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マンション管理セミナー(管理員対象)報告レジュメ 特定非営利活動法人(NPO法人) 北海道マンション管理問題支援ネット はじめに マンションの管理組合は「理事会が実施すべき管理運営業務」を専門業としての「管理会社」に委託し実行している。中には管理組合理事会が管理会社に委託しないで運営している(自主的管理或いは当事者管理と私どもマンションネットは呼称している)場合もあるが、少数であり、今日のマンション管理の実態は管理会社に委託して運営しているケースが大多数である。 さて、本日の与えられたテーマは管理員さんの「管理員労働者論」(言うならば、管理員さんの仕事論)であり、私どもNPO法人が認識している管理員さんの日常実施している業務とは「管理会社の委託業務の善し悪しを決定する」上で、重大な役割を担っていると言っても過言ではない。 「マンション問題」と呼称されている、マンション内で起こる様々な問題現象はその解決には困難が伴う。しかし、問題の本質を良く理解し望むならば、それほど難しくないものである。 管理員は管理委託契約の締結によって、その業務内容が決定されているが、その業務を機械的に実に見事に実行しても高く評価されるものではない。業務の内容実態はマンション住民に何事でも懇切丁寧な説明責任を果たすことが伴わなければ、納得されるものではない。 管理会社の業務履行に手抜きが生じても、「管理員の存在」が組合員の支持を集めていれば免罪されているいくつもの例がある。それだけ、管理員の仕事に対する姿勢が管理委託契約の中でも大きい存在となっている。 (NPO法人)北海道マンション管理問題支援ネットの自己紹介 (略称・北海道マンションネット) ☆任意団体として1999’1’に発足、マンション管理に関心のある者の学習集団として、会員が情報を持ち寄り交流していた。そのうちに、相談も持ちかけられて、会員以外の管 理組合も個別に支援する組織に発展してきた。 ☆この間、NPO法人として認証されるべく検討してきたが、事務所の確保が困難なために実現されなかった。 ☆2003’1’事務所を安価な賃貸料で提供してくれる理解者が出現し、現在の事務所が確保され、2003’4’に特定非営利活動法人認証の申請を内閣府(北海道庁が事務委任)に行い、2003’8’に晴れて認証され、法人登記も完了した。 ☆2003’4’新たな現在の組織を結成してから、新聞、テレビなど報道関係で当マンションネットの活動が紹介され、相談・支援を求める管理組合が増加してきた。 ☆支援は「管理組合理事会がマンション管理の全てに関して求める支援」に具体的で且つ、実践的な支援を行っている。支援を求めるに際しての条件は理事会が一致して決議することにしている。また、理事会以外の組合員でもその支援を求める内容が社会的に、法律的にも道理があればその方々と問題を共有し、支援することにしている。 ☆しかし、当マンションネットは公益法人としての性格と法に基づく規制及び定款で厳しく規定されているために、社会的不正や法を逸脱した行為は一切行わない。建物区分所有法、マンション管理適正化法等を遵守した適正な相談と支援を実行しているところである。 マンションとは何か 「マンションとは何か」とわざわざ取り上げたのには理由がある。「管理組合の役員のなり手がいない」「総会には何時も10名程度しか集まらない」「理事会も成立しないことがある」など、管理組合の運営に無関心な組合はまだまだ相当数存在している。 「理事会も年に何回も開かれない、運営も管理会社にお任せ状態、役員は毎年替わる、役員の顔も知らない、修繕積立金は原始規約のまま安価に据え置きになっている、管理員とフロント担当で何でも対応してしまう。何も問題が発生していないからこの管理組合の運営は正常に機能している」と、認識している管理員が、もし本当に存在するならばこの管理組合は不幸であり、後年大激論が発生し、コミュニティーが破壊される要因を持っている。 また、「理事会が定期的に開催され且つ公開されている、広報などの情報が隈無く開示され理事会の運営が良く分かる、予算が適正にルールに則り執行されている、役員は2年毎半分づつ入れ替わる、時々組合員も対象にした勉強会も開かれている、修繕積立金も適正に毎月徴収されている」という組合は管理員も安心して仕事に専念できる。 以上の例のように、マンション住民はマンション管理に無関心であり、人ごとのように考えている。そして、目には見えないが問題が山積して、問題を放置している理事会であれば一回目の大規模修繕工事を迎えたときに大激震が走る。 「法律論では」管理組合の設立目的は「区分所有者全員で当該マンションの建物・設備を長期に渡り維持・保存すること、及び住人が住んで良かったという住民間のコミュニティーを形成すること」にある。 また、管理組合の性格は公益法人に準ずると規定されている。それは目的が明確に存在し、その目的を達成するための財源的保証が確立していることがあげられる。 住民は何故マンションを求めたのかとの問いに「隣近所とつき合わなくて良いから、雪かきがないから、他人から干渉されないから、煩わしさがないから」等とアンケートに答えている。 しかし、この答えは入居後一年も経ない内に覆されているのが現実であり、それほど煩わしさを感じていない入居者を含めても全ての住民が、マンションに対する当初の期待が達成されていない。 つまり、理事会運営も含めて、マンションとは煩わしさの集合体と言わなければならない。 このようなマンションの中にあって管理員はどのように対処しなければならないのか。大いに悩むところである。 