行することができます。もし、他の科目から流用する場合は会計細則等の規定が必要になります。このように管理組合の会計は予算準拠主義ですから、支出科目がないのに理事会の勝手な執行は厳に慎まなければなりません。
目的別会計 管理組合の会計はその目的毎に会計を別立てにしなければなりません。つまり、日常の維持管理を行う「一般会計」と建物・設備等の維持と保持のための「修繕積立金会計」、あるいは、組合員の専有部分に係わる灯油料金のような管理組合の立て替え債権である「灯油料金会計」とその目的毎に会計を別立てにして執行することになっております。全ての会計を混在してしまえば、管理組合の会計の実態が不明になります。目的別に区分することによって、各会計の収支の実態が明らかになり、開かれた公正な会計の管理が保証されます。
「無駄を省いた」予算の執行 将来予定されている、修繕工事の資金を確保するために区分所有者は修繕積立金を負担しております。販売時に設定された不適切で低廉な負担では大規模修繕時に組合員の一時負担金問題が発生します。このような事態を招いては一大事であり、修繕積立金の計画的な積み立てが必要です。同時に、一般会計の見直しを行い、無駄な経費の削減を実行し組合員の負担の軽減を図ることをお勧め致します。例えば、これまで契約していた管理委託経費を適正な契約に変更した事例として、年間300万円が軽減された管理組合がありました。この一般会計の余剰金を修繕積立金会計に繰り出すことによって、大幅な修繕積立金の負担を回避した例は管理組合本来の目指すべき課題であります。当マンションネットの支援により、これまで多くの管理組合が経費の節減に成功しました。皆さんも、組合員の共同の利益の増進のために経費の効率的執行に取り組んで頂きたいものです。
住民間のコミュニケーション 管理組合の運営の基本は住民間のコミュニケーションをどのようにとっていくかが大変重要な課題になります。理事会が一生懸命に業務を行っていても、その情景が区分所有者に伝わらなければ意味がありません。先にも触れましたように、そのための広報活動も進めなければなりませんが、対話を通じた人間関係をどのように構築していくことができるか、検討していくことが重要でしょう。
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