現実に「ペットの鳴き声がうるさい、上階で子供が騒ぐ、週末になると宴会が始まり、子供が泣き出す、廊下やエントランスに犬の糞が放置されている」等住民それぞれの住み方を巡って、苦情の対応に辟易させられている。これらの解決が拗れると裁判提訴という最悪のシナリオが待っていて、管理員の責任と言わないまでも精神的に大変辛い思いもする。 「ある管理員さん」の業務事例 Dp○○○○管理組合に10年間勤務している70歳の管理員さんの事例。 ◎業務の実態 標準の管理委託仕様に示されているように、朝9時前に出勤し、入居者などからの連絡事項の確認後、マンション内の点検業務を実施し不具合箇所など克明にメモる。その後外回りのゴミ集めと点検作業。一度管理員室に戻り昨日の退勤時から今朝までの連絡事項の整理。その間、清掃員が作業を始めているが、住民からの清掃の苦情など伝達して、本日の作業内容の確認を行う。月例の日程表には毎日の作業内容が記載されている(管理会社から示されたものでなく、自ら作成しているもの)たまたま、その日はエレベーターの保守点検日メンテナンスの作業員が点検に入る。管理員は終始立ち会い業務。3台の点検終了が正午。午後1時消防設備点検業者が来期の見積書持参、既に三者から徴収したとのこと。その後、大規模修繕工事の監理候補者と作業工程の打ち合わせ。その間住民から依頼毎二件ある。ゲスト駐車場の申込み受付。監事が特に用がないが管理員室に。管理員に対してはとても丁重な対応をしていた。午後4時マンション内の点検と外部のゴミ集めと点検。午後4時40分業務日誌の記帳。午後5時業務終了。 ◎管理会社と管理員と理事会 本マンションの管理会社は当初デベロサッパーの子会社であったが、管理委託費が適正な価格を超えていたために、道内の独立系の管理会社に契約を変更し現在に至っている。管理会社は会計管理(決算報告と予算書作成)のみ実行し、その他全て管理員に任せている。言うならば風変わりな管理委託の状況と言える。 理事会も管理員に全てお任せ状態、理事会には管理会社のフロント担当者は出席せず、管理員が常に出席し、日常業務の報告を行い、理事会審議に於いても意見、提案を行い、現実に理事長代行のような地位を確保している。何度も退職を申し出たが慰留されている。 ◎管理員の実績 当初の管理委託経費を引き下げ、各メンテナンス契約を個別契約に切り替え大幅な経費節減に貢献し、現在も情報の収集を適宜行い、引き下げを断行中。 管理会社や管理組合が行う、全ての業務について関心が高く、突き詰めていく姿勢が学ぶべきところ。エレベーターの保守・点検業務ではロープの疲労度とロープの延びを研究し、メンテナンス業務に新しい展望を与えた。 ◎現在は大規模修繕工事の理事会業務の代行 第一回目の大規模修繕工事(屋上防水工事と外壁補修工事)を迎えて、工事監理者の選定、工事の工程など修繕委員会での審議に参加し、積極的な役割を果たしている。 ◎管理員としてのスタンス 管理員として必要以上の職責を果たしているために、理事会にとっては貴重な存在となっているが、退職した後理事会の運営はどうなるのか心配である。 さて、当管理員は何事にも積極的に立ち向かい、情報を収集して現状を改善して管理組合の運営を発展させようと努力している姿勢は大いに学ぶところがある。 決められた業務仕様も履行できない管理員が存在する現在、確かに、管理員のすべきでない業務も行って特殊な管理員ではあるが、「どうせ管理員をやるなら、管理組合から信頼される仕事をしたい」(管理員労働者像)という彼の生き様には学ぶべきところがある。 管理員業務の標準仕様とNPO法人が求める仕様 国土交通省が準則として示している、管理員の標準仕様は(別紙を参照)標準管理委託契約書の別表2をいう。 ☆何処の管理組合も管理員の業務仕様には差異がない。あるとすればフルタイムか隔日勤務、半日勤務の態様だけで、小規模で有れば日常清掃を兼ねている場合が多い。 ☆何処の管理組合でも共通しているが、立ち会い業務を軽視している傾向がある。立ち会いしている時間が有ればその他の業務ができると考えがちだが、しっかり立ち会ってどのような作業を行っているのかチックすることが、念入りなメンテナンス業務に繋がる。その証拠に、ある管理組合は理事会メンバーが常時立ち会ったところ、これまでの作業より時間がかかった。結果として、手抜がされない。 ☆設備の点検は最重要課題であり、講習を受けたり、有識者等から設備の仕組みを学び大事に至らない内に対処できる能力を身につけることが肝要であり、管理員の管理員たる所以と思う。 ☆経費の無駄を排除する取り組みが求められている。例えば、白熱灯を蛍光灯に変えること。必要でない箇所の電気の間引き。不必要なロードヒーティングの稼働はやめる。等管理員が問題意識を発揮すれば直ちに改善できる事項があり、管理組合の運営に貢献できる。 ☆指示された業務以外は念頭にない管理員はこれから生き残れない。新しい管理員像を巡る熾烈な人事の闘いが既に始まっている。 ☆管理組合の運営を規定している法令を熟知しないで、業務を実行している管理員も存在するが、これからは相手にされない。少なくとも、基本法と当該管理組合管理規約だけでも熟知し、それらの法令を基準にした管理に心されたい。 最小限の法令知識と管理組合の運営 (別紙、新しく理事に選任された皆さんへ参照) 管理組合の構成 管理組合の役員 法令の遵守 管理会社との委託契約及び契約は個別方式 管理組合の目的 管理組合は準公益法人 理事会の議事 理事会の活動の要は候補活動 管理規約 管理組合の会計原則と目的別会計 「無駄を省いた」予算の執行 まとめ 新築マンションの役員の方へ マンション購入予定の方へ 新理事に選任された方へ 情報発信 bQ(H19年9月) 情報発信 bP(平成16年2月〜平成18年2月) Homeへ戻る |